学校給食
学校給食(がっこうきゅうしょく)とは、学校で提供される給食である。
学校以外の施設での食事提供は給食を参照。
概要[編集]
主に幼稚園・小学校・中学校といった教育機関で昼食として提供される給食のこと。単に給食と言えば学校給食を指し示す事が多い。
給食は自治体の方針によって異なるものの、基本的に幼稚園から中学校までの提供が一般的[注 1]だが、夜間定時制高校や特別支援学校では一般の高校にあたる高等部・高等支援学校でも給食が実施されている。
給食が美味しかったか不味かったかで認識の齟齬が出やすかったりする。
歴史[編集]
学校給食の起源は1889年に山形県鶴岡市の寺院の和尚が貧しい家庭の子供のために寺の中に学校を作り、弁当を出したものが始まりと言われている。
現在の学校給食は、戦後の教育改革の一環で形成された。
給食費[編集]
児童生徒の保護者は、毎月の学級費とは別項目の給食費を支払う必要がある。給食費は自治体によって異なるものの、概ね1食あたり300円に満たない金額であり、支払いが困難という事例は少ないだろう。もし経済上の理由で給食費の支払いが難しい場合、各自治体や教育委員会で補助制度が用意されていることがあるため、そちらへ相談しよう。
なお、給食費の支弁を求める理由として、給食は義務教育の範疇外にある教育を行うための補助的な活動という位置づけがあるが、給食費を意識的に滞納する親はこれを理解せず、むしろ日本国憲法第26条の「義務教育は、これを無償とする。」を根拠に、働く女性の手間節減に役立っている給食も無償にすべきと考えているフシがあると思われる。現在の与党政権に、この考えを取り入れていく余地は無いだろうかと。ただ、紙の教科書を貸与制にするなど、費用の捻出元はいくらでもあると思うが…。
定番のメニュー[編集]
- 牛乳
- 脱脂粉乳
- ある一定より上の世代では冷めると不味いと盛り上がるらしい[注 2]。筆者は牛乳給食だったので脱脂粉乳の不味さは知らない。
- ミルメーク
- ある県で定番だった牛乳に混ぜる粉。
- ソフト麺
- パン
- カレー
- 米飯との組み合わせカレーライス、ソフト麺と組み合わせてソフト麺カレーうどんなど。人気メニューであり、余りが出てもお代わりで瞬殺。
- ミートソース
給食に関する行事[編集]
- 校長や教頭といった管理職の職員が児童・生徒の状況を観察し、一緒に食事をすることでコミュニケーションを図る。
- 保護者との給食
- 授業参観と同日などに保護者にも給食を食べてもらう。保護者分の給食の費用については月々の給食費とは別途で支払う。
- ランチルーム会食
- ランチルームで学年・学級の隔たりを超えて給食を食べる。
- 野外での給食
- 自宅から弁当箱を持参してそれに給食を配膳するか、給食室で屋外での喫食に適した容器に入れた給食を校庭などの屋外で食べる。
給食の調理方式[編集]
給食は自校調理式とセンター式のどちらかで調理されている。
自校調理式は各学校に栄養教諭または栄養職員と給食調理員を配置し、各校に設置された給食室で調理を行うもの。配送コストが不要で暖かい給食を提供できる、短縮授業などでも柔軟に対応可能、災害時の炊き出し拠点として給食室を使用できるなどのメリットがあるが、初期投資が大きい上に栄養教諭・給食調理員を学校の数だけ雇用せねばならず人件費がかかり、給食室の管理の事務負担が増大するなどのデメリットがある。
センター式は複数の学校の給食を1箇所のセンターで調理し、給食時間前に配送車で各校へ配送するもの。栄養士・調理員の人件費、施設・設備の建設費、維持費は1箇所分で済むが、施設の建設用地が必要で各校までの配送経費が発生する、完成から給食の時間までにタイムラグがあるため、センターから遠い学校では給食が美味しくなくなる、配送時間も考慮すると献立に制限が出るなどのデメリットがある。
給食が美味しかった!と答える人は自校調理式の学校出身、給食があまり美味しくなかったと答える人はセンター式の学校出身である、とも限らない。自校調理式でも、温かい給食がクラス全員に配膳する間に冷める、パンあたりは自校調理しない、という事情もある。
なお味に関しては栄養教諭と自治体の懐次第なとこもあり、栄養価最優先で味は二の次な栄養教諭+給食費の未納率が高い学校&自治体の懐事情が厳しいの合せ技だと美味しくない給食になりやすい。
給食指導[編集]
給食も教育の一環として、学校給食を通した食育が行われている。主な指導内容としては
- 様々な食材をバランスよく摂取する
- 地元の素材・食材を紹介し、メニューに使用する
- 正しい食事作法
などがある。
管理教育が盛んだった時代には栄養欠乏の改善、偏食や野菜嫌いなどの矯正、食べ残しをしない食生活を身につける、集団におけるマナーなどを理由に、給食を残す事を禁止し、完食するまで片付けることを許さない完食指導を行う教師が多かった。
しかし行き過ぎた完食指導によって不登校になる、完食指導がトラウマとなって人前での食事に恐怖心を抱くようになる会食恐怖症を発症する、食物アレルギーによる事故の発生などが相次ぎ、近年は強引な完食指導を行う教師は減っている他、特にアナフィラキシーショックなど致命的な拒否反応の出るアレルギーを持つ児童・生徒については学校への配慮申し入れが通りやすくなっている。
関連項目[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]