近鉄南大阪線

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近畿日本鉄道
F 南大阪線
基本情報
日本国旗.png日本
所在地大阪府奈良県
起点大阪阿部野橋駅
終点橿原神宮前駅
駅数28駅
路線記号F
開業1898年3月24日
全通1929年3月29日
所有者近畿日本鉄道
運営者近畿日本鉄道
車両基地古市検車区、同区天美車庫
使用車両車両の節を参照
路線諸元
路線距離39.7 km
軌間1,067 mm狭軌
線路数複線
電化方式直流1,500 V 架空電車線方式
閉塞方式自動閉塞式
保安装置近鉄型ATSATS-SP
最高速度110 km/h

南大阪線(みなみおおさかせん)は、近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線駅ナンバリングなどに使われる路線記号はF。ラインカラーは緑である。

概要[編集]

軌間・地理・運行形態のあらゆる側面で他の路線から離れて、路線図の左下でひっそりと「南大阪線系統」を形成している路線群の中心。それが南大阪線である。

他の近鉄線と比較しても明らかに準急列車の設定が多く、大阪阿部野橋駅には急行の3倍の数の準急が発着するなど、大阪阿部野橋駅 - 古市駅間では準急が主力速達種別となっている[1]。途中駅で乗降客数が最も多いクラスにある藤井寺駅河内松原駅の両駅を急行が通過し、代わりに準急を頻繁に運転させるダイヤが組まれているが、これは大阪阿部野橋駅から比較的近く、かつ乗降客数の多い駅の利便性を向上させることよりも、むしろ急行を中長距離の乗客の輸送に特化させて乗客の遠近分離を図った方が、ターミナルを離れるにつれ急激に利用客が減少する沿線事情に適しているという理由である。こうした停車駅パターンは大阪線でも見られる。なお、以下の動画によると、この路線は準急の運転本数が日本最多であるようだ。

駅一覧[編集]

  • 停車駅
    • 普通:各駅に停車(表中省略)
    • 準急・区間急行・急行…●:停車、|:通過
    • 特急は大阪阿部野橋、尺土、高田市、橿原神宮前に全列車、古市に一部が停車。「近鉄特急」も参照
  • #印の駅は列車待避可能駅
駅番号 駅名 駅間
キロ
営業
キロ
準急 区間急行 急行 接続路線 所在地
F01 大阪阿部野橋駅 - 0.0 西日本旅客鉄道:O 大阪環状線 (JR-O01)・Q 関西本線大和路線)(JR-Q20)・R 阪和線 (JR-R20)…天王寺駅
大阪市高速電気軌道:M 御堂筋線 (M23)・T 谷町線 (T27)…天王寺駅
阪堺電気軌道:HN 上町線天王寺駅前駅 (HN 01)
大阪府 大阪市 阿倍野区
F02 河堀口駅 1.0 1.0  
F03 北田辺駅 1.1 2.1   東住吉区
F04 今川駅# 0.6 2.7  
F05 針中野駅
長居公園 植物園前)
1.1 3.8  
F06 矢田駅 1.3 5.1  
F07 河内天美駅#
阪南大学前)
2.2 7.3   松原市
F08 布忍駅 1.0 8.3  
F09 高見ノ里駅 0.8 9.1  
F10 河内松原駅# 0.9 10.0  
F11 恵我ノ荘駅 1.6 11.6   羽曳野市
F12 高鷲駅 1.0 12.6  
F13 藤井寺駅# 1.1 13.7   藤井寺市
F14 土師ノ里駅 1.9 15.6  
F15 道明寺駅 0.7 16.3 近畿日本鉄道:N 道明寺線 (N15)
F16 古市駅# 2.0 18.3 近畿日本鉄道:O 長野線 (O16) 羽曳野市
F17 駒ヶ谷駅 1.7 20.0  
F18 上ノ太子駅 2.0 22.0  
F19 二上山駅 5.3 27.3   奈良県 香芝市
F20 二上神社口駅 1.1 28.4   葛城市
F21 当麻寺駅 2.0 30.4  
F22 磐城駅 0.7 31.1  
F23 尺土駅# 1.2 32.3 近畿日本鉄道:P 御所線 (P23)
F24 高田市駅 1.9 34.2   大和高田市
F25 浮孔駅 1.4 35.6  
F26 坊城駅 1.2 36.8   橿原市
F27 橿原神宮西口駅 1.7 38.5  
F42 橿原神宮前駅# 1.2 39.7 近畿日本鉄道:F 吉野線B 橿原線 (B42)

かつて存在した駅[編集]

  • 応神御陵前駅(藤井寺駅 - 土師ノ里駅間、1924年6月1日開業、1945年6月1日休止、1974年7月20日廃止)
  • 誉田八幡駅(道明寺駅 - 古市駅間、1911年8月15日開業[2]、1945年6月1日休止、1974年7月20日廃止)
  • (臨)屯鶴峰駅(上ノ太子駅 - 二上山駅間、1937年頃開業、1952年-1962年頃休止、1974年7月20日廃止)
  • 橿原神宮駅(橿原神宮西口駅 - 橿原神宮前駅間、1929年3月29日開業、1939年8月15日廃止)

