お手洗いはついておりません。ご了承ください。

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お手洗いはついておりません。ご了承ください。」とは、JR東海東海道線静岡地区にて聞くことができる、絶望に等しい放送文である。

概要[編集]

東海道線静岡地区内完結の普通列車には、基本的に211系5000番台313系 (2500・2600・2300・2350・3000・3100・8000番台)が使用されている。このうち、313系は全車両にトイレ(列車便所)があるが、211系には全車両にトイレが設置されていない。

このため、211系はトイレ付きの313系と連結して走ることが多いが、静岡車両区の車両数の内訳は313系よりも211系の数が多いため、どうしても211系単独や211系同士の連結という運用が発生してしまう。その際に聞けるのがこの放送文である。

なお、SS編成は落成当時はトイレが設置されていたものの、中央西線の利用者から「トイレを設置して欲しい」という強い要望があったことにより、クハ210をトイレ付きの5300番台から神領で余剰となった元4両編成のクハに差し替えるということをしている。

かつては名古屋地区でも211系単独の3両編成や、2本併結の6両編成にて同様の放送を聞くことができたが、中央西線における2022年3月のダイヤ改正の8連統一と岐阜直通廃止により聞くことができなくなった[注 1]。また飯田線でも119系の単行車であるM編成単独または重連で運転される列車で聞けることがあった。ついでに、2024年3月までは身延線の5両編成の列車でも聞くことができたが、これも4両化で解消した。頻度で言えば中央線や静岡地区に比べれば少なかったが........

なぜトイレがないのか?[編集]

それではなぜ211系にトイレがないのかだが、これは211系製造当時のJR東海の方針で、「混雑対策のため定員数を増やすこと」、「列車内トイレの維持コストを削減するため」という理由が主である。また、静岡地区は短距離利用者が多く実際にはトイレがなくても困らないとされており、それも理由の一つであると考えられる。

実際、東海道線静岡地区の最混雑率は上りの安倍川駅静岡駅で91%であり、ほぼ100%に近い。

特にヤバい長距離運用[編集]

静岡地区をトイレなしで走る長距離運用は2022年3月に313系8000番台が静岡車両区に転属し、211系 (LL編成) の運用を置き換えてから減少傾向にあるが、その中でも未だに静岡地区をトイレなしで横断する列車が存在する。熱海発豊橋行きの475Mはその代表的な例であろう。

この列車は熱海駅を16時58分に出発し、終点の豊橋駅には20時23分の到着。実に所要時間は3時間25分である。なのにも関わらず、充当される車両は211系5000番台を2本、または211系と313系を併結した6両編成である。211系同士の併結が充てられた場合当然トイレはない。ついでに、長時間停車は浜松駅の18分が最長で、ここではトイレを使うのに十分な時間が確保されているが、それ以外では沼津駅の4分や静岡駅の3分くらいで、駅のトイレを借りる時間があるかどうかは極めて微妙である。この列車を全区間乗り通す際はあらかじめ熱海駅でトイレを済ませておくか、浜松駅で必ずトイレを借りることを強く推奨する。

今後[編集]

しかし、東海道線静岡地区では2024年度に既に関西本線・中央西線で運用されている315系3000番台を投入して211系を置き換える方針であるため、この放送が聞けるのも残りわずかである。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. トイレのない211系3両編成のみでは8両編成を組むことができないため。東海道本線名古屋以東に至っては2012年までに211系自体が大垣を去ったため聞けなくなった。

出典[編集]

関連項目[編集]