超次元帝国清掃課
超次元帝国清掃課(ちょうじんていこくせいそうか)は、NHK教育テレビジョンの子供向け番組『天才てれびくん』に登場する組織。主人公であるてれび戦士とシリーズ5作目・Let's天才てれびくんでの敵対する組織として描かれた。
概要[編集]
幾つもの次元世界の頂点に立つ巨大国家「超次元帝国」の組織の一つ。次元の秩序を守るためにあらゆる次元の“掃除”を行う超次元帝国の機関で超次元帝国のエリート集団であり(ただし地球係は落ちこぼれらしい)、帝国の子供たちみんなの憧れの的。最高責任者は「総監」と呼ばれている。22世紀の地球から大量の廃棄物が投棄された件により帝国は地球人を「ゴミを撒き散らかす迷惑千万な人種」とみなし、3名の清掃課地球係員に地球人を一人残らず抹殺する命令が下された。係員は地球からの廃棄物を異次元獣に改造して21世紀の地球に送り込んだが、22世紀に設立されたITAISENと21世紀の地球人たち、どちゃもんとの攻防戦の末に全て撃破される。この件を受けた係員は21世紀の地球にタイムワープし、最大の障害と見たどちゃもんの排除に乗り出す。ITAISENからは「超次元帝国の人」「トンガリ野郎」「お掃除トリオ」などと呼ばれるほか、大野課長からは毎回木曜生放送で「せいとんか」「へいそうか」などと名前を呼び間違われている[注 1]。
超次元帝国の国民「超次元人」は、外見はほぼ地球人と同じだが、遺伝子は地球人とは異なっているらしい。また、手からは電撃などの超能力を放ったりもできる。飛永と大水はこまちまちこ異次元獣を用いた地球殲滅が失敗した後、天馬係長の決意を聞かされた事で自分たちも次元ホール消去作戦に協力する事を決意。ITAISENの中田開発主任と藤森助手に接触して第5やたがらす丸と超次元チリトラー808のエンジンを直結する作業を行うと共に、ぱぺらぴ子に対しては回収しているどちゃもんの返還を懇願した。
人物[編集]
- 地球係 係長 - 松永天馬(アーバンギャルド)
- “地球のお掃除”を任務とする地球係の係長。中間管理職で権威に弱い。自分が大好きな自信家ではたきを使う掃除が好き。オカマっぽい口調で喋り、ヒステリックかつコミカルに部下を叱咤する姿がよく見られる。2016年度では、超超次元能力であかのやまから化粧まわしを盗み、ぷうか異次元獣戦では彼女の記憶操作に関わっていたことが判明している[注 2]。ある時、誤ってチリトラー808から転落した所を滝口ひかりの一家に助けられ、それがきっかけで彼女に淡い恋心を抱くようになる。そしてこまちまちこ異次元獣戦では、前日に奪った五郎さんの手紙をなまはげに取り返され、コアが分離した後の異次元獣のボディに自らダミーコアとなって融合し、懸命に戦うが結局は敗北。その後ぱぺらぴ子からの粛清通告を受けて「もう帝国には帰れない」と悟り、地球を第二の故郷とする事を決断。部下たちに別れを告げ、ITAISENの次元ホール消去作戦に協力する事を決意する。作戦成功後、てれび戦士の緊急記者会見が終わった後に会見会場の清掃員として登場し、てれび戦士と再会した。その後、2020年3月4日放送の天てれYOU最終回ラストシーンで財布を落として清掃員になっていた団長をはたきを持って説教する人がいたが天馬係長本人かは不明。
- 地球係 メカ開発・整備担当 - 大水洋介(ラバーガール)
- ぬめり取りが好き。地球係の母船・超次元チリトラー808の整備も行う。どちゃもんに化ける能力を持ち、三重どちゃもん・にんまるに化け、本物のにんまると同士討ち。また東京どちゃもん・もものうちに声が似ているのを利用して(上記の通りもものうちの声は大水が担当している)もものうちに化け、第5やたがらす丸に潜入して超蝶野ロボを盗み出したこともあった。
- 地球係 異次元獣・薬品製造担当 - 飛永翼(ラバーガール)
- 超次元アイドル「ぱぺらぴ子(下記参照、ただし彼女が上司である事は知らなかった)」のファン。超次元帝国に妻を残して単身赴任中。細かい所の掃除が好き。滋賀どちゃもん・よしばっばを捕獲した際は彼女に母親の面影を見て情が移り逃がしてやったり、同じぱぺらーである事を利用して山形どちゃもん・だまちゃだめの捕獲を試みた際はぱぺらーとして純粋に喜ぶ彼の姿に罪悪感を覚え、罠である事を教えて逃がしてやるなど、清掃課地球係の3人の中では優しい一面を見せることが多い。また大水ほどではないが、彼も少々ヌケているところがある。物語の終了時には超次元帝国に帰還したと思われるが、2017年4月24日放送の『わらたまドッカ〜ン』では、その回の挑戦者であるラバーガールが当番組に出演していた事について言及されていた。
