深夜アニメ
深夜アニメ(しんや - )とは、23時台から28時台(午後11時〜午前5時)の深夜帯に放送が行なわれているテレビアニメのことである。
概要[編集]
昨今は、深夜アニメの時間帯こそがアニメファンのゴールデンタイムとなっている。深夜アニメは大半が漫画やライトノベル、PCゲームなどを原作にしたもので、これらはマニア向けと言われる。
日本初の深夜アニメは1963年の「仙人部落」である。本格的に開始されたのは1980年代後半からである。ただしこの頃は当時のアニメに対する風潮、並びに技術的な問題もあり、2021年現在のように週に数十本も放送されず、単発的な動きしかなかった。当時の民放キー局のアニメは多くが午後6時台や午後7時台というゴールデンタイムの放送や夕方帯の再放送がされており、NETテレビ(現・テレビ朝日)で1970年代の土曜20時台に放送された「キューティーハニー」でも遅い時間帯とされたほどである。
深夜アニメが急増しだしたのは1995年からである。この年には「行け!稲中卓球部」、翌1996年には「エルフを狩る者たち」と人気作が深夜アニメで生まれ出し、1997年にはその影響から深夜アニメが急増した。「剣風伝奇ベルセルク」や「創聖のアクエリオン」などの人気ヒット作もこの頃に深夜アニメから生まれている。
当時は深夜アニメはテレビ東京が本数では一人勝ちしていた。しかし深夜アニメに他局も次第に着目し、1998年にはWOWOWやUHF局にも拡大。2000年代になると大阪の準キー局や名古屋の系列テレビ局、CS局の製作作品がUHF局でネットされるようになった。2005年、フジテレビは女性をターゲットにしたノイタミナという枠を設け、2007年の「のだめカンタービレ」など多数の人気作品を生み出している。
他方、ゴールデンタイム帯や夕方再放送帯のテレビアニメは、次第にバラエティ番組や報道番組にとって変わられ、この時間帯に放送されているテレビアニメは、テレビ東京系の金曜19時台のアニメや、テレビ朝日「ドラえもん」、フジテレビ系日曜18時台の「ちびまる子ちゃん」「サザエさん」などの子供向けアニメ、家族向けアニメなどのごく一部となり、それどころかスパイファミリーやぼっちざろっくなどそこまで大人向けではないアニメも深夜に移動した。また、テレビ朝日も金曜19時台に放送していたテレビアニメを土曜夕方に移し、アニメ専門chを設けていた関連のインターネットテレビのAbemaに経営資源を集中したほどである。
現在、深夜アニメが定着した理由として、この時間帯のテレビ局のワク代(放送料金)がかなり安いこと、昔と違って商品化されるアニメ関係の映像ソフトのビジネスが確立したことが挙げられている。また、地上デジタルテレビ放送で深夜アニメを多く放送する東京MXテレビの首都圏人口密集地での受信環境がキー局と対等になった(東京都には「独立UHF局」は元々存在しなかった)ことも深夜アニメ定着の一助となっている。