高等小学校

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高等小学校(こうとうしょうがっこう)は1941年3月以前の旧学制下で存在した日本の学校。
本ページでは、後身の国民学校高等科も記載する。

概要[編集]

小学校卒業者のうち、中等学校(旧制中学校高等女学校実業学校)に進学しなかったり、就職しなかった児童を入学対象とした。修業年限は2年。
発足当初は、主要な市町に置かれ、複数の尋常小学校からの入学者を受け入れたが、大正初期に尋常小学校への併設が大勢となり、高等科を持つ尋常小学校は尋常高等小学校の校名となった。
高等科を卒業すると師範学校の受験資格が得られたが、中等学校へは一部例外を除いて途中学年の編入はできず、新入生として入り直しとなった。1930年代になると高等小学校への進学率は70%になり、良い就職先を得られる学歴となった。海軍飛行予科練習生の受験も高等小学校卒業程度の試験内容であった。
1941年の国民学校令によって、義務教育8年制前提の国民学校高等科となった。

戦中戦後[編集]

義務教育延長を前提とした青年学校普通科が1935年が設置されると高等小学校との重複の問題が生じたものの、そのまま並立した。終戦間近になると、義務教育8年制の施行が無期延期になり、高等科生徒も勤労動員の対象として軍需工場に借り出され、空襲の犠牲になった生徒も少なくなかった。
1947年4月、学制改革によって新制中学校が発足。懸案の義務教育延長が実現したが、国民学校高等科は制度廃止された。高等科1年生は全員新制中学2年生に編入され、高等科2年生は希望者のみ新制中学3年生となった。
高等科在籍者は、後身の小学校の記念誌に載ることが多い。