京急1000形電車 (2代)

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1000形電車(2代)(1000がたでんしゃ(2代))は、2002年 (平成14年)4月15日に営業運転を開始した京浜急行電鉄で2002年より運用されている通勤形電車である。

「新1000形」は本形式、「旧1000形」は初代1000形を指すものとする。また、1500形と車番重複した新1000形は15011-(例)などと表記する。

概要[編集]

登場当時老朽化した旧1000形や700形を置き換える目的で、その後2000形の置き換えやウイング号の増結用車両を目的とし製造された。現在では1500形の置き換えを目的として今なお製造が続いている。

2002年から2023年まで21年間で計22次にわたり、4両編成26本(104両)、6両編成16本(96両)、8両編成27本(216両)、計416両が製造され、2023年以降も増備が続いている。

2023年現在416両という京急の中でも最も製造された形式となっており京急全線、浅草線全線、京成本線、成田スカイアクセス線で運用されているため幅広い活躍を見ることができる。

本形式、新1000形は書類上1000形 (2代目)と登録されているが、登場当時旧1000形と重複しているため新1000形N1000形と呼ばれた。旧1000形が引退した現在では、1000形新1000形などで当形式を指す場合が多い。なおN1000形呼称は名古屋市営地下鉄N1000形が登場したため名称として採用されなくなった。

1〜5次車がアルミ製車体の通称アルミ車、6次車以降がステンレス製車体の通称ステンレス車である。


アルミ車[編集]

アルミ製車体のためアルミ車と呼ばれる1〜5次車。

2100形と同様にシーメンス等の海外製品を採用し、車両性能と居住性の向上を図りつつ、コスト低減も実現をテーマに製造された。

車内は扉間がロングシート、車端部に補助イス付きのクロスシートでセミクロスシートとなっている。

機器類[編集]

歌わなくなってしまった1033-

導入当初はシーメンス製のGTO-VVVFとIGBT-VVVFが採用され、シーメンスGTO-VVFは音階を奏でる事から「歌う電車」と呼ばれシーメンスIGBT-VVVFは非常に高音を出す事から「叫ぶ電車」などととよばれていた。しかし装置がブラックボックスで修理時に海外に搬出しなければいけず費用面や場合によっては長期離脱のリスクがある事から徐々に東芝/三菱IGBT-VVVFに換装された。

最後のシーメンスGTO- VVVFは1033-で公式から記念切符やグッツが販売、貸切列車が運転され2022年に消滅。シーメンスIGBE-VVVFは1057-(イエローハッピートレイン)であったがシーメンスGTO-VVVFに対して何もイベントは無いまま2023年に消滅した。

また2017年2月に更新を受けた1001編成であるが8両編成で唯一三菱製sic-VVVFへ換装。その影響で品川から先、都営浅草線に直通出来ない自社線内専用車両となった。そんな1001編成であるが6年後の2023年7月31日には泉岳寺へ、8月4日以降は再び浅草線方面への直通運用にも復帰した。


前面、側面共に外表示機がフルカラーLEDである。また側面の表示機は1500形と同等の細型を採用している。

性能[編集]

京急1000形(アルミ車)仕様
各項目 仕様
製造初年 2002年2月
定員 122人(先頭車)、130人(中間車)
自重 33.0t(Muc、Msc、Muc1、Msc1)、32.0t(Muc、Msc、M1uc1、Msc1)、31.0t(Mu、Ms)、30.0t(M1u、M1s)、27.0t(Tpu、Tps、Tp)、26.5t(Tpu1、Tps1)、24.0t(T)、23.0t(Tu、Ts)
最大寸法(長さ×幅×屋根高さ) 18,000×2,830×3,645mm
主電動機 190kw(三相誘導電動機)
制御装置 VVVF(1C-8M制御)
ブレーキ装置 応荷重装置付き回生ブレーキ併用・全電気指令電磁直通ブレーキ
冷房装置 46.5kW
性能 最高速度130km/h、加速度0.97m/s2、減速度1.11m/s2(常用)

引用元 https://www.keikyu.co.jp/ride/train/


ステンレス車[編集]

