義務教育

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義務教育(ぎむきょういく)とは、児童生徒の教育を受ける権利を保障するため、就学が義務付けられる教育期間のことであり、ほとんどの国家で義務教育を定めている。

概要[編集]

義務教育は児童生徒の教育を受ける権利とも絡み合ってくる。文字の読み書きや計算は将来受ける職業にも影響を与え、また、政治に参加する権利、教養人として生きる権利とも絡み合ってくる。義務教育の年限は延長され、当初は初等教育だけであったが、後に中等教育にも延長された。

現在の日本[編集]

日本においては日本国憲法[1]「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う」とある。したがって、小学校は六年間、中学校は三年間の教育を受けさせることが保護者(子女に対して親権を行う者。親権を行う者のないときは、未成年後見人をいう)の義務と定められている。その他の義務として勤労の義務、納税の義務がある。
教育基本法第4条に、「9年間の普通教育の就学義務」が定められており、学校教育法第22条の第39条には「保護者は、子女を満6才から満12才まで小学校に、その修了後満15才まで中学校に就学させる義務を負う」とある。同じく学校教育法第17条に、保護者がその保護する6歳~15歳の学齢児童・生徒に9年間の普通教育を受けさせることを親に強制しなければならないと定められており、一般的に小学校中学校の教育が該当する。
児童生徒には就学義務が一見ないようにみえるが、民法820条では、「子女に対して親権を行う者」(親権を行う者のないときは、未成年後見人をいう)に、子の監護および教育をする権利と義務を有するため、親権の下で児童生徒を就学させる義務が生じる。
義務教育は教育基本法による。その内容については、学習指導要領に基いて教科書が作られ、それが教科用図書検定を受けて通らないと正式な教科書にはならない。そうして「正式な教科書」の中から採択される。このあたりの過程にはいろいろと経緯があったという。これが教科書検定制度である。

特別支援教育[編集]

戦後の学制改革後も、養護学校は就学義務の例外とされたが、1979年に義務化が開始され、就学猶予・免除の範囲が縮小された。

日本での沿革[編集]

  • 明治時代初等に学制が設置され、1906年までは尋常小学校の4年間だった。しかし、諸外国の義務教育年限延長や、社会制度の複雑化により6年間に延長されたが、1946年3月(卒業時点)までは、義務教育は6年間の国民学校初等科(尋常小学校の後身)のみだった。なお、国民学校令による8年間の義務教育[2]実施が法的に規定されたが、太平洋戦争激化による各学校の修学年限短縮に合わせる形で1944年に無期延期となった。また青年学校の義務化の構想もあった。1947年に実施の学制改革で、懸案の無期延期問題が3年制の中学校というかたちで1年間延長で実現した。

日本国外[編集]

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アメリカ[編集]

アメリカは、大学入学までの学制が州によってバラバラで、大学入学前までのハイスクール段階まで、義務教育とされるが、義務教育完了年齢が州ごとに制定され、概ね16歳以上なら、義務教育未了でも学校中退が可能であり、実質9年間の義務教育となっている。

大韓民国[編集]

韓国は日本と同じく、義務教育は9年間。初等教育6年、中等教育3年の内訳も同じである。

その他[編集]

アメリカなどでは、義務教育の学齢で大学といった高等教育機関に飛び入学する子女が話題になるが、義務教育行政が地方分権のアメリカと違い、日本は中央集権的に学校教育法で保護者が子供に義務教育を受けさせる年齢が決められているため、義務教育の学齢で高校以上の学校に就学させることはできないことになっている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 憲法第26条第2項「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とする。
  2. 国民学校令の公布 - 文部科学省

外部サイト[編集]

文部科学省(https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/004/a004_04.htm)