静岡車両区
静岡車両区 | |
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配置車両の一つ、313系 | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 静岡県静岡市葵区 |
鉄道事業者 | 東海旅客鉄道 |
帰属組織 | 静岡支社 |
所属略号 | 静シス |
最寄駅 | 東静岡駅 |
管轄車両 | 211系 313系 373系 |
旧称 | 静岡運転所 |
開設 | 1961年(昭和36年) |
配置両数 | |
電車 | 286両 |
合計 | 286両 |
静岡車両区とは、静岡県静岡市葵区にある東海旅客鉄道(JR東海)静岡支社の車両基地である。
東海道線・東海道新幹線の静岡駅と東海道線の東静岡駅の間に位置し、東静岡駅からは構内を見ることができる。
概要[編集]
静岡県内を走るJR(在来線)の多くの車両が配属されている静岡車両区。2024年現在では主に普通運用で使用される「211系」・「313系」「315系」と特急運用にも使用される「373系」が配属されている。
静岡車両区の車両は静岡支社が管轄する「東海道線(熱海 - 豊橋間)」・「身延線」・「御殿場線」と特急運用で使われる「飯田線(豊橋 - 飯田)」の4路線で使用される。2022年度末に転属してきた「313系8000番台(元セントラルライナー用・シンB200編成)」と「313系3000・3100番台」、「373系」を除く所属車両はオールロングシートである。そのため静岡ロングシート地獄と揶揄されることもあり、18きっぱーにとっては難所の一つである。
略号は「静シス」(静岡支社静岡車両区)。1987年7月頃までは「海シス」(JR東海静岡運転所)だったが、地元の漁協関係者が「海シス→海が死すでは縁起が悪い!」と苦情が相次いだため、民営化後3ヶ月で静シスへ変更された。
歴史[編集]
- 1961年(昭和36年)10月1日 - 日本国有鉄道の静岡運転所が開設される。
- 1986年(昭和61年)
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR東海に継承。
- 1988年(昭和63年)3月13日 - 豊橋運転区配置の飯田線用車両が移管される。
- 1989年(平成元年)
- 3月11日 - 急行「東海」用165系が移管される。
- 7月 - 211系5000番台が新製配置。
- 1990年(平成2年)3月 - 御殿場線用として211系6000番台が新製配置。
- 1991年(平成3年)3月 - 特急「あさぎり」用として371系が新製配置。
- 1995年(平成7年)10月 - 373系が投入され、翌年3月までに165系を置き換え。
- 1999年(平成11年)3月 - 313系3000番台が新製配置。
- 2000年(平成12年)12月4日 - 静岡運転所が静岡車両区(車両基地)と静岡運輸区(乗務員基地、静岡車掌区と統合)に分割される[1]。
- 2002年(平成14年)3月 - 119系が大垣車両区に移管される。
- 2006年(平成18年)
- 2015年(平成27年)3月 - 371系が車籍抹消・廃車となる(うち3両は富士急行に転属)。
- 2022年(令和4年)3月12日 - 神領車両区から元セントラルライナーの313系8000番台が転属。
- 2024年(令和6年)6月 1日 - 静岡車両区に配置された315系が営業運転を開始。
配属車両(現在)[編集]
略号「シス」は省略する。
- 3両編成14本(F1 - F14)の42両が所属している。
詳細は「211系の編成一覧」を参照
- 5000番台3両編成16本(LL1・LL4・LL6 - LL9・LL11 - LL20)、5600番台3両編成11本(SS1 - SS11)、6000番台2両編成9本(GG1 - GG9)の99両が所属している。
詳細は「313系の編成一覧」を参照
- 3000番台2両編成12本(V1 - V12)、3100番台2両編成2本(V13・V14)、2300番台2両編成7本(W3 - W9)、2350番台2両編成2本(W1・W2)、2500番台3両編成17本(T1 - T17)、2600番台3両編成10本(N1 - N10)、8000番台3両編成6本(S1 - S6)の145両が所属している。
- このうち、3000・3100番台はセミクロスシート、8000番台は373系と同様のシートピッチの転換クロスシート。それ以外はオールロングシートである。
