JNN排他協定
JNN排他協定(ジェイエヌエヌはいたきょうてい)は、日本のテレビネットワーク、ジャパン・ニュース・ネットワーク(JNN)の「テレビニュースに関するネットワーク協定」の俗称である。その内容に排他条項があることから来ている。
「JNN協定」とも呼ばれる。
概要[編集]
1958年(昭和33年)、ラジオ東京(KRT、現:TBSテレビ)は、KRTとの番組配信を行っていた北海道放送 (HBC)、中部日本放送(CBC、現・CBCテレビ)、大阪テレビ放送(OTV、現:朝日放送テレビ)、ラジオ九州(RKB、現:RKB毎日放送)の4社との間で「テレビニュースに関するネットワーク協定」を結び、ニュース素材の交換に関する協定を結んだ[1]。これは、当時民放の最先発であった日本テレビがスポーツ中継(特に読売ジャイアンツ戦を中心とした野球中継)を鍵にネットワーク拡大を図ろうとしたのと対照的に、KRTはニュースを前面に出してネットワーク構築を試みたものであるが、ラジオの場合は新聞社との提携関係で原稿を読むだけで済んだものが、テレビの場合は東京のニュースに関する映像を入手するために在京局の力を借りたかった地方局と、地方で発生した事件の取材を地方局に委ねたかったKRTの利害関係が一致したものであった[2]。
この5社協定を結んでまもなく、KRTはテレビ放送の開局準備を進めている各放送局に対し、以下のような趣旨の文書を送付する[3][4]。
- KRT・HBC・CBC・OTV・RKBの5社を結ぶニュースネットワークは我が国の民放において最大かつ最強のものと自負している。
- ついては、貴社に我々のニュースネットワークに加盟願いたい。
- 加盟に当たってはKRTと電通の間で特別契約を結んでおり、以下の条件を示す。
- ネットワークニュースの制作費は無料とする。
- スポンサーは電通が斡旋する。
- 電波料(スポンサー料)は電通と各社間の交渉となる。
- このネットワークニュースは他系列の放送局にニュースを一切提供せず、ネットワークに参加する局は他系列の局とニュースをネットしない。
- 当面は、1日3回のニュースと夜のスポーツニュースを提供する。
- 海外ニュースの使用料の分担は別途協議する。
1959年(昭和34年)8月1日、この文書要請に応じた16社の間で[5]「ジャパン・ニュース・ネットワーク協定」(JNN協定)を締結する。その協定内容は以下のようなものであった[6]。
- ネットワーク名を「ジャパン・ニュース・ネットワーク」(JNN) とし、JNNニュースがネットワーク各局の共同制作であることを前提とする(前文)。
- JNNは同時中継を原則とする(第1条)。
- ネットワーク各局はJNNニュースの全部または必要なニュースのみを選んで放送することが出来る(第3条)。
- ネットワーク各局は自局の取材責任範囲内におけるニュース素材をJNNに提供する義務を持つ(第4条)。
- 取材活動に必要な諸経費は各社の自己負担とするが、大規模ニュースに伴う特別経費については各局協議の上、分担することが出来る(第5条)。
- JNNニュースのタイトルはスポンサークレジット以外は原則として各社自由とする。ただし、ネット局と特別の関係のある新聞社のクレジット使用については、1日1回に限りタイトルとして冠することが出来る(第6条)。
そしてこの協定に伴い、KRTと加盟各局の間で「JNN協定の目的に則して、他のネット系列局或いはその関連会社との間にニュース素材の交換を行ったり、テレビニュースのネットをしないことを約束する」との覚書を締結し[7]、JNN協定に明確な排他性を持たせることになった[8][9]。
東京オリンピック後に迎えた放送業界の不況(営業収益の大幅な減少)を踏まえ、JNN協定に(特に制作費の負担において)問題点が生じたことを踏まえ[10]、特に報道番組においてJNN加盟各社の共同制作から(KRT改め)東京放送 (TBS) 中心の制作に移行し、取材・編集権をTBSが主体的に受け持つことを念頭に[11]、1966年(昭和41年)4月1日付けで「JNNニュース協定」として以下のような内容に改定された[12](1969年(昭和44年)4月1日付けで一部改定[13])。
- JNNのキーステーションをTBSとし(第2条)、TBSはネットワークニュースの制作について、加盟各社の意向を尊重し、責任を持って編集する(第3条)。
- 取材活動に必要な諸経費の一定額を、JNNニュース基金から支払う(第3条、1969年に追加)。
- JNN加盟各社はネットワークニュースを原則として同時刻に放送する(第5条)。
- JNN加盟各社はニュース素材をJNN系列局以外に提供しない。また、ニュース素材の提供を目的としてJNN系列以外の各社に施設を貸与しない(第6条)。
- JNN加盟各社はJNN系列以外からのニュースの提供を受けない(第7条)。
- 報道特別番組と一般報道番組については、本協定の基本的精神を尊重する(第10条)。
これにより、JNNの排他性を協定内で明文化することとなった。
テレビ部門の拘束範囲と解釈[編集]
全国ニュース番組[編集]
JNN排他協定はあくまでも加盟全局が同時に放送する全国ニュース番組のみに適用される(発動する)ものと位置付けている。そして、発動番組は加盟全局の共同制作とされ、その著作権はキー局のTBSテレビではなくネットワーク組織としてのJNNが持つ。このため、発動番組ではエンドロールにTBSテレビ社員であるスタッフの氏名や「製作著作」の文字が表示されない。
かつてはネットワークシンボルの「ジ〜ン」も原則として表示されず、TBSテレビ本社Nスタジオ内にあるジ〜ンのオブジェをCM前カットに写すことがあった。
詳細は「ジャパン・ニュース・ネットワーク#TBSネットワークとJNN」、「ジ〜ン#JNN排他協定との兼ね合い」を参照
