韋駄天急行

韋駄天急行（いだてんきゅうこう）とは、国鉄在来線の急行列車で停車駅を特急並みに絞った速達列車。

概要

国鉄は、1960年代前半、東海道本線で特急列車を増発したり、1972年以降、在来線でエル特急の増発を重ねたが、地域事情で特急型電車を導入できず、停車駅を特急並みに絞って速達した急行・準急列車もあり、「韋駄天走り」に例えて韋駄天急行と呼ばれた。

事例

急行さちかぜ

国鉄北海道総局がクルマへの対抗も兼ねて、711系を使用して、札幌 - 旭川間ノンストップで運行した。1976年特急格上げで廃止。

急行くりこま1、6号（最終）

国鉄の北海道連絡の使命を帯び、交直流急行型電車を使用して、仙台 - 青森間を特急並みの表定速度で全車指定席で運行。上りは急行「たざわ」などを追い抜いた。1982年東北新幹線開業で廃止。

準急新東海

東京 - 名古屋間で、富士通過など当時の急行並みに停車駅を絞りかつ全車指定席とした電車準急。1961年特急おおとりに格上げして廃止。

準急伊吹

名古屋 - 大阪間で、米原通過など当時の急行級に停車駅を絞り、かつ近鉄特急対抗で全車指定席とした電車準急。1964年の新幹線開業で準急比叡に格下げ統合して廃止。

類似の例（私鉄）

名鉄河和・知多新線の一部の急行

知多新線沿線にある大学・附属高校への輸送のため、河和線内で特急並に停車駅を絞った急行が朝と夕方に1本ずつ運転されていた。1992年に廃止されたが、2024年現在でも名古屋本線792レが民鉄の「急行を抜かす急行」として運転されている。

関連項目

• 急いで行かない急行列車 - 対極の概念
• スーパー特急 - 同じ概念の列車
• スーパー快速 - 快速のうち、特急並みに停車駅を絞り、速達重視の列車の俗称。乗客が集中して混雑するため、必ずしも乗り得にならない。