虎に翼
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虎に翼(とらにつばさ)は、2024年(令和6年)度前期放送中の連続テレビ小説。
概要[編集]
吉田恵梨香脚本のリーガルエンターテイメントドラマで、トラつばの略称でよばれる。
朝ドラの女性法律ものは1996年(平成8年)度前期のひまわり以来。
ヒロインの寅子はキャスティングで伊藤沙莉が選ばれた。ヒロインが地味なため、年度後期の橋本環奈主演の「おむすび」までの繋ぎと当初は見られた。
しかしながら、回を経るごとにネットニュースでヒロインの伊藤をはじめメインキャストの演技が評判を呼び、あさイチでも特集がされ、「朝ドラの傑作」の一つになるのではという評論も見られ、寅子の口癖の「はて?」も新語・流行語大賞の候補との評論もある。
ナレーションは尾野真千子が担当。朝ドラでは珍しい絶叫ナレーションも話題になっている。
主題歌は米津玄師が手掛けた。
キャスト[編集]
ヒロイン[編集]
- 佐田(猪爪)寅子 - 演・伊藤沙莉
- 結婚に興味が持てなかった中で飛び込んだ明律大学(明治大学がモデル)夜間部に潜り込んだのをキッカケに法律に興味を持ち、明律大学女子部、法学部で法学を学ぶ。卒業後、雲野法律事務所で手伝いをしながら、日本初の女性弁護士として合格。顔なじみの優三と結婚、娘も生まれたが、太平洋戦争末期に夫が戦病死。父も亡くなり、相次いで身内を失う。
- 戦後は心機一転。裁判官を目指し、最高裁人事課に押し掛けるが、任官はできず、司法省民事局の民法改正チームの事務官を経て、最高裁家庭局事務官兼務ながら判事補に昇格し、東京家裁で調停に携わっている。ラジオで茨田りつ子に紹介されたことから、スター判事補となったが、裁判官経験を積ませるため、判事として新潟地家裁の三条支部に赴任。一人判事なので自然に「支部長」と呼ばれる。後に週1で新潟地裁本庁の刑事事件の填補判事となる。
- 東京地裁に帰任後、新潟で恋仲となり、同時に東京へ帰任した星航一との愛を育むが、改姓を拒否して、事実婚の道を選ぶ。
- 日本初の女性弁護士で、戦後家裁の立ち上げに携わり、名古屋地裁で初の女性判事となり、新潟家裁や浦和地裁の所長を歴任した三淵(和田)嘉子がモデル。
- 伊藤は『ひよっこ』以来の朝ドラ2作目でヒロインを演じる。
家族[編集]
- 佐田優三 - 演・仲野太賀
- 猪爪家の書生で、後の寅子の夫。
- 高等司法科試験を受験し続けたが、寅子に先に合格されたことで、法曹を諦めた。
- 胃腸の持病を持ちながら末期に徴兵され、戦病死した。
- 三淵嘉子の先夫の和田芳夫がモデル。
- 仲野は『あまちゃん』以来の朝ドラ出演。
- 仲野と伊藤はNHKドラマの『拾われた男 LOST MAN FOUND』以来の夫婦役共演。こちらは仲野が主演で、朝ドラ放送以前の夫婦役共演は珍しい。
- 優三と寅子の娘。父の戦没後、母と叔母一家、叔父に育てられるが、寅子の新潟赴任にはついていった。
- 航一との初対面以来、航一に懐いており、航一を事実上の継父として受け入れている。
- 大卒後は大学院に進学して寄生虫に関する研究を行っている。
- 嘉子の子がモデルだが、設定を娘に変えている。
- 毎田は「おちょやん」の子役以来3度目の朝ドラ出演。
- 川床は朝ドラ本編出演は初。但し『なつぞら』のスピンオフの出演歴がある。
- 猪爪(米谷)花江 - 演・森田望智