1105-

京急初のステンレス車体を採用。

先頭部は普通鋼に赤色の塗装をして従来のスタイルを残した。なお側面の初期車は写真の様な赤のみカラーフィルム貼り付けで京急の赤い電車のイメージを表現した。しかしご意見が殺到。そのため1801-からは全フィルムに変更された。車内は車端部含めオールロングシート。そのため車端部ボックスシート目的の乗客などからハズレ列車とされている。また、主要機器はアルミ製車体と違って製造当初から東芝/三菱製VVVFを採用し、2012年度新造車からLED照明を採用している。

6次車から現在まで17年間製造されている系統のため次車ごとに解説していく。

6次車〜14次車[編集]

所謂「銀千」と呼ばれる車両として2007年3月1073-の製造を皮切りにステンレス車の製造が開始された。

8両のみならず2008年に4両、2011年には6両編成が増備され旧1000形や2000形、800形を置き換えを行った。

アルミ車はシーメンス製インバーターを採用したのに対しこちらは国内の三菱(8両)・東洋(4両)製IGBT-VVVFインバーターを採用。台車はアルミ車と同様のTH2100を採用した。

15次車[編集]

2015年に製造された15次車には異端車が多い。

  • 1367-

1367-ではPMSMが採用された。京急でPMSMを採用した車両は当編成のみで異彩を放っている。

  • 1800番台

後に製造される1890番台の原型とも言える1800番台は4連3本のみ製造された。

1000形や600形から脈々と受け継がれて来たマルーンフェイスを使用せず中央に貫通・非常扉となっており幌を装着出来る使用となっており通り抜けが可能である。これは旧1000形も行っていた4+4での直通運転に対応するための設計ではあり実際に2016年に数回乗り入れしているものの現在では乗り入れてはおらず3本のみのグループとなった。

また当番台よりフルラッピングが復活した。

Prize blueribbon 2023.jpg 2022年ブルーリボン賞受賞車両

21次車[編集]

2021年〜2022年に製造された「Le Ciel」(ルシエル)こと1890番台が22次車に当たる。

1890番台では1800番台の発展版として登場。京急初のデュアルシートトイレを採用。また2M2Tと言う従来と異なる構成で斬新な設計である。

ウイング運用やイベントにも対応した車両となっている。

22次車[編集]

2023年後期から製造された。22次車では1500形の車番を踏襲している。

  • 15011-

15011-は6両。置き換え車両は1561-

  • 17011-

17011-は8両。置き換え車両は1521-・1525-

性能[編集]

京急1000形(ステンレス車)仕様
各項目 仕様
製造初年 2007年3月
定員 119人(先頭車)、130人(中間車)
自重 33.5t(M2uc、M2sc)、32.5t(M1u、M1s)、32.0t(M1u')28.5t(M2s)、24.5t(Tu、Ts)
最大寸法(長さ×幅×屋根高さ) 18,000×2,791.8×3,645mm
主電動機 155kw(三相誘導電動機)
制御装置 VVVF(1C-4M2群制御)
ブレーキ装置 応荷重装置付き回生ブレーキ併用・全電気指令電磁直通ブレーキ
冷房装置 46.5kW
性能 最高速度130km/h、加速度0.97m/s2、減速度1.11m/s2(常用)
京急1000形(1800番台)仕様
各項目 仕様
製造初年 2016年2月
定員 117人(先頭車)、129人(中間車)
自重 35.0t(M2uc1、M2sc1)、33.0t(M1u1、M1s1)
最大寸法(長さ×幅×屋根高さ) 18,000×2,791.8×3,630mm
主電動機 155kw(三相誘導電動機)
制御装置 VVVF(1C-4M2群制御)
ブレーキ装置 応荷重装置付き回生ブレーキ併用・全電気指令電磁直通ブレーキ
冷房装置 46.5kW
性能 最高速度130km/h、加速度0.97m/s2、減速度1.11m/s2(常用)
京急1000形(1890番台)仕様
各項目 仕様
製造初年 2021年3月
定員 101人(先頭車)、107人(2号車)、111人(3号車)
自重 34.5t(Muc2、Msc2)、30.5t(Tuv2)、33.0t(Tpsv2)
最大寸法(長さ×幅×屋根高さ) 18,000×2,836.2×3,620mm
主電動機 190kw(三相誘導電動機)
制御装置 VVVF(1C-4M2群制御)
ブレーキ装置 応荷重装置付き回生ブレーキ併用・全電気指令電磁直通ブレーキ
冷房装置 46.5kW
性能 最高速度130km/h、加速度0.97m/s2、減速度1.11m/s2(常用)

