スクールバス

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

スクールバス(school bus)とは、児童・生徒・学生の通学を目的として運行されるバスである。園児を送迎する幼稚園バス(通園バス)もこれに含まれる。送迎バスの一種でもある。

概要[編集]

スクールバスの運行形態としては主に3種類に分けられる。

  • 始業・終業に合わせて児童・生徒・学生の住む地域と学校の間を運行する
  • 学校最寄りの鉄道駅と学校の間を運行する
  • 離れたキャンパス間を運行する

いずれの形態も運行主体は学校を運営する地方自治体若しくは学校法人であり、学校関係者以外の乗車はできないのが原則である。

なおバス会社が運行する一般の路線バスがスクールバスの役割を果たしているところも多い。
そのような路線の中には、一般の乗客そのものが少なく、定時運行便は学校登校日のみの運行で、登下校の時間に合わせて学校の通学区域内のみを運行するダイヤ設定といった実質スクールバスとなっている路線もある[注 1]

スクールバスの運行[編集]

スクールバス運行に際しては、

  1. 自家用バスと運転手を学校運営者が自前で用意
  2. 地域のバス会社に委託運行

のどちらかの方法を選ぶ。

前者の場合、車両のナンバープレートは自家用を意味する白ナンバーとなり、運転手は二種免許を所有していなくとも良い。学校運営者はスクールバス車両の購入費、燃料費、車検費、消耗品費などのコスト一切を負担し、更に運転手への人件費も負担する。車体には学校名やスクールバスである旨の表示がある。
後者の場合、車両のナンバープレートは営業用を意味する緑ナンバーとなり、運転手は二種免許を必ず所有している。学校運営者はバス会社へ規定の運賃を支払うだけで、バス車両の購入費や消耗品費、運転手の人件費はバス会社が負担する。路線バスと共通運用されることもある。

スクールバスの利用費[編集]

スクールバスの利用費は白ナンバーの自家用バスと緑ナンバーの営業用バスとで扱いが異なる。白ナンバーのバスではスクールバス利用費という名目で運行費を徴収することは幼稚園小学校特別支援学校以外は法律上不可能である。ただ月々の授業料やPTA会費などを通して間接的に運行費を徴収するのであれば料亭やスポーツクラブ、自動車学校等の自家用送迎バスと同じで問題ないとされる。間接的な運行費の徴収の変形として、同窓会や通学互助会へ任意の協力金を支払うという形で費用を賄っている所も。(同窓会・通学互助会の運営費という名目で徴収している)

一方、緑ナンバーの営業用バスであれば利用する子供の保護者からスクールバス乗車料金という名目で徴収しても良い。月々の徴収金の中に「スクールバス利用費」として計上するか、回数券や定期券を販売して生徒が購入するという形を取るかは学校による。

学校の統廃合[編集]

  • 2000年代以降の学校統廃合によってスクールバスを運営する自治体が大幅に増加した。児童、生徒の下校に合わせて複数の行き先のバスが学校の駐車場で待機する姿も目立つようになった(氷見市の地理歴史を参照)。
  • さらに児童生徒の減少で、ジャンボタクシーで賄われることも少なくない。

特別支援学校におけるスクールバス[編集]

特別支援学校には車いすなど通常の移動方法ができない生徒が多いため、基本的にリフト付きバスによるスクールバスが運用されている。

一般路線バスの「実質スクールバス」の例[編集]

  • 神姫バス12系統 神出小学校 - 五百蔵
  • 神姫バス29系統 平野小学校 - 中津

関連項目[編集]

  • 学バス - 都営バスで運行されている。学校の生徒が使いやすいようになっているため、広義ではスクールバスに入る。
  • モーニングダイレクト - 遠州鉄道バスで登校時に運行の学校直行の路線バス。

[編集]

  1. そうした路線を運行する地域では平日日中は病院への通院のためにデマンドバスになっている地域が少なくなく、休日利用が困難で観光業の衰退を招いている地域もある。