- 寅子の義姉。女学校の同級生でもある寅子は名前で読んでいる。
- 典型的な専業主婦で自身の2人の子育ては元より、義弟(寅子の弟)や寅子の娘の姪の面倒も見ている。
- 寅子のモデルの三淵嘉子は実際に義妹に自身の息子の面倒を見てもらっているが、義妹自身は教師として嘉子と似た道を歩んでいる。
- 森田は『おかえりモネ』以来の朝ドラ出演。SNSでも評判を呼び、「影の主役」的な存在。
- 猪爪直明 - 演・三山凌輝
- 寅子の年の離れた弟。大学卒業後は教職に就いている。
- 三山は朝ドラ初出演
- 猪爪(田沼)玲美 - 演・菊池和澄
- 寅子の義妹で、直明の妻。家裁立ち上げ時に執務室片付けの手伝いに来た学生の一人。
- 菊池は『ゲゲゲの女房』の子役以来の出演。
- 星航一 - 演・岡田将生
- 最高裁長官の息子で、横浜地裁判事時代に寅子と出会い、父の著書の補訂を共同で行う。
- その後、新潟地裁判事に転勤し、三条来訪時に寅子に度々面会し、寅子に惹かれていく。新潟では総力戦研究所に属した過去を明かした。
- 東京で最高裁調査官として帰任後も寅子との愛を育み、佐田姓への改姓も容認したが、継母に反対され、寅子との話し合いで「夫婦のようなもの」の事実婚を選ぶ。
- 甲府地裁、浦和地裁所長などを歴任した三淵乾太郎がモデル。事実婚と判事歴と実父の著書の補訂以外は史実に沿っている。
- 岡田は「なつぞら」以来の朝ドラ出演。
法曹関係者[編集]
- 久藤頼安 - 演・沢村一樹
- 大名家系の華族出身。アメリカ渡航歴もあり「ライアン」と自称する。
- 裁判官求職活動をしていた寅子を一目で気に入り、司法省の民法改正チームに入れ、最高裁発足後は家庭局に就かせる。
- 寅子帰任時には司法修習所長に昇任している。
- NHKは公表していないが、大名家系の華族出身で名古屋高裁長官等を歴任した内藤頼博がモデルとされる。
- 沢村は「ひよっこ」以来の朝ドラ出演。
- 多岐川幸四郎 - 演・滝藤賢一
- 朝鮮で判事経験を持ち、児童保護への造詣も深い。最高裁家庭局で寅子の新たな上長になり、水行を趣味としたり、無茶苦茶な家裁広報活動に寅子はついて行けない。
- 寅子帰任時には東京家裁所長に昇任している。
- NHKの解説委員の話によれば、「家裁生みの親」で実際に滝行を趣味とした宇田川潤四郎をモデルとしている。
- 滝藤は「半分、青い」以来の朝ドラ出演。
- 雲野六郎 - 演・塚地武雅
- 明律大を卒業した寅子が見習いとして最初に勤め、高等司法試験合格後に修習を受けた法律事務所の所長。
- お人好しで低額の仕事が多いため、運営は火の車状態で、戦後寅子も気の毒に思ってとても再雇用は言えなかった。
- 戦後、「原爆裁判」の代理人として登場。口頭弁論目前で「おにぎりが好きなんだなぁ」を最期の言葉として逝去。最後の言葉は塚地が演じた「裸の大将」を彷彿させる言葉としてSNSで話題になった。
- モデルは海野普吉をはじめ複数説が有力。
- 塚地は「おちょやん」以来、3度目の朝ドラ出演。
明律大女子部[編集]
明治大学にあった女子専門部をモデルにしている。
1期生[編集]
卒業後は法学部本科に進学。
- 久保田聡子 - 演・小林涼子
- 明律大学女子部一期生で、寅子の1年先輩。寅子と同時期に高等司法科試験に合格して弁護士となった。戦中に夫の故郷の鳥取に移住。戦後も鳥取で弁護士をしている。
- NHKは公式発表をしていないが、三淵嘉子と同時期に女性弁護士となるも、戦中に若桜町に疎開後は鳥取県で暮らし、戦後鳥取県弁護士会初の女性会長となった中田正子がモデルとされている。