- 超次元帝国清掃課 総監 - ぱぺらぴ子(声:浜崎容子(アーバンギャルド))
- 黄色いインコのような顔をした超次元帝国人で、超次元帝国清掃課の最高責任者にして超次元アイドル。彼女のファンは「ぱぺらー」と呼ばれており、またぱぺらぴ子自身は超次元帝国を代表するコンサートホール「超次元サンプラザ」でのライブなど幅広く活動しているらしい。彼女のナンバー「キスミーきれいみー」は聴いた者を超次元帝国に心酔させる洗脳ソングであり、清掃課はこれを地球人に聴かせる事で帝国の信奉者を増やしていた。他には自分のポスターを通じた瞬間移動、意思一つで自由に物体をお片づけ(消去)する、口から光の紐のような物を伸ばして相手を捕縛・拘束するなどの能力を持つ。おくとぱすみれ異次元獣戦では彼女の記憶操作に関わっている事も判明しており、「初舞台に立てなかったのは長谷川のせいであり、彼に復讐を果たせばあなたの悲劇は終わる」と吹き込んでいた。
- 基本的に己の目的を果たすためには冷酷非道だが、若干ツンデレの気もある。こまちまちこ異次元獣を用いた地球殲滅が失敗した後は地球係の3人をグレートスイトラーに回収させた上で、現在手元にあるどちゃもん4体を用いた「キメラ異次元獣」の投入を計画するが、地球係がITAISENと協力して地球からのゴミ投棄の要因である次元ホールの消去作戦を始めた事を知ると「それで地球を滅ぼさずにすむようになるのなら」と粛清通告を天馬係長への解雇通告に切り替えて地球係を後押しし、次元ホール消去作戦成功を条件に回収しているどちゃもんの返還を決断した。
関連アイテム[編集]
- 超次元チリトラー808(はちまるはち)
- 超次元帝国清掃課地球係が使用する超次元シップ。次元を超えてどこにでも瞬間移動できる。空間内を飛行する際の最高速度は333km/h。全長25m。黒い掃除機のような形状をしている。係員が滞在するコントロールルームは見かけも設備も貧弱で格安アパートの一室も同然。ゆえに第5やたがらす丸に通信をかける際は、大きな板に未来的な装備の数々を描いた偽装を背景に立てて内部をごまかしている。
- コチリトラー
- 超次元チリトラー808の先端のノズル部分が分離した小型高速シップ。スティック型掃除機のような形状をしている。最高飛行速度はマッハ2.5。通常は2人乗りだが、強引に3人搭乗することも可能。全長約10m。ノズル部分で目的の物を吸入し、本体上部に設置された超次元ゴミ回収カプセルに収容できる。人型の戦闘用ロボット「コチリトラーロボ」にも変形可能(ロボ形態ではカプセルは腹部に位置する。またコチリトラー形態で腕だけ出すこともできる)で、これは掃除機ロボットの基本設計を流用しているため押すと弱体化する“弱スイッチ”がついているが、その位置は変えることができる。2016年度では全身に装甲が追加されパワーアップしている。
- 超次元ゴミ回収シップ・グレートスイトラー
- 超次元帝国清掃課回収係が運用する大型ゴミ回収船。巨大な円盤形で直径およそ3,000m。自動運転でさまざまな次元を定時運行し、超次元ゴミ回収カプセルを回収する。地球にやってくるのは毎週木曜日の午後6時52分[注 3]。底面に清掃課のシンボルである目のマークがあり、そこから出す回収ビームでカプセルを回収するシステムである。逆に回収したカプセルを出すことも可能。
- 超次元ゴミ回収カプセル
- グレートスイトラーが自動認識して回収するゴミ箱。胴部分が半透明のゴミバケツのような形状をしている。グレートスイトラーはこのカプセル以外の物は回収することができない。
- 超次元マイアンテナ
