東急5000系電車 (2代)

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曳舟駅にて

東急5000系電車(2代目)とは、東急電鉄2002年から製造開始した直流電車である。

概要[編集]

現存車両の新車のコストが高騰し、改修や軽量化を図るのが困難と判断されたため、本系列が誕生した。コストダウンの一環としてE231系の車体を共存設計とし、東急車輛にて製造された。コンセプトは「人と環境にやさしい車両」として、段差を減らしたりするバリアフリー対策、騒音機器の低減がなされた。 2017年ごろに製造された、6ドア車の代替となる車両は、当時計画中だった2020系の車内を試作しており、他の5000系の車内とは大きく異なる。2020系の車内は、この車両をベースにしているが、5000系増備編成の端の座席についていたヘッドレストは「ヘッドレストに化粧品が付きやすい」という理由で、後の2020系には反映されなかった。

走行機器[編集]

IGBT素子のVVVFインバーター制御。 5000系・5050系では日立製のものが、5080系では、注入促進ゲートトランスシスタ(IEGT素子)を使用した東芝製のVVVFインバーター制御が採用されている。

区分別[編集]

5000系[編集]

当初田園都市線用に投入されたが、東横線副都心線との相互直通運転開始時に旧型車を置き換える際、当時財政状況の厳しかった東急は一部車両を田園都市線から投入先を変更することで対応した。現在は10両編成18本が田園都市線系統で、8両編成4本が東横線継投で運用されている。

10両編成[編集]

田園都市線系統で運用。ライトグリーンの帯が入っている。当系列で唯一6扉車が連結されていた(2005年 - 2017年)。なお、このときに東急電鉄はお家芸の組み換えを多数実施したため、当系列の沼要素が深まる原因となった。

寒色系の内装であり、一部ファンからは「男子トイレ」と称される場合がある。なお、当系列には他区分も含めトイレ付であったことはない。

8両編成[編集]

東横線系統で使用。赤と桜色の帯が入っている。当初は田園都市線系統で6扉車込みの10両編成で製造されていたが、投入先変更に伴い組み換えおよび6扉車の他編成への供出を経て東横線に投入された。なお、5021Fのみ10両編成で田園都市線系統で運用された実績がある。

5050系[編集]

8両編成と10両編成が存在し、10両編成には区別のため4000番台が付番されている。 ともに東横線系統で使用され、後述のラッピング車を除き赤と桜色の帯が入っている。 4000番台のうち4101F~4111Fは東横線と副都心線の直通運転開始に伴い製造されたため、8両編成よりも新しい。なお、車両都合から8両編成に短縮されて運転された実績もある。

Shibuya Hikarie号[編集]

渋谷ヒカリエ開業一周年を記念し、4110Fにゴールド基調のラッピングを施している。 なお、4110Fのみ車体幅が異なり、田園都市線など東急他路線への乗り入れも可能となっている。

Qシートの組み込み[編集]

東横線でも着席サービス「Qシート」を開始するにあたり、既存8両編成の一部に濃い赤のQシート用中間車2両を組み込み10両化された(この際4000番台への会版も実施されている)。現在の4112F - 4115Fが該当する。

5080系[編集]

目黒線系統向けで、赤との帯が入っている。当初6両編成で製造されたのち、2022年相鉄との直通運転に向け中間車が増備され(一部は大井町線でのQシート車組み込みに伴う6000系の余剰中間車)、8両編成となった。現在はすべて8両編成で使用されている。


運用区間[編集]

田園都市線系統[編集]

東急線
  • 東急田園都市線(全線)
他社線

東横線系統[編集]

東急線
他社線

目黒線系統[編集]

東急線
  • 東急目黒線(全線)
  • 東急新横浜線(全線)
他社線


配置[編集]

編成単位では2020年の時点で、

  • 田園都市線(長津田検車区)には10連18本(オール5000系)
  • 東横線(元住吉検車区)には5000系8連4本(5118F・5119F・5121F・5122F)、5050系8連21本、同4000番台10連15本(4101F - 4115F)
  • 目黒線(元住吉検車区)には8連10本(オール5080系)

計582両が配置される。 これに加え5000系を直接のベースにした横浜高速鉄道Y500系8連6本が管理受託扱いで元住吉検車区に所属している。

2022年までは、目黒線車両がすべて6連となっていた。 また、5050系、5080系に於いては、2023年以降、相鉄線直通列車にも使用されている。

廃車[編集]

2014年の元住吉駅の事故で5155Fを失った。

これによりY500系も1本事故廃車となり5156Fが代替で横浜高速鉄道に譲渡され、Y507Fとなった(但し引き続き元住吉検車区に所属しており、運用も変更はない)。ちなみに、Y507Fは、他のY500系が表示器を更新する2024年初頭まではY500系の中で唯一のフルカラーLED表示機塔載編成となっていた。

これとは別に、5000系に当初組み込まれた6ドア車が、先述の通りホームドアに合わないため2017年までに役目を終え、車齢6 - 12年前後で4ドアサハに代替廃車されている。台車やドアなどの発生品は代替新造の4ドアサハ車や7000系後期型などに流用されている。

近い世代の車両[編集]