車両[編集]

南大阪線は、吉野線を含めて勾配区間が少なくカーブが多い狭軌線区であることから、機器類も奈良線や大阪線と比較してほとんどの一般車が抑速ブレーキを持たないなど低スペックなものを使用しており、通勤型は最高速度を100km/h, 特急型も最高速度を110km/hと低めに設定している。

南大阪線系統各車両は全車が古市検車区の所属となっており、列車検査(JRでいう仕業検査)、状態・機能検査(同じく交番検査)は同所で行われるものの(列車検査は同所のほか天美車庫・六田車庫でも行われる)、重要部検査・全般検査は五位堂検修車庫で行われることになっている。入場の際には橿原神宮前駅の東側にある台車振替場で標準軌用の輸送台車に交換され、電動貨車モト90形(モト97・98)に牽引されて八木西口駅から大阪線への短絡線を経由して五位堂検修車庫へ輸送されることになっている。台車振替場で外された当該車両の本台車は輸送時にモト97・98の荷台に積まれる。

現有通勤車[編集]

2両編成・ワンマン対応
道明寺線を含めた全線で使用される。
13本が該当。当初は6432系のみがワンマン対応車であったが、吉野線のワンマン拡大により6419系も追加改造の対象となった。6432系のみ抑速ブレーキを搭載。
2両編成・非ワンマン
道明寺線以外の全線で使用。
  • 6400系・6407系・6413系・6422系
1986年に登場。20本が該当。上記の6419系・6432系と共にVVVFインバータ制御を採用している。6422系の一部は上記の6432系に改造済みである。6422系のみ抑速ブレーキを搭載。
4本のみの存在の界磁チョッパ制御車両。
南大阪線唯一のシリーズ21で、2本のみ。
3両編成
主に南大阪線の他、長野線準急や、吉野線急行に使用。
18本54両の在籍。一部は養老鉄道に転属後廃車。
5本15両が該当。
4両編成
3両編成と同様の使い方をされるが、長野線富田林以南では単独運用のみとなる。
  • 6020系
8本32両を保有。
  • 6200系
5本20両の存在。
7本28両の在籍。

現有特急車[編集]

汎用車
11400系エースカーの設計を流用。2022年現在は2連2本、4連1本が在籍し、これとは別に2連3本が大井川鐵道に譲渡されうち1本が現役。
12410系サニーカーの設計を流用。2連1本のみの希少車。
22000系ACEの設計を流用。2連2本が在籍。
22600系Aceの設計を流用。2連2本が在籍。
青の交響曲
  • 16200系
上記6200系6221Fからの改造。3連1本のみ。
さくらライナー
白ベースにピンクのアクセントが特徴。4連2本の在籍。

運行形態[編集]

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特急
  • 運行区間:あべの橋〜橿原神宮前〜吉野口方面
  • 運行本数:毎時1本
  • その他:有料特急。
区間急行
  • 運行区間:あべの橋〜橿原神宮前〜壼阪山方面
  • 運行本数:毎時2本
  • その他:大阪と奈良県南部を結ぶ役割を主に担っている。

脚注[編集]

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注釈[編集]

出典[編集]

  1. 大阪阿部野橋駅 時刻表 - 近畿日本鉄道、2018年3月17日変更時点
  2. 鉄道省『鉄道停車場一覧』鉄道教育会、1926年、p.286(国立国会図書館デジタルコレクション)

関連項目[編集]

歴史[編集]

詳細は「近鉄南大阪線の歴史」を参照

近畿日本鉄道 (近鉄) の路線
第1種鉄道事業
標準軌(1,435mm) A 奈良線* | A 難波線* | G 生駒線
B 京都線*
| B 橿原線* | H 天理線 | I 田原本線
C けいはんな線ゆめはんな
D 大阪線*
| J 信貴線
E 名古屋線*
| K 湯の山線 | L 鈴鹿線
M 山田線*
| M 鳥羽線* | M 志摩線*
狭軌 (1,067mm) F 南大阪線* | F 吉野線* | N 道明寺線 | O 長野線 | P 御所線
鋼索鉄道 Y 生駒鋼索線 | Z 西信貴鋼索線
索道事業 葛城索道線
譲渡・運営移管 北勢線(三岐鉄道) - 内部線 - 八王子線(四日市あすなろう鉄道) - 伊賀線(伊賀鉄道) - 養老線(養老鉄道)
南海本線 - 高野線 - 高師浜線 - 多奈川線 - 加太線 - 天王寺支線 - 北島支線 - 大浜支線 - 阪堺線 - 上町線 - 平野線(南海電気鉄道)
廃止 法隆寺線 - 小房線 - 伊勢線 - 東信貴鋼索線
未成線 四条畷線 - 岐阜線 - 五条線
関連路線 長谷線 - 山上線 - 信貴生駒電鉄 - 中勢鉄道 - 三重電気鉄道松阪線 - 三重交通神都線
*印は特急列車運行線区、印は区間によっては軌道・第2種鉄道事業(奈良生駒高速鉄道が第3種)