小田急ロマンスカー
小田急ロマンスカー(おだきゅうロマンスカー)は、小田急電鉄が運行する特急列車および特急車両の愛称。
概要[編集]
小田急沿線の観光や通勤などの日常利用に使用されている全席指定制の有料の特急である。
箱根登山線の平坦区間を3線軌条化して、箱根への観光輸送を行う目的で運行を開始し、1950年代後半に登場の3000形SEが連接車等の革新的な高速化技術、1960年代登場の3100形NSEが名鉄パノラマカーに続く展望車を実現して脚光を浴びた。現在では通勤など日常利用が中心となっているため、年々新規投入される後継車はかつてほどの進取性を感じさせなくなっている。
日常利用[編集]
町田駅や本厚木駅など途中駅に停車する特急も沿線からの箱根観光が目的で停車していた。しかし70年代の時点でこれらの駅から通勤に使用されるようになり次第に途中駅に停車する本数が増加、夜間下りの回送を町田駅まで営業運転するようになる。現在の大手私鉄の通勤時間帯の有料着席列車の先駆けである。
さらに90年代後半以降は大和駅・秦野駅・相模大野駅・新百合ヶ丘駅と徐々に追加される。その後2008年に成城学園前駅、2016年に海老名駅・伊勢原駅と追加され、座席定員もEXE、MSEと増加。千代田線に直通する特急も登場している。
利用者減少[編集]
利用者減で通過となった駅には向ヶ丘遊園駅・新松田駅があるほか、江ノ島線の日中も90年代後半から削減されはじめ、2004年に快速急行が主流になって、大幅に削減している。
2022年のダイヤ改正で小田原駅発着は平日日中毎時3本から2本に削減された。そのため小田原駅発着列車は平日日中新百合ヶ丘駅と相模大野駅にまったく停車しなくなった。
コロナ以降の鉄道利用者の減少が理由とされ今後も削減や廃止が続くと考えられ、御殿場線に直通する「ふじさん号」も、小田急箱根高速バスに経営資源投下を一本化するために削減されるのではないかと言われている。
車内販売[編集]
ロマンスカーの特徴に車内での飲食サービスの提供があったが90年代以降、徐々に削減され2021年にコロナを理由に終了した。
90年代前半までは森永エンゼルと日東紅茶が宣伝を兼ねて車内販売を担当し座席で注文を受けるシートサービスであった。乗降時にドアを手動で車内販売のスチュワーデスが開閉する特急らしい華やかさがあった[1]。90年代中盤以降は小田急レストランシステムがワゴンサービスを行っていた。これらサービスはロマンスカーの良さに欠かせないものだったので、なくしてはならないものを廃止してしまったと言える。
- ロマンスカー弁当
- ロマンスカーの形をした弁当箱で沿線の子どもたちや主婦に人気で持ち帰り幼稚園の弁当箱にするのが定番であった[2]。
- アイスクリーム
- 地元小田原産などを使用した人気商品。
展望席[編集]
ロマンスカーといえば展望席である。しかしVSE引退により激減し、現在はGSE以外に展望席付きの車両がなくなってしまったため乗車は難しいものとなった。
チケットレス特急料金[編集]
2022年10月1日から、チケットレス特急料金が登場。駅で購入の場合50円高い特急料金となる。
- 例:新宿→町田 チケットレス:450円 駅で購入:500円
車種[編集]
運用会社[編集]
ここでは、乗り入れている鉄道会社や元小田急ロマンスカー車両が走っている、もしくは走っていた鉄道会社を詳解する。
- 小田急電鉄
- 東京メトロ(現在は千代田線のみ)
- 箱根登山鉄道(箱根湯本以東)
- JR東海 御殿場線 - 特急「ふじさん」
- 大井川鉄道 - 過去に、元小田急ロマンスカーSSE車が走っていた。
- 長野電鉄
- 富士山麓電気鉄道
過去の運行形態[編集]
1995年2月まで、「あさぎり」、「えのしま」以外の列車は停車駅によって厳格に愛称が異なっていた。
- はこね:新宿 - 小田原 - 箱根湯本
- あしがら:新宿 - 町田 - 小田原 - 箱根湯本
- さがみ:新宿 - 向ヶ丘遊園 - 本厚木 - 新松田 - 小田原(- 箱根湯本)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
参考文献[編集]
日本における列車種別 |