事業用車

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事業用車(じぎょうようしゃ)とは、鉄道車両のカテゴリの一つで、乗客や貨物を運送せず、地上設備の維持管理や乗務員の訓練などに用いる非営業用車両の総称。

分類[編集]

牽引車[編集]

牽引車」も参照

単独では自走できない車両を牽引するための車両。工場への入出場が車両単位で行われていた頃は頻繁に出番があった。国鉄末期から工場への入出場が編成単位となったために出番が大幅に減り、現在では保安装置や電化設備の関係で回送経路上の路線を走行できない場合に使用されるのが殆ど。

職員輸送車[編集]

旅客駅から遠く離れた車両基地・工場・貨物駅と旅客駅の間で職員を輸送するための車両。職員輸送専門車というのは殆ど例がなく、牽引車や暇を持て余している営業用車両で代用する例が大半。

試作車[編集]

次世代車両の開発に必要なデータ収集や量産車の製造にあたっての問題点の洗い出しに使用される。プロトタイプ。

電源車[編集]

客車列車で冷房・照明などの電源を供給する車両のうち、発電セットのみを搭載して他の設備を持たない車両。固定編成の客車に使用された。
また、 東海道新幹線開業直後、151系特急「つばめ」を九州に乗り入れるにあたって、クモハ420を電源車代用にして車内照明や空調電源を確保し、機関車牽引で交流区間に乗り入れを行った。

試験車[編集]

軌道・架線・信号設備の各種測定を行う。ドクターイエローはこれ。

工事車[編集]

各種工事に用いられる車両で、僻地で長期間滞在する職員の宿泊用客車。国鉄分割民営化までに廃車となった。線路及び施設の新設・改修に関わる貨車。

教習車・訓練車[編集]

車内に車両の部品などを装備し、新人乗務員の教育・訓練に用いる。

保健車[編集]

鉄道従事員の健康診断や診察を行う。車内は検診用の医療設備が整えられており、医師看護婦と共に各地を巡回する。国鉄分割民営化 までに廃車となった。

救援車[編集]

事故や災害の際に復旧資材を積んで現場へ派遣する車両。道路事情が整った現代では自動車がまず近づけない山間部などの区間でないと出番がない。

詳細は「救援車 (鉄道車両)」を参照

配給車[編集]

工場・基地の間で部品を運搬するための車両。見た目は平台のトラックを背中合わせに連結したような形。

暖房車[編集]

蒸気暖房しか使えない客車列車を蒸気発生装置のない貨物用機関車が牽引する場合に暖房用蒸気を供給するための車両。廃車となった蒸気機関車からボイラーを流用してくる例もあった。形式名は「温める」 から取った「ヌ」。

車掌車[編集]

車掌が乗務するための車両。かつては列車無線や防護無線の整備があまり進んでおらず、万が一の際の列車防護は車掌がいなければならなかった。現代では甲種輸送列車で添乗する職員の控室や控車としての役割が主になりつつある。

雪かき車[編集]

冬季の除雪作業に使用する車両で、ラッセル車、ロータリー車などの種類がある。

検重車[編集]

貨物駅や貨車操車場に設置されていた車両重量測定用の秤の較正に使用された。

操重車[編集]

クレーン車。脱線復旧や架橋工事などで使用された。

控車[編集]

連結器の異なる車両の間に挟んで連結器のアダプターの役目を持たせたり、重量の軽い車両と重い車両の間を空けたりするためのものと、操車場などで必要に応じて移動させて様々な目的に使用する車両。また、鉄道連絡船での入れ替え作業の際、重量の大きい機関車を連絡船に入れないように使用される。