カムカムエヴリバディ

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カムカムエヴリバディNHKの2021年度下期「連続テレビ小説」第105作。カムカムエブリバディは誤記。

概要[編集]

NHK大阪の堀之内礼二郎プロデューサーが福井局在籍時に、福井県を舞台にした「ちりとてちん」を気に入り、「ちりとてちん」を脚本した藤本有紀を脚本に指名して制作したテレビドラマ。連続テレビ小説史上初めて三世代3人の女性をヒロインとした意欲作である。

2021年11月1日開始、2022年4月9日本編終了。4月10日午前11時の週間ダイジェストで完全終了。

ヒロイン[編集]

上白石萌音と川栄李奈はオーディションで選出された。

るいの母、ひなたの祖母。岡山の和菓子屋「たちばな」の娘で、幼少期は兄算太に代わって菓子職人志望だった。太平洋戦争で夫と父以外の家族を失う(後に実兄が復員)。英語教室の補助をきっかけに元米軍軍属と恋仲になり傷を負った娘を残して渡米。渡米後、1999年までは回想シーンのみ登場。
1999年、映画キャスティングディレクターアニー・ヒラカワとして来日。孫とは知らず、ひなたと親しくなったが、ひなたから差し入れのあった回転焼でるいへの思いを取り戻し、2003年に遂にるいと再会。三世代が一同した。2025年も百歳で存命。
老年期の安子については、森山よりも萌音に似ている宮崎美子の下馬評が高く、安子であることを明かした回では、SNSではキャスティングの是非に関する批判投稿もあった。
安子の娘、ひなた、桃太郎の母。顔を知らない実父が贔屓だったルイ・アームストロングから命名。4歳の時、大阪で交通事故に遭い、額に旗本退屈男のような傷をつくってしまう。7歳で母と生き別れ、18歳で岡山から幼少期に一時過ごした大阪に転居。クリーニング屋の住み込み従業員の時、後の夫の錠一郎と知り合い、錠一郎のジストニアを受け入れて結婚。京都で回転焼屋大月を開業し、切り盛りをしながら2児を育てる。ヒロイン3代目本格出演後もヒロイン母役で継続出演。錠一郎がピアニストで音楽活動を再開すると、マネージャーの役目でツアー同行するようになり、トミー北沢の薦めでボーカルも務める。
両親にとって特別なジャスナンバー「On the Sunny Side of the Street」から命名。侍オタクで時代劇やドラマへの関心は高いが、計画的に夏休みの宿題をするのは苦手で、母に薦められたラジオ英語会話も長続きしなかった。
高3でも家業の手伝いが上手くいかず、さしたる目標が持てぬまま、ミス条映コンテストに応募し、最終選考に残るも落選。その場を見ていた伴虚無蔵に見込まれ、映画村でアルバイト後、正式に就職。映画村業務部で仕事をこなし、提案したお化け屋敷の企画に成功、1999年時点では英語での案内をこなす。条映勤務中に親族と知らず、伯父・算太や祖母・安子と親しくなり、母・るいの再会の橋渡しとなる。
家業については、高3で初めて手がけた回転焼きも不器用で失敗作を作ってしまう。後に恋仲になる五十嵐文四郎には当初バカにされたが、五十嵐の激励のために特訓し、店番ができるくらいになり、1999年時点ではツアーでの両親の不在時の会社休日に店を切り盛りしている。
2005年にアメリカ留学後はキャスティングディレクターとして世界をまたにかけ、2024年よりNHK英会話番組の講師となる。

登場人物[編集]

複数編登場[編集]