- 小林は朝ドラ本編出演は初。但し『梅ちゃん先生』のスピンオフの出演歴がある。
- 中山千春 - 演・安藤輪子
- 明律大学女子部で久保田と同期の一期生で、寅子の1年先輩。寅子や久保田と同時期に高等司法科試験に合格した。
- 戦後は夫の支援をうけ検事に就いている。
- NHKは公式発表をしていないが、戦前分は、三淵嘉子、中田正子と同時期に女性弁護士となった久米愛をモチーフにしていると思われる。
- 安藤は朝ドラ初出演。
魔女5[編集]
寅子の女子部、法学部本科の同期仲間で司法の勉強会を開いて、男子学生に「魔女部」と陰口を叩かれる。
第17週までに寅子は他の4人との再会を果たしている[注 1]が、全員再集合は第21週までかかった。
- 山田よね - 演・土居志央梨
- 明律大学女子部で寅子と同期。女郎として売られそうになったため、男装である。
- 法曹資格を得られず、戦前は助手として雲野法律事務所に勤務。戦中女給をしていた喫茶『灯台』が焼け、戦後はよろず法律相談を行っていたが、轟と再会して轟法律事務所を開設。事実上運営権を握っている。後に法曹資格を得ている。
- 最高裁事務官として、街中を視察した寅子がスリ少年を追いかけるとそこには…
- 土居は『おちょやん』以来の朝ドラ出演[注 2]。
- 崔香淑/汐見香子 - 演・ハ・ヨンス
- 明律大学女子部で寅子と同期。活動家の兄に勧められて入学した。
- 兄が摘発されたため、朝鮮に帰国。朝鮮で汐見と恋仲になり、汐見の帰国時に同時に引き揚げして、日本女性として生きる決意をした。「原爆裁判」終了直後あたりに法曹資格を得る。
- 酒に酔った汐見を介抱して家に送った寅子はそこで…。
- ハは朝ドラはもとより本作が日本のテレビドラマ初出演。
- 竹原(大庭)梅子 - 演・平岩紙
- 明律大学女子部で寅子と同期で最年長。弁護士の夫を見返すために入学した。三男を連れて離婚しかけたが、夫が倒れてそのままに。戦後に夫が亡くなった際、相続の調停で寅子と再会。同じく再会した轟とよねを代理人にして解決を図ったが、三男が夫の元妾と恋仲になったのにキレて、遺産相続、婚家との関係を放棄した。
- 全てを捨てた後、学生時代贔屓の甘味処『たけもと』で再出発し、轟とよねの事務所で居候をした。主人、女将から後継を期待され、1960年代後半に、道男と共同経営で寿司甘味処「笹竹」の女主人となった。
- 平岩は4度目の朝ドラ出演。
- 桜川涼子 - 演・桜井ユキ
- 明律大学女子部で寅子と同期。男爵令嬢。父親の駆け落ちで、婿取りを迫られ、法曹資格取得を断念した。
- 戦後、新潟で星航一が贔屓にしている喫茶店『ライトハウス』に寅子が向かうとそこには…。
- 桜井は『ちむどんどん』以来の朝ドラ出演。
後輩[編集]
- 小泉由紀子 - 演・福室莉音
- 明律大学女子部で寅子の1年後輩。寅子と優三の結婚直後に来訪し、明律大女子部の閉鎖と高等司法試験の中止を伝える。
明律大法学部仲間[編集]
- 轟太一 - 演・戸塚純貴
- 佐賀出身。花岡悟と同郷。硬派気質で女に恋をした花岡を軟弱化したと見做す。戦前に法曹資格を得る。戦地に出征後、花岡の死を知るが、よねと再会して、共同で法律事務所を経営。弁護士資格を持つことで、事実上よねに「名貸し」で仕事を任せ、孤児たちの面倒を見る。梅子の相続調停を弁護したのを機に、梅子の相続放棄後の居候も引き受ける。