引用元 https://www.keikyu.co.jp/ride/train/

機器類[編集]

制御装置は三菱/東芝のVVVFを使用している。


更新工事[編集]

新1000形も登場からすでに22年以上が経過しており、更新時期を迎えリニューアルを行った車両や新造車両など、さまざまな箇所にバリエーションが多くなっている。

  • 1405編成及び1417編成〜1445編成、1041編成~1065編成に対しては簡易更新工事が施されている。これは更新工事のメニューから一部メニューを除いた工事である。
  • 各ドア上部の車内案内表示器はLEDスクロール表示式からLCD式に交換
  • 各ドア上部にドア開閉案内表示灯を設置
  • 前照灯などの各種灯具類のLED式への交換
  • 4両編成の3号車は電装解除

が行われている。

今後[編集]

Achtung.png以下の内容は投稿者の予想や憶測を含みます。
確定事項ではありません。参考程度にご覧下さい。

京急1500形の置き換えも本系列で行われる事が発表された。本系列も製造から22年経過した今でも投入されているため本系列の初期車を本系列で置き換えるという、0系新幹線や10-300形の様な状態になる可能性がある。

なお600形の方が8年早く製造されたため車両の状態によって置き換え順が変化すると予想される。

憶測はここまで


車両番号[編集]

車両組成、車両編成は京急1000形の編成一覧を参照。

1000番台から1200番台までと1700番台が8両編成、1300番台と1600番台および1500番台が6両編成、1400番台と1800番台が4両編成。車両番号にT,M,Tc,Mcの区別は入っていない。

19次車以前の車両番号は、一つの編成内で連続した番号を使用している。一方20次車以降は、4桁の番号を編成番号として使用し、各車両は1891-1, 1891-2といった具合にハイフンつきで付番している。

8両編成[編集]

  • 1001-1024 : 1次車
  • 1025-1040 : 2次車
  • 1041-1056 : 3次車
  • 1057-1064 : 4次車
  • 1065-1072 : 5次車
  • 1073-1080 : 6次車
  • 1081-1096 : 7次車
  • 1097-1120 : 8次車
  • 1121-1144 : 10次車
  • 1145-1152 : 11次車
  • 1153-1160 : 12次車
  • 1161-1168 : 13次車
  • 1169-1176 : 14次車
  • 1177-1192 : 16次車
  • 1201-1224 : 17次車
  • 1225-1232 : 19次車
  • 1701 : 21次車。1編成で一つの番号を使用し、各車両は1701-1, 1701-2...の方法で付番されている。

6両編成、15次車以前[編集]

  • 1301-1318 : 11次車
  • 1319-1330 : 12次車
  • 1331-1342 : 13次車
  • 1343-1360 : 14次車
  • 1361-1372 : 15次車

4両編成、10次車以前[編集]

  • 1401-1408 : 1次車
  • 1409-1416 : 2次車
  • 1417-1424 : 3次車
  • 1425-1440 : 4次車
  • 1441-1448 : 5次車
  • 1449-1456 : 8次車
  • 1457-1488 : 9次車
  • 1489-1492 : 10次車

6両編成、16次車以降[編集]

  • 1601-1612 : 16次車
  • 1613-1624 : 17次車
  • 1625-1666 : 18次車
  • 1667-1672 : 19次車
  • 1501 : 21次車。1編成で一つの番号を使用し、各車両は1501-1, 1501-2...の方法で付番されている。

4両編成、15次車以降[編集]

  • 1801-1808 : 15次車
  • 1809-1812 : 16次車
  • 1891-1892 : 20次車。1編成で一つの番号を使用し、各車両は1891-1, 1891-2...の方法で付番されている。
  • 1893-1895 : 21次車。1編成で一つの番号を使用し、各車両は1893-1, 1893-2...の方法で付番されている。

ギャラリー[編集]

近い世代の車両[編集]

関連項目[編集]