るいの夫。ひなた、桃太郎の父。元は戦災孤児として岡山に住んでいた。大阪のジャズバー「Night and Day」を拠点にトランペッターとして活動し、そこでるいと知り合う。関西一のジャズトランペッターとして嘱望されたが、ジストニアになり自暴自棄になるもるいに救われ、結婚後は京都に移住する。子供達の良き父だが、長らく定職を得られなかった。義理の伯父の算太と商店街福引を手伝う時、鍵盤に目覚め、50代でジャズピアニストとして音楽界にカムバックする。
高校時代から大阪のジャズバー「Night and Day」で錠一郎の追っかけをしており、そこでるいとも知り合う。大阪時代の通称は「ベリー」。当初は敵対していたが、錠一郎の気持ちがるいに傾いていることを悟り、本名を明かしてるいの味方になる。短大卒業後は京都で家業の茶道の師匠を継いだ。ひなたの同級生の一恵の母親であり、京都では2代にまたがる親交となる。2005年時点で隠居し、夫と青春を取り戻している。
「こわもての田中」として岡山編で借金取り、1960年代の大阪編ではクレーマー詐欺者として登場。京都編でも当時流行の子門真人の風貌で「アフロの田中」、一子の「夫の田中」として登場したが、これらの人物の関係性は不明。
条映の大部屋俳優で、福本清三を彷彿させる切られ役のプロフェッショナル。初代桃山剣之介の遺作にメインキャストとして先代剣之介から抜擢されるも大部屋俳優を続け、ひなたに映画村でのアルバイトを薦めた。2001年黍之丞シリーズを見たアニー・ヒラカワによって、「サムライ・ベースボール」の寡黙の家老役にキャスティングされた。2022年も条映のベテラン俳優として健在。
昭和初期から活躍する時代劇スター。駄作と酷評された「棗黍之丞 妖術七変化 隠れ里の決闘」が遺作となったが、錠一郎の琴線に響き、娘のひなたが時代劇好きになるきっかけの作品になった。
安子の兄。るいの伯父、ひなた・桃太郎の大伯父。父から家業の後継者と目されるが、本人はダンサー志望で実家を脱走し、大阪のダンスホールで修業するが借金をこしらえて帰省。後に徴兵され、終戦からしばらく経って復員。妹の婚家の雉真家に居候しながら実家の再建を目指したが、雪衣との恋が叶わなかったことで失踪。しばらく、親族に姿を現さなかったが、1984年、2代目桃山剣之介の知り合いの振付師サンタ黒須として映画村に登場。大姪と知らずひなたとも親しくなるが、2代目剣之介の贔屓の店に姪のるいが居ることを知ると再度姿を消す。9年後、死の間際に大月一家の前に現れ、るい以外に初めて親族であることを明かし、預貯金をるいに託して逝去。
なお、演じた濱田岳は第1話登場の俳優では最も長スパンで単一キャストを演じた。
荒物屋(のち電器店)あかにしにの店主。町内会長。ひなたの同級生吉之丞の父。幼少期は岡山在住で、算太も顔見知りである。父に反抗した態度も取ったが、戦後の再建の苦労で次第に父そっくりの風貌で吝嗇家となり、「ケチエモン」とあだ名される。錠一郎同様、棗黍之丞のファン。るいに再会後の安子と孫を連れて再会を果たした。
荒物屋あかにしにの大おかみ。ひなたの同級生吉之丞の祖母。岡山空襲で夫を亡くし、故郷の京都に移る。温和な性格で、息子の吉右衛門の暴走をたしなめることも。るい親子が岡山の「たちばな」の縁者とは気付なかったが、算太のいまわの際の際に気づいたようである。曾孫出生を見届け逝去。
関西のラジオDJ。ジャズや映画評論も行う。声の出演だけだったが、アニー・ヒラカワへのインタビューで初めて顔出し。浜村のキャリアが参考にされたキャストだが、浜村自身、1960年代前半は東京のナベプロ所属であり、磯村と完全には重ならない。

岡山・大阪(1940年代)編[編集]

雉真家[編集]

