京急脱線事故 (2019年)
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京急脱線事故(けいきゅうだっせんじこ)とは、京浜急行電鉄神奈川新町駅付近の踏切で起こった脱線事故のことである。
概要[編集]
2019年9月5日午前11時43分頃、京成押上線青砥発三崎口行下り快特第1088SH列車として運転中の1000形1137編成は子安駅を時速120kmで通過後「神奈川新町第1踏切」の異常を知らせる特殊信号発光器(特発)が停止表示していた事から非常ブレーキを扱ったものの停車が間に合わず12トントラックに時速62kmで衝突、67m過走し停車した。
電車は先頭から3両が脱線し、トラックは炎上し列車の3両目の下敷きになった。これによりトラック運転手(当時67歳)が死亡。乗客15名が重傷を、60名が軽傷を負い乗員2名も軽傷を負った。事故は甚大で、このため京急川崎駅-上大岡駅間上下線終日運転見合わせになった。横浜-上大岡間は翌日の始発より運行を再開したものの、事故区間を含む京急川崎-横浜間については9月7日の午前10時ごろまで運転を見合わせた。
トラックはオレンジやレモンなどの果物を運送しており、現場にはその積み荷が散乱した。このトラックは千葉県香取市の運送会社の物であった。
この事故の様子を、フジテレビで現場レポートしていたのが、のち2023年に衆議院議員となる岸信千世(岸信介の曽孫、安倍晋太郎の孫、安倍晋三の甥・岸信夫の長男)である。そのグダグダぶりは、選挙運動中に話題になった。
事故発生の流れ[編集]
列車[編集]
第1088SH列車は28歳男性運転士と27歳女性車掌が常務していた。列車は定時通りに運行しており京急川崎駅を11時38分46秒に出発した。その後120km走行中衝突249m前で非常ブレーキを手配したものの11時43分22秒に衝突した。
衝突の勢いで車掌が席から投げ出され一時乗務員同士の連絡が取れなかった。
運転士は衝突後対向列車が仲木戸に停車している事を確認の上進行方向右側の客室内ドアコックを扱い1両目に乗車していた旅客を線路上に避難させた。
火災が発生していたため運転士と社員多数が消火を行ったものの消火が不可と判断し神奈川新町方に避難した。
1000形の非常ブレーキ時の停車距離は477mであるが特発を認識してから1.8秒以内に非常ブレーキを行わないと衝突してしまう試算となったが子安-神奈川新町間にはカーブがあり多くの架線柱により視認性がとても悪く遮られる場面があった。なお本列車は認識しブレーキを扱うまでに4秒掛かった。
自動車[編集]
運送会社代表者によると、本件トラック運転者は、横浜市内で荷物を積込後11時20分ごろ積込先を出発し、成田市内へ向かう途中において本来であれば本件踏切を通行することはなく、本件踏切を通行した理由は不明。
なお当日、通常経路で使用される首都高速子安入口が料金所改修工事に伴い閉鎖されていたため、通常の経路での運行ができなかった。これにより迂回しようとして浦島第152号を経由して本件踏切に至ったと考えられるが、当該運転者が死亡していることから不明。
トラックが踏切に着いたのは17時30分頃で、最初は踏切とは逆の左折をしようとしたが曲がれず、偶然居合わせた京急職員A・Bに後方を見て欲しいとトラック運転手が依頼した。しかしその後、左折を諦め踏切に進入したがその際曲がりきれずに道路標識と接触。後退が困難である状況で遮断機が降下したため社員A・Bは手で遮断機を持ち上げ、社員Bは非常ボタンを扱ったものの衝突してしまった。
事故を受けての対策[編集]
- この事故を受けて、京急電鉄では踏切に異常があった際には必ず非常ブレーキを使用することを義務付けた。また、非常停止信号の増設や設置場所の移設などより安全に停止できるように改良を施した。
- 横浜市は、事故の手前の細い道の手前と京急東神奈川駅前の交差点にう回路を示す標識を建てた。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
鉄道での事件・事故 |