- 清掃課メンバーがかぶっている黒くて長い一本角のついた帽子。清掃課を始め、超次元帝国の国民が成人した際に必ず与えられる物で、超次元帝国住民課と常時通信してあらゆる個人情報(健康状態・学歴・職歴・家柄・預金残高・公共料金の支払状況など)の管理を行えるほか、触れることで日時を把握する時計の役割も果たしているらしい。帝国内ではマイアンテナのペーパークラフトなどの玩具が子供たちの人気アイテムになっているという。なお、番組公式サイトではこのマイアンテナとゴミ回収カプセルのペーパークラフトを配信しており、ダウンロードして製作できるようになっているほかマイアンテナをかぶった状態の写真を募集していた。
- 超次元焼きまんじゅう
- 群馬どちゃもん・はにまじんを手なずけるために製作された焼きまんじゅうだが、飛永の調合ミスによって食べたはにまじんを巨大化させ暴走状態にしてしまう。
- どちゃもん捕獲マシン・二郎さん
- 黒いオオサンショウウオの姿をしたロボットで、広島どちゃもん・ぷうかに近づき結婚の約束を交わす。第5やたがらす丸内での結婚式の最中に正体を現しぷうかを拉致するが、最後は彼女への愛に目覚め、ぷうかを助けるために回収カプセルを壊そうとしたが叶わず、ぷうかごとグレートスイトラーに回収されてしまう。その後ラジカセに改造されていた事が判明する。鳥取どちゃもん・うさきゅうの手でITAISENに持ち込まれ、異次元獣に改造されたぷうかを救うヒントをてれび戦士にもたらした。なお、その後は救出された妻のぷうかが所有している模様。
- 超次元とりもち
- 2015年度山梨編で第5やたがらす丸に化けた山梨どちゃもん・かげむしゃむしゃを墜落させるために使用された鳥黐。
- ふなずし7s
- 清掃課地球係が売り出した通常の60倍の匂いがする鮒寿司。値段は6万9800円。
- レインボーこんにゃく
- 清掃課地球係が赤こんにゃくを真似て作ったこんにゃく。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色がセットになっている。
- 超次元大仏
- 2015年度滋賀編で滋賀どちゃもん・よしばっばが巣から脱出するのを防ぐために使用した3体の大仏。
- 超次元電池
- 愛知どちゃもん・ふぃろそふぃあの巣に偶然置き忘れた巨大な橙色の乾電池。ITAISENに回収され、超蝶野ロボの強化(エネルギーゲインが5倍以上に増大した)に活用された。
- 超次元スコップ
- 2015年度茨城編で茨城どちゃもん・かっぱろけの巣に落とし穴を作るために使用したスコップ。
- 超次元メガネクモリーナー
- 福井どちゃもん・ほやのんの大事な眼鏡を汚し、力を奪った。簡単には落とせないが、飛永曰く、24時間で効果が切れる。
- 超次元ポンコツラーメン
- 2015年度福岡編で福岡どちゃもん・ちゃっちゃくちゃらを捕獲するために使用した、近づいた相手にビームを撃って気絶させてしまうラーメン。
- 超次元きび団子
- 食べた者を洗脳し、角が生えた鬼に変えるきび団子。全ての現地調査アンドロイドを洗脳して全国のどちゃもんを一網打尽にする作戦のテストとして、まず岡山県で使用された。大悟14号がこれで鬼になり、岡山どちゃもん・ももふぇを拉致する騒ぎを起こし、さらに鬼軍団を率いて岡山全土を征服しようとした。
- 超次元茶釜やぼーん5000
- 近くにいる者の野望を増大させる薄紫色の茶釜で、大水が岐阜どちゃもん・うぎろうに貢ぎ物として贈った。これで天下統一の野望を増大させたうぎろうを利用してどちゃもんの同士討ちを誘う作戦だったが、うぎろうがその勢いに乗りすぎて超次元チリトラー808に攻め込み、一時占拠してしまう騒ぎに発展した。
- 超次元ノイズアンテナ
- 神奈川どちゃもん・ぷにょらの持つ黒たまごに仕掛けた、騒音を発する黒いアンテナ。これでぷにょらを騒音源にして神奈川県内にいられなくなった所を捕獲しようとした。
- 恨みガス
- カメラ異次元獣を強化するため、日本中の捨てられたカメラを巨大な壺に集め、かき混ぜる事で抽出されたガス。てれび戦士はこれを中和するために思い出の詰まった写真1000枚を集め、ハート形のフォトモザイクを作って“愛のメモリーガス”を造り出し、第5やたがらす丸から散布した。
- 超次元あまあま汁
- 熊本どちゃもん・どもっこすを赤ちゃん返りさせてしまった桃色の液体。どもっこすを元に戻すため、てれび戦士は「気合の入った辛子蓮根」を製作した。
- 超次元ドライヤー
- 超次元チリトラー808の先端のノズルから熱風を噴射し、はにまじんを乾燥させて小さな埴輪に変えた。これを元に戻すため、てれび戦士はハンドベルで群馬のご当地ソング「いい湯だな」を演奏した。