安子の婚家でるいの生家。雉真繊維を経営。

安子の夫、るいの父、ひなた・桃太郎の祖父。「たちばな」の客として安子と知り合い、安子にラジオの英語講座を勧める。将来は雉真繊維を世界的企業にする夢を持ち、紆余曲折を経て安子と結婚するが、学徒出陣で徴兵され、娘の顔を見ぬまま返らぬ人となる。
稔の弟。るいの叔父、ひなた・桃太郎の大叔父。後に義姉となる安子と同級生で同級生の立場では安子のことを「あんこ」と呼ぶ。勇があんこと呼ぶのを幼少期の安子は嫌っていたが、るいと再会後の安子は笑い話にしている。
戦前は野球少年で甲子園を目指したが中等学校野球大会が中止となり夢が断たれる。大学在学中に徴兵され、戦後復員するが、直後に兄の死に遭い、急遽大学を中退し雉真繊維の後継となり、実業団野球チームを創設する。父より安子との結婚を勧められるが、安子の気持ちが自分に無いことを察し、身を引く。その後、女中の雪衣と恋仲になり、安子の渡米後に結婚。父の逝去後、姪のるいが雉真家を離れることを許す。30年ぶりにるいが一家で帰省した際は歓待し、同じく野球少年の大甥の桃太郎を気に入る。気さくな性格で、姪婿の錠一郎も前歴を聞くことなく受け入れ、兄の行きつけの店の息子であった健一ともすぐに親しくなっている。
勇の妻、るいの叔母。ひなた・桃太郎の大叔母。戦後雉真家に入った女中で、勇のことをずっと思っていた。一方、算太からも求愛されたが、安子の渡米直前に勇との関係を深め、安子渡米時に妊娠が発覚して、後に息子昇を産む。2003年10月に、安子に会えなかったことを悔いながら逝去。アニーが安子であることを明かしたのは2ヶ月後で惜しくもすれ違いだった。
なお、岡山編の雪衣を演じた岡田はヒロインのオーディションを受けている。
安子の舅、るいの祖父、ひなた・桃太郎の曾祖父。
小さい足袋屋を岡山の有力企業にした大実業家。孫のるいを可愛がるが、るいにはプレッシャーになった。いまわの際でもるいの行く末を心配。一方、勇に遺言した足袋を作り続けることは2代守り、ハリウッド俳優に気に入られるまでになった。

御菓子司たちばな[編集]

安子、算太の生家

安子、算太の父。「たちばな」の店主を父から継ぐ。岡山空襲で家が焼け、母、妻を亡くし、気力を無くすが、安子の助けで「たちばな」を再開した矢先に逝去。
演じる甲本は岡山出身である。
安子、算太の母。岡山空襲で犠牲になる。
演じる西田は幼少期に岡山在住。「マッサン」で公式の出身の広島県ゆかりの人物を演じており、自身のゆかりの2箇所の役を演じたことになる。

水田とうふ店[編集]

安子、勇の同級生。とうふ店の末娘で婿取りを宿命付けられている。疎開で生き残り、両親や疎開先で出会った夫と共にとうふ店を再建し、安子の渡米まで、「たちばな」を掲げた安子のおはぎ売りに力を貸す。1984年のるいの帰省時に、勇の口から夫の里に転住したことが語られた。2004年時は夫に先立たれ美作(美作市か美作地域全体か不明)で病床にふせっていることが孫の花菜の口から語られた。
きぬの父。水田とうふ店店主。「たちばな」と同じ街の商店として街を盛り立てている。空襲前に疎開を選択して当時の家族3人が生き残り、戦後、娘婿と共にとうふ店を切り盛りしている。るい大阪転住前の消息は描かれていない。
浅越は岡山出身である。

Dippermouth Blues[編集]

2022年時点ではるいと錠一郎が切り盛りしている。戦前は稔の行きつけの店で、戦後直後は錠一郎の居所となる。一旦閉店するが平成期に再開。

戦前~戦後直後のマスターで錠一郎の里親。世良は広島県福山市の出身。
  • 柳沢健一 - 演・前野朋哉 (老年期、演・世良公則)
平成期のマスターで定一の息子。戦前に稔と安子のデートを目撃。戦時中に徴兵され、戦後に横須賀に引き揚げ、1951年に岡山で定一の生存を確認するがすぐに横須賀に戻る。平成期に、孫の慎一の一言で店を再建する。
  • 柳沢慎一 - 演・前野朋哉
健一の孫。健一の死後、しばらくしてトミー北沢のローディー(付き人)になる。前野は倉敷市の出身。

荒物屋あかにし[編集]

京都編の前身の店舗

  • 赤螺吉兵衛 - 演・堀部圭亮
荒物屋あかにしの先代。吉右衛門の父。「ケチベエ」とあだ名された吝嗇家。岡山空襲で息子を庇って逝去。

その他[編集]

安子の2番目の夫で、るいの継父にあたるが、継父になる前しか面識がない。
岡山市内でおはぎの行商中に会話を交わしたことをきっかけに知り合い、英会話教材製作で親密になる。るいの小学校入学前の算太の失踪の捜索にも協力して、安子が倒れた時に介抱したが、るいには誤解され、自身の帰国に際し、居場所の無くなった安子を連れていく。帰国後はシアトルで円満に安子と暮らす。

大阪(1960年代)編[編集]

京都編[編集]

