二酸化炭素
固体の二酸化炭素が気化する様子 | |
化学式 | CO2 |
別名 | 炭酸ガス, シーオーツー, ドライアイス |
常温での状態 | 気体 |
色 | 固体:白 |
溶解度g/100g-H2O | 0.145 |
融点℃ | 昇華 |
沸点℃ | −78.5 |
CAS | 124-38-9 |
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二酸化炭素(にさんかたんそ 化学式:CO2)は、無機化合物 ()のひとつ。植物や緑色微生物の光合成に使われる。地球温暖化の原因物質である[1]。
概要[編集]
地球の大気上に約0.03パーセント存在する、常温では無色無臭の気体である。
存在量では、窒素・酸素に次いで3位になりそうな印象があるが、実際はアルゴン(空気中に0.93%)に次ぐ4位である。温室効果ガスであり、メタンガスやフロンガスと並んで問題視されている。
炭素1原子に酸素2原子が結合した直線状の物質で極性を持たない。
炭素が完全燃焼した際に発生するほか、生物の呼吸によっても発生する。安定した物質で水には可溶し、炭酸となって弱酸性を示す。地球の大気にも微量に存在し、温室効果によって地球の大気中の温度を上昇させている。植物は二酸化炭素を使用して光合成を行い、二酸化炭素の中の炭素を養分として取り込んでいる。したがって、大気中に二酸化炭素がまったく存在しないと植物は絶滅することになり、「大気中に必要な成分」とも謂える。
二酸化炭素という字面からは、いかにも炭素が主成分であるかの様に見えるが、実際は酸素の原子核が重量の大半を占める。
状態[編集]
二酸化炭素は大気圧では液体にならず、圧縮または冷却すると気体から直接固体になる凝華が起こる。ただし「液化炭酸ガス」というものが高圧ボンベに入れられて流通しており、これを常圧に戻すとドライアイスができる。
気体[編集]
気体の二酸化炭素は大気中に存在し、炭素を含む物質を燃焼させることや生物の呼吸で発生する。
理科実験では、石灰石に塩酸をかけることで二酸化炭素を生成する。
液体[編集]
液体の二酸化炭素は自然には存在しない。5.1気圧以上の圧力をかければ液体のものも出来る。
固体[編集]
別名はドライアイス。生菓子 ()の個人による輸送、舞台の演出などに使われる。大型スーパーで買うことが出来る他、液体窒素で二酸化炭素を冷却することで生成される。
凍傷に注意して扱う必要がある。
水溶液[編集]
弱酸性を示す炭酸水である。
自然界での存在[編集]
多くの生物は、エネルギー源として体内に取り込んだ炭素と水素を、呼吸で取り込んだ酸素と反応させることにより、運動に必要なエネルギーを得ている。この反応により二酸化炭素と水を発生し、呼吸で体外に排出される。
一方植物は、太陽光のエネルギーを用いて、二酸化炭素を炭素と酸素に分解し、炭素を養分として体内に取り込んでいる。
炭素を燃焼させると、炭素が二酸化炭素に変化する。しかし、酸素の量が十分で無いと、有毒ガスである一酸化炭素が発生してしまう。
用途[編集]
火災の際の消火装置として使われる。第二次世界大戦中の大型軍用機はガソリンエンジンに二酸化炭素を使用した自動消火装置を設置した。このほかの利用法として溶接、炭酸飲料の製造、ドライアイスの製造に使用される。
二酸化炭素そのものの用途ではないが、人間が過ごす空間の換気が上手くできているかの指標として、二酸化炭素の濃度を測るというものがある。新型コロナウイルスの感染が拡大した際に使われた。
毒性[編集]
密閉した部屋などで二酸化炭素濃度が高くなると、二酸化炭素中毒になったり、死に至る事もある。
湖から放出された二酸化炭素で一気に大勢が亡くなった事例もある[2]。
高濃度の二酸化炭素が地表付近にたまり層をなして、入るものを殺す洞窟もある。
無色無臭の気体である事から、計測器を使って確認しないと濃度が高い事に気づけない場合も。
少量であれば、眠気や軽い酸欠で済む。
また、密閉した部屋で火をつかうと二酸化炭素も出るが、それ以上に一酸化炭素中毒の危険があり、するべきではない。換気をしましょう。
温室効果[編集]
放射熱を吸収し、地球から宇宙に熱が放出されるのを妨げることから、地球温暖化の主原因とされる。
温室効果自体はメタンやフロンの方が強いが、存在量・排出量は二酸化炭素が圧倒的に多いことから、二酸化炭素が特に問題視されている。
その他[編集]
ビニールハウス内で灯油を燃焼させて二酸化炭素を発生させ、温暖化効果と光合成の促進で作物の成長を促せる。金星と火星の大気のほとんどが二酸化炭素である。
脚注[編集]
関連項目[編集]
- よみもの:ドライアイスで飽きずに遊ぶ - 固体であるドライアイスで遊ぶ方法、駄目な遊び方など。