ただし、『報道特集』は例外的にTBSテレビ製作著作、TBSテレビ以外の加盟局が制作協力になっており、スタッフロールも放送される。『JNN報道特集』の時代には、この体制が毎日放送報道局とTBS報道局の間の軋轢の原因になったことがある[注釈 1]。
加盟局のうち1局でも放送しない局もしくは番組内に設けられたローカル枠を行使する局[注釈 2]がある場合や、TBSテレビまたは毎日放送発で系列外局へのネットがある番組の途中に報道特別番組を割り込ませる時は、「JNN」の冠を使用してはならないことになっている。
特に報道特別番組では、協定発動で全国同時放送されるものを「J特」、そうでないものを「報特」と通称しはっきりと区別している。
詳細は「JNN#JNN協定」、「報道特別番組#民放テレビ」を参照
2009年(平成21年)4月から2010年(平成22年)3月までは、18:45 - 19:50が『総力報道!THE NEWS・第2部』(2009年9月まで。同年10月以降は18:40 - 19:50に変更の上、同番組の全体)として拘束されたが、この時間帯に含まれる19時台にローカル野球中継を放送している中部日本放送(中日ドラゴンズ戦)・毎日放送(阪神タイガース戦)・中国放送(広島東洋カープ戦)等が猛反発した。特に中部日本放送は『THE NEWS』全体を適用除外とするよう求めて最後まで抵抗した末19時30分での終了ができるようになったが、枠全体の差し替え・返上は認められなかった。中部日本放送では『THE NEWS』最終回当日の2010年3月26日、『ザ・プロ野球 燃えよドラゴンズ』で放送した開幕戦の対広島戦を、東海3県ローカルで19:30から中継したが、試合の中日唯一の得点シーンが『THE NEWS』の放送中に重なったため、地上波放送ではこの様子を生中継できなかった[注釈 3]。2010年4月以降の『Nスタ』では『総力報道!THE NEWS』開始以前の19:00終了に戻り、協定発動時間も短縮されている。
詳細は「総力報道!THE NEWS#プロ野球中継時」、「S☆1 BASEBALL#CBCテレビ(中日ドラゴンズ戦)」を参照
「CBCテレビ#ドラゴンズ戦中継」、「Nスタ#ネット局」も参照
『NEWS23シリーズ』第1期となる『筑紫哲也 NEWS23』のうち、1989年10月の放送開始〜1997年9月までの毎日と、1997年10月以後の金曜、及び2004年10月〜2008年3月までの月曜、及び筑紫哲也がメインを事実上降板した2008年4月以後の『NEWS23』(第2期)のうち同9月までの月曜と、2009年3月までの金曜、並びに2016年4月以後の『NEWS23』(第3期)のうち2017年3月までの月-木曜日は、『NEWS23』シリーズ開始前に放送されていたワイドショー『情報デスクToday』からの名残りで、番組を2部構成としており、第1部の全国ニュース・スポーツニュースコーナーを協定発動の全国ネット義務番組、第2部の情報コーナーのパートについては協定発動対象外の任意ネット(ローカルセールス)としている。
なお、緊急時に系列外同時ネット番組への他系列ニュースの入中が発生する等止むを得ない場合は、他系列のニュースを放送した例もある他、台風などの災害報道では他系列番組(テレビ朝日『モーニングショー(第1期)』等)にネット受けしていたTBS系列局が中継で入中した例もある。
実例として、2013年1月14日、宮崎放送がネット(共同制作機構にも参加)予定だった第91回全国高等学校サッカー選手権大会・決勝戦(日本テレビ幹事・民間放送43社共同制作)が大雪のため中止となり、同時ネット予定だった局には宮崎放送や独立放送局を含め、日本テレビから番組名の変更を加えず、同番組内における緊急報道特別番組相当の内容も「NNN」の冠を外した上で配信されている[注釈 4]。
JNN発足当時は5大都市以外の地方局が1局しかない地域が多数あったため、JNNに加盟していない秋田放送、南海放送、高知放送[注釈 5]については排他協定の例外処置として番組販売参加(原則として番組のネット受けだけで、取材は近接地域の基幹局・系列局の地域駐在記者が行うが、緊急時には特例で取材協力に参加)として放送したことがある。青森テレビは後述する。
「青森テレビ#テレビネットワークの移り変わり」、「南海放送#TBSテレビとの関係」も参照
スポーツニュースに関しては、取材体制などの都合もあり、全国高等学校ラグビーフットボール大会の毎日放送制作の中継映像を出場校の地元の独立放送局のニュースにも配信したり(JNN・JAITS・一部NNS共同制作体制解消後はJ SPORTSの映像を使用する場合あり)、世界陸上競技選手権大会ではホスト局のTBSテレビが他系列局およびNHKにもニュース素材として中継映像を配信(逆にテレビ朝日や日本テレビがホスト局の場合はTBSテレビが提供を受けた)、主にテレビ朝日系列局が無い地域でのJNN加盟局が制作した全国高等学校野球選手権地方大会の試合や取材映像を朝日放送テレビ並びに朝日新聞社が制作・運営している『速報!甲子園への道』や『バーチャル高校野球』に配信する[注釈 6]などの例外措置が行われることがあった。また、厳密にはJNN番組ではないが、TBSテレビの関東ローカルニュース番組『テレポートTBS6』ではテレビ埼玉から全国高等学校野球選手権埼玉大会の映像提供を受け、映像協力としてテレビ埼玉のクレジットが表示されたことがあった。
『サンデーモーニング』では、報道を扱い、かつJNN各局の報道部門(主にTBSテレビ報道局)も制作に協力している関係上、JNN排他協定の発動対象であり、必ず全ての系列局で放送する必要があり、決められた放送回の返上が無いようにしている。番組自体がJNNニュースとして扱われておらず(報道専門のワイドショーとしての扱い)、原則全局同時ネットのJNNニュースを間に挟んでいないことから全局同時ネットを行う必要がない事が可能な措置により、本来の時間帯にローカルで長時間のロードレース中継特別番組[注釈 7]などに差し替える場合は、協定が発動する番組のため、必ず同日の午後以降に遅れネットが実施される。