錠一郎、るいの長男。ひなたの11歳下の弟。野球少年。家族で母の実家を訪れた際、野球好きの叔父・勇に気に入られ、高校卒業後、大学進学を契機に岡山に転居。2003年時点では、雉真繊維に在籍して野球部に所属。2005年には京都に戻り、大月を継ぎつつ、母校の監督に就任。
  • 大月(水田)花菜 - 演・小野花梨
きぬの孫。後のひなたの義妹。きぬの行方を追っていた勇が安子に会わせた。健一の死後、Dippermouth Blues を訪れた桃太郎に惚れられ、桃太郎と結婚。京都に移住し、大月の義母と義姉の味を引き継いだ。
一子の娘。ひなたの親友。高3時は早期の家業後継を望む一子に反抗し、短大に進学。短大在学中、映画村でアルバイトをするが、女優の美咲すみれの茶道指導を皮切りに、ずるずる家業と関わるようになった。34歳の時、榊原と結婚。
ひなたの同級生。雨宿り中にひなたに傘を貸してもらったことをきっかけに親交を深める。高3時は教員志望で大卒後高校国語教師になる。後、同級生の吉之丞と結婚。
条映の大部屋俳優。実家は会社経営だが、時代劇スターを目指し京都に飛び出した。真冬の土左衛門役を演じた後に、焼きたての大月の回転焼を食して以来、焼きたての回転焼を気に入る。
ひなたとは母の留守中で回転焼の残りしかない時に出会い、当初は互いに悪印象だったが、時代劇の好みが合って、次第に接近するようになった。ひなたと会って7年経っても大部屋から脱出できず、主演俳優とのトラブルを機に、ひなたと相思相愛のまま条映から去る。その後渡米し、2001年アクション監督のブン・イガラシとしてひなたの前に姿を現す。
  • 2代桃山剣之介 - 演・尾上菊之助
旧名は桃山団子郎でテレビ娯楽劇中心の活躍だったが、ひなたの誕生日と同日に剣之介の2代目を継ぐ。「棗黍之丞」テレビシリーズで時代劇スターとなり、ひなたが大びいきになるが、先代に対するコンプレックスも抱えており、サイン会で来たひなたが差し入れた回転焼で救われる。算太は先代逝去前頃からの知り合いで算太は「ダンゴちゃん」と呼ぶ。
テレビ「棗黍之丞」シリーズで人気の女優だが、ひなたが条映と関わりを持つ頃は、東京進出に失敗したこじらせた大根役者だった。後に現代劇「茶道家水無月ぼたんの事件簿」で表舞台に復活。俳優の星川凜太郎と電撃結婚するが、短期間で離婚。2006年に2代目モモケンと再婚。
  • ウィリアム ローレンス - 演・幸本澄樹(最終週・城田優、ナレーション兼担)
ひなたの初恋の人。愛称はビリー。11歳のひなたがラジオ英語会話を聞くきっかけとなったが、帰国前に回転焼大月を訪問した時コミュニケーションできずに終わった。2024年ひなたが講師の「サニーサイドイングリッシュ」を共に担当。2025年映画村を訪れた際、ようやくひなたが「あの時のビリー」と気づく。

2024年編[編集]

ひなたをラジオ英会話講師にスカウトしたNHKのディレクター。父親は平川唯一のカムカム英語を「どこかの子連れのお母さん」と聞いていたと話しており、安子が戦後の大阪で世話になった家族の孫ということにつながるのだが、最終的に未来もひなたが「子連れ母」の縁者になることに気づかずに終わる。

その他[編集]

  • 2代目ヒロインの深津は10年以上テレビドラマ不出演の中での連続テレビ小説初出演。壮年引継でないヒロインとしては藤山直美の記録を更新した。
  • 3代目ヒロインの川栄は、「まんぷく」の安藤サクラに続く「ママさんヒロイン」。既婚、子持ちが公表されている女優がオーディションを経て連続テレビ小説のヒロインに選出されたのはおそらく初。
  • 母子(義母と義娘を含む)がダブルヒロインとして出演は、1992年上期の「おんなは度胸」以来だが、独身ヒロイン編があるのは、本作が初。
  • 尾上菊之助、堀部圭亮、世良公則、前野朋哉のように、朝ドラでは異例の、世代を跨いだ複数キャストで出演の男優が多かった。

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