- 2500番台と8000番台のみは回生失効に対応した発電ブレーキを持たない。
- 2両編成…V編成は主に身延線(全線)・御殿場線(全線)で運用され、W編成は東海道線(熱海 - 豊橋)・身延線(全線)・御殿場線(全線)で運用される。
- 3両編成ロング…T編成は東海道線(熱海 - 豊橋)・身延線(富士 - 西富士宮)・御殿場線(御殿場 - 沼津)で運用される。N編成は東海道線(熱海 - 豊橋)・身延線(全線)・御殿場線(全線)で運用。
- 3両編成転クロ…S編成は主に東海道線(熱海 - 豊橋)のみで運用される。なお、予備編成がないためLL編成と共通運用が組まれている。
- なお、T編成・S編成はN編成の代走として身延線(西富士宮以北)・御殿場線(御殿場以東・国府津方面)に入線することがある。
今のところ3000番台4両編成(U1 - U4)の計16両が所属している。なお、U5-U6についても、日本車両を出場し、静岡に回送されてきているので、まもなくすると 2編成ぶん増備される予定。オールロングシートである。 現在は東海道線(静岡地区)のみの運用だが、将来的には、御殿場線や身延線などへの投入も計画されている。
配属車両(過去)[編集]
略号「シス」は省略する。
電車[編集]
- 牽引車の後、飯田線で使用されていた。
- 2002年に国土交通省のブレーキ基準に合わなくなったことから廃車された。
- 牽引車として所属していた。
- 1984年に廃車。
- クモハユニ64形(クモハユニ64000)
- 元は牽引車として所属していたが、後に飯田線で営業運転を行っていた。
- 1983年頃まで使用されていた。
- 「湘南電車」の相性で親しまれており、東海道線のローカル運用を行っていた
- 身延線の急行「富士川」には80系のみが使用されていた。
- 1979年に最後の波動用編成が廃車された。
- 身延線の急行「富士川」には80系のみが使用されていた。
- 先述の「クモハユニ64000」や「クモハ12形」の代替車両としてクモヤ90が1978年と1984年に転属。
- 1994年に廃車された。
- 東海道線を走行していた80系の置き換え車両として1979年まで投入された。
- 1979年に小山電車区から0番台4連(モハ114は身延線を考慮し800番台)が転属してきたことが115系配置のきっかけとなる。
- その後、身延線に新型車両として「2000番台」が投入。(当初は沼津だったが、1986年に静岡へ転属)他の地区への転属を考慮し、「クハ+クハ+モハ+クモハ」(後に「クハ+クモハ+モハ+クハ」)という新性能電車らしからぬ編成で配置された。
- 2008年までに313系に置き換えられ消滅。
- その後、身延線に新型車両として「2000番台」が投入。(当初は沼津だったが、1986年に静岡へ転属)他の地区への転属を考慮し、「クハ+クハ+モハ+クモハ」(後に「クハ+クモハ+モハ+クハ」)という新性能電車らしからぬ編成で配置された。
- 「するがシャトル」用に豊橋電車区(静トヨ)から1986年に2両編成4本が転属。
- 冷房化工事を行いするがシャトル専用車両として飯田線には入らず、東海道線限定で運用されていた[注釈 3]。
- 2002年に静岡から大垣へ転属。
- 冷房化工事を行いするがシャトル専用車両として飯田線には入らず、東海道線限定で運用されていた[注釈 3]。
- 国鉄民営化直前の1987年にクモユニ147形を改造した「123系40番台」5両が配属され、翌1988年にクモヤ145系600番台を2両改造した「123系600番台」が2両配属された。
いわば国鉄の置き土産である。
- 1986年のダイヤ改正で急行「富士川」が大垣から静岡へ管轄変更されることになり、使用車両の165系4両編成×7本が転属してきた。
- 豊橋車両区の3両編成が転属してきたことを皮切りに、飯田線での165系運用や静岡 - 富士宮間の臨時快速にも順当された。
- 1990年頃までに多くが神領に転属または廃車となり、1995年に373系が登場したことにより「富士川(現ふじかわ)」・「東海」が特急格上げされたことにより1996年までにサロ1両を除き解体された。なお、このサロ1両は現在「リニア・鉄道館」で保存されている。
- 豊橋車両区の3両編成が転属してきたことを皮切りに、飯田線での165系運用や静岡 - 富士宮間の臨時快速にも順当された。
- 2022年に神領から元セントラルライナー用車両の「313系8000番台」(元シンB200、現シスS)が転属したことにより廃車。
- LL2・LL3・LL5・LL10編成が廃車・解体されている。