- よねの法曹資格取得後もバディを組んだまま山田轟法律事務所と改名したが、相変わらずよねが主導権を取っている。
- よねと共に、雲野の逝去後「原爆裁判」の原告代理人を引き継ぎ、寅子と対峙。判決後、被害者弁護団結成を宣言。
- 他に「尊属殺人事件」の弁護も引き受ける。
- 寅子の東京帰任後、自分が男性パートナーと交際していることをカミングアウトした。
- 戸塚は朝ドラ初出演。
- 小橋浩之 - 演・名村辰
- 明律大法学部では女性蔑視の急先鋒。発芽玄米のあだ名がある。
- 戦後、寅子が司法省に職を得た時、一番会いたくない人物にも関わらず、同級生で最初に再会。家裁準備室でも同僚となるが、寅子の三条転任時に人望の差を自覚する。以来、地道に家裁平判事に就いている。
- 中学校で裁判の学習を実施した時、女性蔑視の生徒に共感しつつも、弱い者に標的を向け続けるといずれ自分に還ることの金言を与える。
- 名村は朝ドラ初出演。名村は明治大出身だが、中野キャンパスメインの現代日本学部出身。
- 稲垣雄二 - 演・松川尚瑠輝
- 明律大法学部では小橋の腰巾着的存在。
- 戦後、家裁準備室で寅子と同僚として再会。戦前とは違い、仲間として歓迎した。寅子の東京帰任後は家庭局長となり、小橋よりは出世コースに載っている。
- 松川は「おひさま」の高校生役以来の朝ドラ出演。ヒロインの伊藤とは子役同世代で「女王の教室」以来の共演。
その他[編集]
- 玉 - 演・羽瀬川なぎ
- 戦前は華族令嬢涼子の使用人。戦災で負傷し、車椅子暮らしをしている。新潟では涼子の食堂の手伝いをしつつ、受験生に英語を教えている。
- 羽瀬川は「カムカムエヴリバディ」以来の出演。
- 稲 - 演・田中真弓
- 戦前の花江の実家の女中。戦後は新潟県新津に帰省。三条に赴任した寅子の留守時の家政を担い、新潟で喫茶「ライトハウス」を週2で手伝っている。寅子の三条支部離任前にひっそりと逝去(ナレ死)。
- 田中は「なつぞら」以来の出演。登場時は「ルフィ」など声優の役柄でSNSで話題になっている。
- 道男 - 演・和田庵
- 寅子が戦後身元を引き受けた浮浪児たちのリーダー格。
- 猪爪家で母・はるに息子のように扱われ、叱責を受けたりして、更生していく。
- はるの死後は、寿司店を再開した笹山の下で修業を始める。
- 和田は朝ドラ初出演。実年齢は放送時まだ10代で、20歳近く歳上の役として出演を続けている。
ゲスト出演[編集]
- 福田瞳 - 演・美山加恋(第15週)
- 秋山真理子 - 演・渡邉美穂(第22週)
- 寅子が航一との同居後に判事補に就いた後輩。既婚。寅子を慕い、家裁準備室仲間の稲垣と小橋すらヨイショする。
- これからという時期に妊娠が判明。寅子ら女性法曹仲間の応援で円満に産休を取得する。
- 渡邉は朝ドラ初出演。
- 汐見薫 - 演・池田朱那(第24週〜)
- 香淑(香子)の娘で大学生。母が韓国籍を棄てたことを恨んでいる。
- 音羽綾子 - 演・円井わん(第24週〜)
- 寅子の東京家裁帰任時の調査官。
- 斧ヶ谷美位子 - 演・石橋奈津美(第24週〜)
- 山田轟法律事務所に訳ありで居候する女性
- 佐江子 - 演・辻沢杏子(第25週〜)
- 孫の少年審判の付き添いの女性
- 辻沢は「だんだん」以来約16年ぶりの出演。
ロケ地[編集]
意外にも名古屋市内に重要なシーンのロケが多い。
- 愛知
- 新潟
- 弥彦神社 - 三条支部のシーン
- 茨城