前項と同様の理由により、毎年12月に放送される『報道の日』もJNN排他協定の発動対象となっている関係で、日曜日の午後2時からプライムタイムまで放送される長時間番組でありながら終日全国同時ネットで放送されている。
過去にJNN各局配信の全国ニュースを扱うスポットニュースを、JNN排他協定対象外の任意ネット番組扱いとした場合は、番組名に「JNN」を含まないTBS制作の関東ローカル番組扱いとして(『TBSニュース』『2時のニュース』など)、系列局側での番組名の改題を可能としていた(例:『BSNニュース』など)。
WOWOWには開局当初、日本テレビ・フジテレビ・テレビ朝日・テレビ東京との持ち回りで、昼の『JNNニュース』をネットしていた。これは運営会社に民放キー局各局が共同出資したためである。
愛媛県では地元民放4局が共同での県内支局運営に着手していることから、南海放送・テレビ愛媛・愛媛朝日テレビが運営している支局が取材したニュースがあいテレビを通じてJNNに、逆にあいテレビが運営する支局が取材したニュースが前記各局を通じてNNN・FNN・ANNに配信される事例があるが、これについては排他協定の例外措置として扱われている[注釈 8]。
TBS NEWS DIG発足後の見直し[編集]
詳細は「TBS NEWS DIG#JNN加盟局での運営」、「MBSニュース#テレビ」を参照
一般番組[編集]
通常、TBSネットワークの一般番組はJNN排他協定による拘束を受けないことになっている。しかし、後にTBS系列の一般番組であっても、JNN排他協定が拡大解釈されて制約を受ける事例が出てきた。これは、全JNN加盟局がTBSネットワークのフルネット局になっているため、またJNNとTBSネットワークが『JNNネットワーク協議会』の名称である同一の運営組織にて一体のものとして運営されていて、本協定とは別に結ばれているTBSネットワークの協定が「JNNネットワーク基本協定」と呼ばれていることもその理由である。
ネットワークセールス番組を系列局の判断でローカルのプロ野球中継に差し替えた場合、かつては本協定の原則で、内容の性質上飛ばすことができない一話完結でない連続ドラマ・アニメを除いて、後日振り替えが認められず、番組返上となって、結局放送されなくなることがあった。
2006年(平成18年)シーズンまでは中部日本放送、中国放送でこのケースが非常に多く、同様の事例において、差し替えの際にテレビ朝日(番組によっては朝日放送テレビ)の許可と後日振り替え放送が原則として義務付けられているテレビ朝日系列と一線を画する。
テレビ朝日系列で番組の差し替えが最も多い朝日放送テレビでは、差し替え・振り替え放送は水曜日のゴールデンタイムにほぼ限られるが、その次に多い広島ホームテレビは水曜のみならず火曜・土曜・日曜にも行うことがある[注釈 9]。
これに対し、TBSネットワークでは他の曜日でも差し替え・振り替え放送が発生することがあり、特に水曜・金曜・日曜の週3回振替の可能性がある中部日本放送や中国放送と金曜・土曜の週2回の可能性がある毎日放送では、土曜日昼間の自社制作番組との絡みや日曜のデーゲーム中継枠が3時間設定されるケースなど、後日振り替え放送を行う時間の確保が追い付かないといった事情もあり、ネット返上としたり、一話完結でない連続ドラマなど、内容の性質的に返上できない番組では、翌週に巨人戦などの全国中継がある場合、延長対応がなかった1983年以前は巨人戦を差し替えて振替放送とした例があった。
詳細は「S☆1 BASEBALL#概要」を参照
実例として中部日本放送では、日曜にナイター中継を優先させたため、TBSテレビの日曜の長寿番組の相当数が放送できなかったという事態を起こしている。長く中日ドラゴンズのナイター中継に差し替えた影響で、1992年から2014年までの22年6カ月の間、日曜19時台に放送されていた『さんまのSUPERからくりTV』、および2000年から2009年に日曜20時台に放送されていた『どうぶつ奇想天外!』の放送は、野球シーズン中は基本的に中日が主催デーゲームまたはビジター開催(ナイター・デーゲームとも)の時に限られていた[注釈 10][注釈 11]。また、中国放送も広島東洋カープの日曜ナイターの放送が多かったため、これらの番組の放送が少なくなることがあった。
毎日放送では、ネットワークセールス番組の返上を回避するため、プロ野球中継を深夜の録画放送とする場合もある。選抜高等学校野球大会の開催期間中(1974年までは全国高等学校野球選手権大会期間中の朝日放送が該当)も、視聴者保護のために全国ネットワークセールス(土曜のみローカルセールスのため中断なし)となる12-13時台の放送は中断していたが、準々決勝以後は完全放送とするため、基本的に振り替えは行わなかった。ただ「愛の劇場」や中部日本放送制作分の「ドラマ30→ひるドラ」などの帯ドラマについては、話数調整が必要となるため、例外として当日夕方か翌日の午前中に振り替えて放送する処置を取っていたことがある(自社制作分の「ドラマ30→ひるドラ」は自社に限り、臨時枠移動となり、毎日放送以外のTBS系列局では本来の放送日時に裏送り先行ネットとした)。
詳細は「S☆1 BASEBALL#毎日放送(阪神タイガース戦)」を参照
「毎日放送#スポーツ」も参照
ただし、TBS系列以外で放送された番組を、その地域に本来の系列がないためにJNN加盟局が系列外ネットを実施した場合は、後日振り替えが行われる場合もあった。例として、2002 FIFAワールドカップでは、同年6月9日にフジテレビ系列で中継された『日本対ロシア』が、FNN加盟局がない青森県と山口県ではJNN加盟局である青森テレビとテレビ山口で放送されたため、当時試合開催の時間帯に放送されていた『どうぶつ奇想天外!』・『ヨイショの男』・『世界ウルルン滞在記』は全て後日時差放送された[注釈 12]。
