方向幕
方向幕(ほうこうまく)とは、鉄道やバスの前面・側面・後面にある、種別や行先を表示する機械のこと。
概要[編集]
古くは行先表示にはサボ(行先標)と呼ばれる板を使用していたが、車外での作業が欠かせず、板なのでコストパフォーマンスの観点から非効率的だったと思われ、車内で行先を変更でき、自動化[注 1]も可能な方向幕を導入。都市部の鉄道や乗員不足によるワンマンバス導入と相まったバスで1970年代に比較的早く普及したが、国鉄や一部鉄道会社では、要員減に繋がる反合理化の象徴として、1980年代までサボ離れは進まなかった。
一方、方向幕の場合は新しい行先を追加したり使わなくなった行先を削除したり…といったことを行う場合は方向幕を作り直す必要があり[注 2]、さらなる効率化が行われることとなった。その結果、現在主流となるLED式の方向幕が誕生し、今ではほとんどの電車がLEDの方向幕を搭載する。しかし、LEDは粒であったり、初期は青色LED未開発だったため視認性が幕より低下し、さらなる改良として液晶式の方向幕も誕生した。
方式[編集]
幕式[編集]
幕によって様々な行先を表示する方式。なお、単なる往復しか無い場合、幕表示の部分に固定した板で表示していることもある[注 3]。
3色LED式[編集]
オレンジ、赤、緑の3色で行先を表示する方式。色がオレンジ色なので視認性に難がある。
フルカラーLED式[編集]
様々な色のLEDによって行先を表示する方式。3色LEDより見やすい。
白色LED式[編集]
白色LEDで行先を表示する方式。3色LEDより見やすい。
液晶式[編集]
液晶によって行先を表示する方式。初期の液晶式はLED式より見にくく普及しなかったが、2020年代に入るとLCDによるものが京阪3000系電車や東武N100系電車で使われるようになった。
その他[編集]
西鉄バスでは、外観と同じ方向幕を車内で掲示している工夫がされている。
関連項目[編集]
- 運賃表示器 - ワンマンバス等に使用される表示器。こちらも、幕式 → LED表示 → LCD表示と進化した。