- 1991年に7両1編成新製配置され、 小田急線に乗り入れる特急「ふじさん」用車両として小田急20000系とともに運用についていた。
- 2012年に運用離脱。2015年に車籍が抹消され、3両が富士山麓電気鉄道(譲渡時は富士急行)に譲渡された後、8500形となり「富士山ビュー特急」で運行している[注釈 6]。
- 601が123系に改造されたと同時に転属してきたのが122である。
- 主に御殿場線・身延線の霜取り列車として運行されていたが、他の鋼鉄車両が引退したため、2008年に廃車となった。
電気機関車[編集]
- ED18(2)
- 国鉄時代飯田線で活躍後に浜松工場で入換用として使用されたのち、1991年から佐久間レールパークにて展示されていた2号機が、1992年に整備されて車籍復帰した。
- 「トロッコファミリー号」の牽引車両として活躍。他線での運用はなくもっぱら飯田線用とされた。冬季は霜取りにも使用されたことがあった。だが、2005年に致命的な故障を起こし、この故障がきっかけとなり運用から離脱する。2009年3月31日に廃車手続きが取られ、現在はリニア・鉄道館で保存されている。
- EF58(122・157)
- 122号機は1986年11月に田端機関区から転属。157号機は浜松機関区を最後に廃車され保管されていたが、1988年に整備されて車籍復帰した。
- イベント用として東海道本線を中心に運用されたが、線路基盤の弱い飯田線でも同機で運転が可能となったため、晩年は「トロッコファミリー号」の牽引車両として飯田線でも使用されていたが、「トロッコファミリー号」の運転本数減少や機関車自体の老朽化により、2006年に122号機が休車、2008年3月に157号機が廃車となった。122号機は2009年1月に解体されたが、157号機は浜松工場での保管後、可能な限りの原型に復元工事が施され、現在はリニア・鉄道館で保存されている。
- EF64(2・35・66)
- 民営化直前に稲沢第二機関区から名古屋南運転区に転属。中央本線の波動輸送用として国鉄からJR東海に継承された。電気機関車の配置区の一元化により1988年3月に3両全車が転入した。
- 中央本線の波動輸送用のほか、ユーロライナーの牽引車としても活躍していた。
- ユーロライナー廃車後は工事用臨時列車のほか、霜取り運用にも使用されていた。なお、66は一般色の2号機とともに工事用臨時列車を牽引していたが、2008年4月25日に除籍された。35は名古屋車両区に常駐していたが、2009年1月16日に廃車され、「ユーロライナー」専用機は消滅した。最後まで残った2号機も2009年1月21日に廃車となり、JR東海から消滅となった。
- 中央本線の波動輸送用のほか、ユーロライナーの牽引車としても活躍していた。
- EF65(105・106・110 - 112)
- 主に東海道本線の波動輸送用として国鉄からJR東海に承継。電気機関車の配置区の一元化により1988年3月に5両全車が転入した。
- 前述の通り東海道本線の波動輸送用として、会社間を越えて広範囲で活躍した。晩年は工事列車牽引用や霜取り運用としても活躍した。105・106・112号機は元「ユーロライナー」牽引機で、105号機は名古屋南運転区時代の1987年に、106・112号機は転入後に「ユーロライナー」塗装が施されている。
- 波動輸送の減少により余剰が生じ、105号機が1996年2月29日に、110号機が1998年3月31日に、106号機が2000年3月31日に、111号機が2007年3月5日に、112号機が2007年12月3日に廃車されJR東海から消滅となった。
ディーゼル機関車[編集]
- DE10(1004・1515 - 1525・1573)
- 民営化時に1004・1515 - 1525・1573号機の13両がJR東海に承継され、当所の配置となった。なお、1989年に1517・1518号機が名古屋・高山地区の入換用として美濃太田運輸区に転属した。
貨車[編集]
- 13両が配置されていおり、レール輸送用長物車として活躍した。
導入予定車両[編集]
- 211系を淘汰すべく2022年末時点で神領に集中投入されている。同様の理由でここ静岡にも投入される予定となっている。
- 投入された際は113系の全廃以来約15年ぶりに4両固定編成が復活することになる。
- 313系1300番台
- 2023年12月より神領から転属開始。ワンマン非対応で登場した旧・B400編成だが、ワンマン化改造が進んでいる。編成番号はL編成。
- 2024年3月改正にて検討されている身延線2両編成の全列車ワンマン化を見据えたものと思われる。