2007年シーズンからは、TBSネットワークでも、テレ朝ネットワークと同様に後日振り替えが原則的に行われている。2010年シーズンからは木曜日(のちに水曜日)のゴールデンタイムにローカルセールスの単発枠『スパモク!!』が設定され、水曜日(のちに月曜日)も19時台はローカルセールス枠のため、以前と比べ対応しやすくなった。これらの番組は、再放送に準じた扱いで週末午後などに遅れネットが行われることがある。
詳細は「スパモク!!#系列局の差し替え」を参照
テレビ朝日ネットワークの場合、『探偵!ナイトスクープ』『水曜どうでしょう』など、系列局製作でテレビ朝日または朝日放送の編成から外れた番組を全国独立放送協議会加盟局への番販ネットとすることがあるが、TBSネットワークでは、加盟局がネットしなければそのエリアでは基本的に放送されない(後述の例外やアニメ・外部プロダクション主管制作番組を除く)。
例としては毎日放送制作の深夜バラエティ枠があり、『ロケみつ』がTBSテレビで遅れネット開始となる以前は、関東地方へネットされる番組はほとんどないに等しかった[注釈 13]。
JNN加盟局がない地域や深夜アニメに事実上限定する形で、系列外局への番販ネットが行われることがある[注釈 14]が、その割合は他系列に比べると低い[注釈 15]。1983年(昭和58年)のテレビユー福島開局をめぐる福島テレビのJNN脱退やその後の平成新局開局ラッシュのときに、フルネットの新局を追加する形でクロスネット解消を積極的に推し進めたのが理由である。
なお、TBS製作番組でも系列外局へのネットがある番組では「ジ〜ン」を原則として表示しないが、深夜アニメでは表示される場合がある。
詳細は「ネットチェンジ#福島県の事例」、「JNN#TBS系列のない地域で同系列の番組を放送している局」を参照
「ジ〜ン#ジ〜ンが外されていた事例」、「福島テレビ#ネットワークの移り変わり」も参照
2010年代以降のアニメ以外でのTBS系列局制作番組の系列外ネットは、『闇金ウシジマくん Season1』(毎日放送制作)が、青森朝日放送・鹿児島放送・北陸朝日放送(いずれもテレビ朝日系列)[注釈 16] で放送された例と、『ゆめタン!』(ゆめタウン提供による中国放送制作の中国・九州地区向けインフォマーシャル番組)が、地域により日本テレビ・フジテレビ・テレビ朝日系列局での放送となった例と、『水野真紀の魔法のレストラン』(毎日放送制作)がワールド・ハイビジョン・チャンネル(BS12トゥエルビ。三井物産系列)で放送された例がある。
協定が強固でなかった1950 - 1960年代には、1959年 - 1960年にTBSが東海テレビ(フジテレビ系列)と日曜日のプロ野球中継や『日曜劇場』でのネットを組み、代わりに中部日本放送(現:CBCテレビ)が日本テレビとのプロ野球中継のネットを組んだ事例や、1964年2月から5月第1週までの短期間、『兼高かおる世界の旅』が広島テレビ(当時は日本テレビ・フジテレビ系列)で放送された事例がある。
TBS系列局が製作した番組がテレビ東京系列(TXN)の番組として放送される事もある。2000年代には、テレビ高知製作の『がんばれ高知!!eco応援団』が、スポンサーの関係で事実上同系列の番組としてネットされていた。後に静岡放送・DLE製作のミニアニメである『パンパカパンツ』が2012年4月4日から2014年3月26日まで小学館集英社プロダクション・テレビ東京製作で同系列で放送されていた幼児向け番組である『のりスタMax』に内包されたコーナーアニメとして放送されていた。
また、通常は東海テレビが実制作している三重テレビの『三重テレビナイター』が、カードにより中部日本放送→CBCテレビの実制作による放送となったり、『サンテレビボックス席』には1984年に中国放送が広島対阪神のオープン戦を、1989年に毎日放送がオリックス主催公式戦を配信したことがある。
また、競輪・競艇等の公営競技中継については、TBS系列局制作であっても他系列局での放送となったり、逆に他系列局制作中継がTBS系列局やBS-TBSで放送されるなど、変則的なネットワークとなることが多い。
『ダイドードリンコスペシャル 日本の祭り』→『ダイドーグループ 日本の祭り』は制作にTBS系列局が多く参加しているためか、BS-i(現:BS-TBS)で放送されていた時期があるが、他系列および独立局制作分が放送されることがあった(その後BS12トゥエルビでの放送に移行)。
2013年7月から、『よしもと新喜劇』(毎日放送制作)をTOKYO MX、2019年4月からテレビ神奈川が遅れネットしている。また、2017年4月から一時『元就。』(中国放送制作)もテレビ埼玉で遅れネットされたことがあるが、これらは首都圏の独立局でTBS系列局制作番組を放送する数少ない例となっていた。2019年からはMBSテレビ制作の深夜ドラマ(『ドラマ特区』・『ドラマシャワー』)を関東地方の一部独立局が放送している[注釈 17][注釈 18][注釈 19]。
このため、TBSテレビの関連企業であるTBSグロウディア・日音・TBSスパークルなど、JNN系列局関連企業による系列外への番組販売事業は、TBS系列による優先放送権が失効した後、引き続き権利委託を受けているドラマ(一例として『水戸黄門』)・アニメ等や、当初から系列外販売を前提としたこれら関連会社による企画制作参加番組が中心となっている。
なお、非報道系の情報・バラエティ番組で過去のニュース映像を使用する際は排他協定の対象外として、協力する制作会社や映像構成の都合により系列外局との間で提供や企画協力を相互に行う場合がある[注釈 20]。一例として、『水曜日のダウンタウン』では2015年8月12日放送分では2002年FIFAワールドカップ以後の大分県旧中津江村についての紹介の際、テレビ大分(TOS、NNN・FNN加盟)からの映像提供を受け、画面上にもその旨がクレジットされたが、「TOS大分テレビ」と誤記されていた[注釈 21]。また、同番組の2021年8月25日放送分ではサンテレビ(独立局)の協力で偽番組『関西ギャル魂』を設定したドッキリ企画を行った[注釈 22]。さらに、同局の『熱血!!タイガース党』にはTBS系列局が阪神タイガースのビジターゲームの取材映像を提供することがあり、その際には提供元の局名が表示される(例:『映像提供:中国放送』)。