- ハイヒールリンゴ
- 2016年度青森編で使用した、ハイヒールが乗った紫色の林檎。これを食べた超蝶野ロボは動けなくなってしまい、青森どちゃもん・かざまのおどは金魚Rと協力してバッテリーを回復させる虫を集めることになった。
- 超次元ウォーターガン
- ダンボール箱の体を持つ埼玉どちゃもん・だんきちを狙撃するために製作された水鉄砲。これで濡らされて弱ってしまっただんきちを救うため、てれび戦士は防水ダンボールで新しい体を製作した。
- 超次元炎上エネルギー変換装置炎ジョイ1号
- うぎろう異次元獣のエネルギーとなる「炎上エネルギー」を生み出す装置。清掃課は雑誌やSNSで「うぎろうの黒い過去」と称する捏造情報を流して世間や他のどちゃもんたちのうぎろうに対する敵意を煽り、この装置で炎上エネルギーに変換し、うぎろう異次元獣侵入前日に6兆5535億溜まったことが判明している。
- 偽オモイデ様
- 2016年佐賀編でオモイデ様になりすまして佐賀どちゃもん・ひがたろうの心を傷つける際に使用。本物との違いは頭部に清掃課のものと同じ突起がついていること。2016年栃木編にも登場した。
- 電気吸い取り剤入り苺、電気吸い取り剤入り干瓢巻き、電気吸い取り剤入り餃子
- 2016年度栃木編で前述の偽オモイデ様と共に使用。見た目は何の変哲も無い苺、干瓢巻き、餃子であるが、実は電気吸い取り剤が仕込まれており、これを食べた超蝶野ロボと金魚Rはバッテリーが減少し、栃木どちゃもん・とちぼるたも雷エネルギーが消滅してしまった。
- 超次元お笑い封じマシーンワラエナイザーEX
- 超次元チリトラー808の先端のノズル部分に取りつけて使う円盤形のアタッチメント。緑色の煙のようなオーラを放ち、大阪どちゃもん・はまじゅんを含めた大阪中の人々から笑いを奪った。てれび戦士はこれを中和するために大阪の粉物に使用される小麦粉「ナニワコナモニウム」を第5やたがらす丸から散布し、これによってワラエナイザーは爆発して地球係の3人は粉まみれになってしまった。
- 超次元イケメンスプレー
- 大水が通販で購入した、使うとイケメンになれるスプレー。副作用の懸念があった事から実験として和歌山どちゃもん・もさくの巣の前に置かれ、これを使ったもさくは緑の服の青年(演:鳥羽潤)に変身した。
- 超次元鹿
- 2016年度奈良編で奈良どちゃもん・きんしゃかが召喚したよすがん鹿に葛餅を食べさせられないようにするために使用した白い鹿。しかしよすがん鹿が冬毛なのに対して超次元鹿は夏毛だったため、奈良県山添村のゆるキャラのてんまるに見破られた。
- こまちまちこの異次元獣取扱いマニュアル
- チリトラー808に潜入した北海道どちゃもん・るるが、こまちまちこを解放する方法を探すために盗み見ようとしたマニュアル。見始めた所でぱぺらぴ子が現れてお片付けした。
- 超次元乾燥わかめ
- 超次元帝国産の乾燥ワカメ。天馬係長が、自分を助けてくれた滝口ひかりの家にお礼としてこれを届けようとしたが、そこに三陸ワカメを探しに行っていた一家の父親(演:げんしじん)が帰宅したため、こっそり家の郵便受けに入れていった。
- 超次元VRこまちまちこ
- 宮城どちゃもん・ぎやみの顔に取りつけた、秋田どちゃもん・こまちまちこの映像を映すVRゴーグル。触ると電撃が走るため普通の方法では外せない。
- 超次元こけし
- 2016年度宮城編でぎやみがよすがん生成に必要な牡蠣を食べられないようにするために使用した、超次清掃課地球係員の姿を模したこけし。数字の1、2、3、4、5が書かれたものの5種類があり、このうち5と書かれたものだけが非常に大きい。
- 偽こまちまちこ
- 北海道どちゃもん・るるを騙すために使用したこまちまちこのホログラム。1回目は騙すことに成功したが、2回目はるるを騙すことはできなかった。
- 超次元虫除けスプレー
- 超次元チリトラー808の周囲に強力なバリアを張り、あらゆる物の侵入を防ぐスプレー。マタギの五郎の手紙を取り返そうとしたるるに対して使用。
- 超次元トランジスター
- 次元ホール消去作戦において、チリトラー808と第5やたがらす丸のエンジンを直結するために用意された装置。