放映局が少なく主要地域に偏った構成であるが故にVOD版の視聴促進やビデオグラムやアニメソングの販売促進に力を入れ、製作委員会方式の力が強い深夜アニメは、系列不問ネット体制を採る作品も少なくない。この系列でも例外無く存在し、2020年10月クールに放送された『アサルトリリィ BOUQUET』がそれに該たる。TBSも製作委員会に構成しているものの、主要製作社であるブシロードグループの力が強く、当時力を入れていたメディアミックスである『ミルキィホームズ』のテレビアニメ全作品ネットが縁で関わりが深い放送局であるBS日テレを有する日本テレビ系列を除いた全系列の地上波局に満遍なくネットされる体制となっていた。ただ、協定の関係上、最初から系列局所在地において異系列でネットされることが決まっている番組にはTBSのロゴタイプを出さない決まりのため[注釈 23]、TBSのロゴが省略され、製作委員会である「アサルトリリィプロジェクト」のみが製作・著作のクレジットタイトルとなっている。
民教協番組[編集]
JNN加盟28局のうち、半数以上の16局は民間放送教育協会(民教協)の番組のネットを受けている。TBSは民教協に最初から参加していないが、民教協番組についてはJNNとして拘束できないことになっており、「他系列のニュースをネットしない」と定めた排他協定に抵触しないよう、特別措置が採られている。
テレ朝がネットワークセールス扱いで送出する『民教協スペシャル』なども、テレビ朝日系列・TBS系列・日本テレビ系列・フジテレビ系列の全国枠に配慮しながら各局それぞれ放送時間を決めており、TBS系列であれば『スパモク!!』→『水トク!!』枠での放送も可能である[注釈 24]。これは、日本教育テレビ(現・テレ朝)が初期に放送していた学校放送番組を、各地域の第1局として開局したJNN加盟局がネット受けした名残である。
詳細は「学校放送#民間放送」、「民間放送教育協会#民教協スペシャル」を参照
「エリアで最初に開局した放送局の一覧 (日本)#テレビ局」も参照
なお、民教協番組は関東地区ではテレ朝での放送となるため、持ち回り制作を行う場合、例え間違ってもスタッフロールに「ジ〜ン」をクレジットすることはできなかったが[注釈 25]、局独自のシンボルマークやキャッチコピーを併記することはある。
局によっては、民教協番組に限って制作クレジットをTBSネットワーク向け番組の標準形式である略称ロゴ[注釈 26]ではなく正式社名(または略称と正式社名の併記)で出すことがある。特に南日本放送は、同じ略称を使う韓国の文化放送との区別に加え、全羅北道にある系列局の全州文化放送と交流している関係もあり、正式な社名ロゴを使用することが多かったが、韓国の文化放送における製作局クレジットが「MBC 문화방송」と専ら社名を入れたものを用いているのが一般的のため、2023年時点では他の番組と同じ“MBC”のみの表記となっている。
詳細は「ジ〜ン#民教協との兼ね合い」を参照
青森テレビにおける過去の例外的取扱[編集]
青森テレビ(ATV)は当初、フジテレビ系列(FNN・FNS)での開局をめざしていた。このためフジテレビで社員が研修を受け、1969年(昭和44年)8月の社屋落成式には、フジテレビから当時の副社長が来賓として出席し、祝辞を述べていた上、フジテレビ系番組を主体としたタイムテーブルの準備も済ませていたが、翌9月にフジテレビとの協定を白紙に戻し、TBSテレビと改めて協定を結んだ。
こうした経緯から同年12月の開局時より『JNNニュースコープ』『JNNニュースデスク』ほかJNNニュースをネット受けし、また自社取材の青森県内ニュースのJNNへの配信を行うなど当初からTBSテレビおよびJNNと密接な関係を持っていたが、一般番組の編成がTBS系列主導でありながらNETテレビ(日本教育テレビ。現・テレビ朝日)系列とのクロスネット体制を取った。
前述の通り、当初報道部門を含むクロスネットを認めていたフジテレビ系列での開局が直前まで予定されていた経緯を考慮し、全国ニュースについてもJNNニュースに加えてNETニュース(後のANNニュース)も放送するだけでなくNET系列への取材・配信にも参加していた。
詳細は「青森テレビ#局データ」、「クロスネット局#具体例」を参照
このため、「他系列の全国ニュース番組をネットしてはならない」と定めているJNN排他協定への抵触を避けるべくニュース系列としてはANNに単独で加盟せざるを得なくなり、1970年(昭和45年)1月1日、ANNが正式に結成されると同時に加盟する。それと同時に、JNNニュースは名目上番組販売扱いとしてネットされた。
しかし、TBSと五社連盟ではATVに対し、TBSネットワーク扱いの一般番組についてスポンサードネットによる同時ネット枠を相当数設けることによって事実上のネット保障を行うなど、ニュース以外の番組の供給面では正式な加盟局と同等の扱いをする代替措置を取った。このため、青森放送(日本テレビ系列)ではNETラインネットワーク(当時のNET系列の番組供給ネットワークの名称)扱いの一般番組が相当数残っていた一方、TBSネットワーク扱いの一般番組も『ナショナル劇場』などのごくわずかな番組が残っていた。
「オールニッポン・ニュースネットワーク#ネットワークの形成」も参照
1975年(昭和50年)3月、毎日放送と朝日放送のネットチェンジと同時に青森テレビはANNを離脱しクロスネットが解消されるが、この時点でANNニュースの放送がなくなり、ようやくJNNへの正式加盟が実現した。この時、青森テレビはANNを脱退する代わりに一般番組のみを対象としたネット保障契約をNETとの間で結び直そうとするが、移行先がJNNであったことからNETはJNN排他協定の解釈に配慮する形で拒絶し、青森放送と改めて系列関係を結ぶことで、JNNフルネット局への移行を全面的に支援した[注釈 27]。この時、青森放送の編成に残っていたTBS系列番組が青森テレビに移行した。
詳細は「青森朝日放送#ANN系列の変遷」、「テレビ山口#2局ネットへの移行」を参照
ラジオ部門の拘束範囲[編集]
JNN結成後の1965年(昭和40年)5月2日に、ラジオの全国ネットワークジャパン・ラジオ・ネットワーク(Japan Radio Network、以下JRN)が、TBS(当時は東京放送)の主導で結成された。本社が大阪市にあって、当時テレビ放送事業とラジオ放送事業を兼営していた毎日放送(MBS)・朝日放送(ABC)は同時にJRNに加盟。翌5月3日にニッポン放送(LF)・文化放送(QR)の主導で全国ラジオネットワーク(以下NRN)が結成されたことを機に、NRNにも加盟したことからクロスネット局になった。MBSもABCもクロスネットを選んだのは、在京局のTBS・LF・QRとの間でかねてから均等な関係を構築していたことによる。
実際には、1975年3月30日にMBS・ABCのテレビ部門の間でネットチェンジが実現(近畿広域圏におけるJNNの加盟局がABCからMBSへ移行)したほか、ABCが2018年(平成30年)4月1日、MBSが2021年(令和3年)4月1日付でラジオ放送事業を分社化。ABCのテレビ放送事業を朝日放送テレビ、ラジオ放送事業を朝日放送ラジオが承継している。その一方で、MBSではラジオ放送事業を株式会社MBSラジオへ移行させたうえで、テレビ単営局として再スタートを切った。しかし、「JRN系列各局に配信されるニュースの取材をJNN加盟局およびグループ会社(朝日放送→毎日放送→MBSラジオ)が担当する一方で、JNN非加盟局およびグループ会社(毎日放送→朝日放送→朝日放送ラジオ)がラジオニュースを独自に取材する」というテレビ・ラジオ兼営時代の体制は、ラジオ放送事業の分社後も維持されている。ラジオニュースに関するJNN排他協定が「テレビ部門がTBS系列であればラジオ部門も拘束を受ける」と解釈されることや、近畿広域圏におけるNRNの報道取材をラジオ大阪・京都放送・和歌山放送が別途分担していること[注釈 28]による。
詳細は「ABCニュース (朝日放送ラジオ)#備考」、「高橋信三#JRN結成とラジオニュース」を参照
「毎日新聞ニュース#ラジオ」、「MBSニュース#ラジオ」も参照
JRNの結成時にニュースネットから事実上締め出されていた毎日放送では、テレビ・ラジオの兼営時代に「報道局」(テレビ部門のニュース取材を担当する部署)と「ラジオ報道部」(ラジオ部門のニュース取材を担当する部署)が別々に存在。ラジオ部門では、JRN・NRNの全国ニュース(『ネットワークTODAY』など)の本編を、ラジオ報道部が独自に制作する企画ネット方式で放送してきた。毎日放送でラジオ報道部を統括していた「ラジオ局」は、ラジオ放送事業が株式会社MBSラジオへ移行した2021年4月1日付の社内組織改編で廃止されたものの、ラジオの全国ニュースにおける企画ネットは分社後も続けられている。
詳細は「ネットワークTODAY#概要」、「RadioNews たね蒔きジャーナル#概要」を参照
「報道するラジオ#概要」、「MBSニュースレーダー#概要」も参照
その一方で、テレビ・ラジオ兼営時代の毎日放送は、1998年からTBSラジオで平日の夜間に全国ネットで放送していた報道系の生ワイド番組(『BATTLE TALK RADIO アクセス』→『ニュース探究ラジオ Dig』→『Session-22』[注釈 29])を一切流さず、自主編成を貫いていた。このため、TBSラジオは上記の番組に関して、JNN排他協定を援用したネットワークセールスでの放送を断念せざるを得なかった。
詳細は「BATTLE TALK RADIO アクセス#関西圏でのネットがなかった理由」、「柳瀬璋#『ヤングタウン』と『アクセス』」を参照
JRNの発足直後からテレビ部門のネットチェンジまでは、原則として朝日放送(当時)が担当していた報道・情報分野でも、TBSラジオが毎日放送との相互ネットや素材交換を一部の番組で実施していた。毎日放送がJRN幹事社であることに配慮した措置で、現在のMBSラジオでも、『ネットワークトゥデイ』や『ウィークエンドネットワーク』(自社では流していないJRN向け放送分への報道素材の提供)などに痕跡が残っている。毎日放送時代の2001年(平成13年)10月改編で『おはよう一直線』の同時ネットを終了してからは、TBSラジオがJRN向けに放送する生ワイド番組の全編常時ネットを実施していない[注釈 30]が、近畿広域圏では2014年(平成26年)10月改編から『一直線』のフルネットがJRN非加盟(NRN単独加盟)のラジオ大阪で13年振りに再開された。『一直線』が編成上「情報バラエティ番組」と扱われていて、排他協定の対象から外れていることによる。
詳細は「生島ヒロシのおはよう一直線#過去にネットしていた局」、「柳瀬璋#ラジオの早朝自社制作枠強化」を参照
逆に、新型コロナウイルスへの感染拡大によって日本プロ野球(NPB)レギュラーシーズンの開幕がおよそ3ヶ月延期された2020年には、毎日放送のラジオ部門(当時)が『ザ・フォーカス』(ニッポン放送がNRN向けに制作していた報道番組)の同時ネットを4月28日から5月21日まで実施した。感染対策の一環で、自社による番組制作体制を暫定的に縮小していたことによる。また、2011年(平成23年)の東日本大震災発災直後には、朝日放送のラジオ部門(当時)がTBSラジオから報道特別番組を同時ネットで放送した(JUNK枠冒頭にパーソナリティから休止告知及び被災者へのメッセージを放送したため)。朝日放送ラジオでも同時ネットを実施していなかった『Session-22』の2021年1月18日放送分には、JNN排他協定に配慮して、阪神・淡路大震災(1995年1月17日発災)のアーカイブ映像に関する朝日放送テレビ報道局記者へのインタビューの模様が放送された。
詳細は「ザ・フォーカス#3月31日以降」、「伊集院光 深夜の馬鹿力の出来事#通常放送時の主な出来事」を参照
テレビがTBS系列の兼営局(毎日放送以外)では、テレビとラジオのニュース素材を共通にしてTBSテレビへ渡すことがある。この場合、NRN報道部門の事実上のキー局である文化放送(場合によってはニッポン放送にも)へは、JRN向けとは別の素材を制作して渡すのを原則としているが、取材要員などの都合により同一素材となる例もある。ラジオがJRN単独でテレビもJNNのRKB毎日放送では、JNN報道特別番組をテレビ・ラジオ同時に放送するといった措置を取ることもある。
詳細は「サイマル放送#民間放送」、「ネットワークTODAY#取材網」を参照
「ニュース・パレード#ネット局について」も参照
また、新潟放送や南日本放送など、テレビ・ラジオの双方がTBSのネットワークに加盟している局の場合、テレビの音声をそのままラジオに載せることで有事報道を行うことがある。
民放AM局が県域に1局しかなく、かつテレビニュースがNNN(日本テレビ系列)の兼営局[注釈 31] の場合、JRNを通じてTBSラジオから配信されたニュースはラジオ部門に限り使用することができる。 また、「加盟局以外には一切配信しない」という部分の解釈上、JNN協定に抵触する可能性があるため、TBSラジオに配信したニュース番組用の音声素材を、そのままNNNのキー局である日本テレビ[注釈 32] に渡さず、同じニュースでもNNN、JRN、NRN[注釈 33] それぞれに向けた別々の素材を制作して渡すのを建前としているが、取材要員の都合によってはNNN向けに映像込みで制作した記者リポートの音声素材をそのままTBSラジオ・文化放送(場合によってはニッポン放送にも)に提供してJRN・NRNニュースで使用する場合もある。
全国同時放送の報道特別番組は、テレビは当然NNN[注釈 34][注釈 35] のものを放送する。ラジオはJRNのものを優先して放送することが多いが、元々のラインネット番組編成の都合などでNRNを優先する例も若干ある。
詳細は「ジャパン・ラジオ・ネットワーク#代表的なネット番組(五十音順)」、「報道特別番組#民放テレビ」を参照
脚注[編集]
注記[編集]
- ↑ その最たる例として、かつてMBS報道局で活動していた鎌田正明によれば、地球温暖化の原因とされるフロンガスの問題にいち早く着目したものの、JNNの全国ニュース取材に対する仕組みを理由にTBSが事実上「召し上げ」てしまったと述べたという。鎌田らMBS報道局のスタッフはTBSに抗議したものの、TBS報道局のデスクは「お前らは素材を上げていればいいんだよ!!」と言い放ったという。関連して、TBS・MBSの双方の番組に多数出演している明石家さんまは『(他の在阪局におけるキー局との不仲ぶりを挙げながら)TBSとMBSの関係が特に酷い』と漏らしたことがある。鎌田の件が起こった頃は、毎日放送との関係を対等な関係でなく主従関係と捉えたTBSテレビとの間には次第に齟齬が生じるようになったころでもある。
- ↑ 『NEWS23』第2部では、『情報デスクToday』以来の伝統に加え、毎日放送が一貫して放送しなかった。
詳細は「筑紫哲也 NEWS23#第2部」を参照
また、福島テレビはJNN加盟当時、本来であれば23時の最終版ニュース『JNNニュースデスク』『JNNスポーツデスク』を協定の慣例に従いネットすべきだったが、ネットはせず、福島県内のローカルニュース・『FTVニュース』と、『プロ野球ニュース』(FNN・フジテレビジョン制作ネット受け)を放映した。 - ↑ J SPORTS2では試合開始前から中継したため、スカパー!などで契約していれば視聴することができた。
- ↑ 正式なNNN加盟局であるテレビ宮崎(UMK)はNNS非加盟、全国高等学校サッカー選手権大会も不参加。
- ↑ 特に高知放送については、TBSテレビとの関係を重視したことによる日本テレビとの関係悪化と、テレビ高知のフジテレビ系列での開局準備という社内外の諸情勢から、TBS系へのネットチェンジが検討されたことがあったが、テレビ高知がTBS系列での開局に方針転換したことからネットチェンジが実現しなかった。
- ↑ “「バーチャル高校野球」が「SPORTS BULL(スポーツブル )」にて地方大会約900試合のライブ中継をスタート”. 株式会社運動通信社(2019年7月5日作成). 2019年7月27日確認。
- ↑ 詳細は「サンデーモーニング#ネット局と放送時間」の項目を参照。
- ↑ 日本にも「ニュース砂漠」は生じるか 愛媛の港町で民放が打った奇策 - 記者コラム「多事奏論」 論説委員・田玉恵美、朝日新聞デジタル、2023年9月2日、12時00分配信。
- ↑ 広島ホームテレビは、1980 - 1990年代には特定の曜日に集中しなかった反面、本数的には朝日放送と同等またはそれ以上に広島東洋カープ戦に差し替えていたため、振り替え放送が行われなかった番組(代わりに過去の通常版に差し替えた『ドラえもん』拡大スペシャル等)や、振替放送の時間が一定しなかった番組もあったが、2005年以降は大幅に減少した。2010年代以降は広島の復調もあり再度増加している。
- ↑ ごくまれに東海テレビ放送(東海ラジオ放送主催で行われる豊橋市民球場での試合が日曜日に行われ、フジテレビ系列の巨人ビジター戦差し替えとなった例)や三重テレビ放送(同様の理由で東海テレビによる放送権獲得となり、巨人戦が他局での放送のため東海テレビが通常番組を編成した時)での放送となった場合や、TBS系列に放送権のないヤクルト(1976年以降)・巨人主催時は、当然ながら中部日本放送では通常番組が放送された。
- ↑ 2010年代に入り排他協定救済措置が行われたことと、中日ドラゴンズの日曜の試合がデーゲームに移行したことで、独自のナイター中継が減少し、「からくりTV」等の通常放送が行われるようになった。
- ↑ 当該時間帯のJNNニュースの扱いは不明。
- ↑ 1970年代には、TBSテレビが腸捻転解消直後に毎日放送発関西ローカル番組を、視聴者保護の観点から『仁鶴・たか子の夫婦往来』など東京12チャンネルから引き継いだ番組を中心に週末に一部放送していた他、腸捻転解消前後に朝日放送・毎日放送発の関西ローカル番組が関東圏の独立局にネットされた例や、ネットチェンジ後も編成やスポンサーの都合で他系列局(山陰中央テレビ・九州朝日放送・テレビ西日本など)で毎日放送制作番組が放送された例が若干あった。
- ↑ この場合、TBSが制作に関与しながら当のTBSでは放送せず関東広域圏では独立放送局が放送する場合がある。ただし、2020年の『アサルトリリィ BOUQUET』については関東広域圏ではTBSで放送されるものの他のほとんどの地域ではTBS系列局があるにも関わらず系列外局で放送された。
- ↑ 深夜アニメに関しても地上波ではTBSテレビとサンテレビジョンの2局ネットになることがほとんどである。
- ↑ 青森朝日放送と鹿児島放送は本放送扱いで放送。北陸朝日放送は再放送扱いで放送(『闇金ウシジマくん Season1』の本放送は北陸放送で実施)。青森県・鹿児島県における『闇金ウシジマくん Season2』の放送は青森テレビ・南日本放送で放送。
- ↑ “MBSテレビ:10年ぶり深夜ドラマ枠「ドラマ特区」を新設 「コトノハ図鑑」は日曜早朝へ“引っ越し”” (日本語). MANTANWEB(まんたんウェブ) (2019年3月18日). 2023年8月26日確認。
- ↑ “<結婚予定日 第3話>結城が佳子にキス…本心明らかに”. モデルプレス (2023年8月17日). 2023年8月26日確認。
- ↑ “樋口幸平と増子敦貴が登壇、ドラマ「体感予報」ファン感謝祭9月に開催”. 映画ナタリー (2023年8月22日). 2023年8月26日確認。
- ↑ 非報道系番組では、TBS制作であっても他系列キー局の関連企業(日テレアックスオン・テレビ朝日映像・共同テレビジョンなど)が制作に参加している例もある。
- ↑ 本来TBS系列の大分放送(OBS)は、テレビ大分の編成から外れた日本テレビ・フジテレビ系列の番組を若干放送している。
- ↑ “「水ダウ」クロちゃんハメたサンテレビ偽番組に爆笑「関西ギャル魂 本当にありそう」”. デイリースポーツ (2021年8月26日). 2022年5月11日確認。
- ↑ 系列局不在地に限り異系列ネットを行う場合は、TBSのロゴタイプが通常通り表示され、『オーケストラがやって来た』などではTBSと日本テレビ系列局(山形放送・福井放送など)のロゴが併記された事例がある。
- ↑ 信越放送で『ニッポンど真ん中!』とぶつかったり『とくばん』フルネットで休止になるなどして『SBCスペシャル』の枠が確保できない時が代表的な例で、過去には多数ある。
詳細は「スパモク!!#信越放送」を参照
- ↑ テレビ朝日・朝日放送テレビ・メ〜テレも過去にANNが使用していたネットワークシンボルを表記しなかった。また、「字幕」のアイコンも、「ひよこ」が入らないもの(朝日放送テレビに準じたデザイン)が使われる。
- ↑ 略称使用が完全に義務付けられているわけではないため、2011年3月以前の中部日本放送発ネット番組、2011年9月以前の毎日放送、全国ネット・ブロックネット時のRSK山陽放送等が正式社名を使用していた。現在でも一部の局で番組によっては正式社名を使用する例がある。
- ↑ 青森テレビ社史『青森テレビ十年の歩み』(1978年)『ATV20年のあゆみ』(1989年)。これら一連の流れは「加盟局は他系列局のニュースをネットしないこと」という原則がJNN結成時ではなく、結成後に加えられた項目であることも関係している。
- ↑ 過去にはラジオ関西も分担
- ↑ 2020年10月より、この枠は報道色の薄い『アシタノカレッジ』となっているが、引き続きMBSを含めた関西圏各局へのネットはされていない。
- ↑ ただし、MBSラジオへの移行半年後(2021年10月1日)まで『一直線』と同じ時間帯で放送していた『子守康範 朝からてんコモリ!』(自社制作の生ワイド番組)では、『一直線』のコーナースポンサーのCMを流すことによって事実上の企画ネットを実施。朝日放送ラジオでも、毎日放送での『一直線』フルネット終了からラジオ大阪でのフルネット開始までの期間(朝日放送時代)に編成していた『慶元まさ美のおはようパートナー』(『てんコモリ!』の裏番組に当たる自社制作の生ワイド番組)で、『一直線』からスポンサー付き箱番組の一部を内包コーナー扱いで放送していた。
- ↑ 青森放送、秋田放送、山形放送、山梨放送、福井放送、北日本放送、山口放送、西日本放送、四国放送、高知放送、南海放送の全11局。
- ↑ 福井放送はANNのキー局であるテレビ朝日も対象。
- ↑ 福井放送はANNも対象。
- ↑ 沖縄テレビ放送が同時ネットしているなどの理由で稀に「日テレNEWS24臨時ニュース」となることもある。
- ↑ 過去にテレビ朝日系とクロスネット局で、時間帯によりANNの番組を放送した例もあった。
出典[編集]
参考文献[編集]
- 青木貞伸 編著 『日本の民放ネットワーク : JNNの軌跡』 JNNネットワーク協議会、1981年3月18日。http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12276276。
- 『放送ハンドブック:文化をになう民放の業務知識』 日本民間放送連盟、東洋経済新報社、1992年3月16日(原著1991年5月23日)、第4刷。ISBN 4492760857。