百地章
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百地 章(ももち あきら、1946年 - )は、憲法学者。日本大学名誉教授。国士舘大学特任教授。元・愛媛大学法文学部教授。
経歴[編集]
静岡県周智郡森町生まれ。1965年静岡県立浜松北高等学校卒業。1969年静岡大学人文学部卒業。1971年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。1971年愛媛大学法文学部助手、1974年講師、1977年助教授、1985年教授[1]。1993年「憲法と政教分離」で法学博士(京都大学)[2]。1994年日本大学法学部教授。2009年国士舘大学大学院客員教授。2012年日本大学法学部比較法研究所長(2013年)。2016年日本大学を定年退職[1]。2017年日本大学名誉教授、国士舘大学特任教授[3]。
人物[編集]
- 「生長の家」の学生運動出身者[4][5]。生長の家高校生連盟(生高連)、生長の家学生会全国総連合(生学連)[6]、全国学生自治体連絡協議会(全国学協)の活動家[7][8]。1969年11月の全日本学生文化会議の結成大会の大会実行委員長[9]。椛島有三、衛藤晟一、高橋史朗、伊藤哲夫、松村俊明、宮崎正治らとともに1970年11月に結成された日本青年協議会(日青協)の中心メンバーとなった[10]。1975年3月に日青協の専門局の一つとして結成された日本文化研究所の所長となった[11]。2001年時点で日本文化研究所所長[12]。2002年に結成された谷口雅春先生を学ぶ会(代表・中島省治)の機関誌『谷口雅春先生を学ぶ』の編集人[13]。
- 日本を守る国民会議役員[14]。日本会議新憲法研究会メンバー[15]。2007年時点で日本会議常任理事[16]。2016年時点で日本会議政策委員[17]。かつて「生長の家」で学生運動をしていた高橋史朗、伊藤哲夫も日本会議政策委員である[4]。2018年時点で日本会議常任理事・政策委員[18]。2020年7月時点で日本会議政策委員長[19]。
- 「二十一世紀の日本と憲法」有識者懇談会(民間憲法臨調)事務局長(2001年~)[1]・運営委員[20]。産経新聞「正論」欄執筆メンバー(2005年〜)。産経新聞社「国民の憲法」起草委員会起草委員(2012〜2013年)。国家基本問題研究所理事(2013年〜)。美しい日本の憲法をつくる国民の会幹事長(2014年〜)[1]。神道政治連盟政策委員[21]。明治の日推進協議会代表委員[22]。安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会発起人[23]。「朝日・グレンデール訴訟」を支援する会代表[24]。
- 民主党の旧民社党系の議員がなどがつくる改憲団体「創憲会議」が2005年に発表した「『創憲』を考えるための提言」は、政策研究フォーラムの加藤秀治郎東洋大教授、西修駒沢大教授、百地章日本大教授らの学者グループの作成した原案をほぼ踏襲したものである[25]。
- 菅義偉官房長官は2015年6月10日の衆院平和安全法制特別委員会で、安保法案を「合憲」と判断する憲法学者として、百地章日大教授、西修駒沢大名誉教授、長尾一紘中央大名誉教授の名前を挙げた。3人は日本会議のフロント団体であるとされる「民間憲法臨調」と「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の役員であり[26][27]、日本会議の中心メンバーであるとされる[27]。そうした点を指摘した菅野完『日本会議の研究』について、百地は「あんなものはトンデモ本ですよ。許せないのは、匿名証言だけを積み上げて話を捏造していることです。『つくる国民の会』も日本会議のフロント団体と書いているが、完全に別組織ですからね。不愉快すぎて、あの本については話したくない。何をいってもあの著者の利益になるだけですから」と述べている[28]。2018年に西と百地は第34回正論大賞をダブル受賞した[29][30]。
- 明成社が編集・発行した『女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』(2014年)、『まんが 女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』(2015年)の監修者。「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が2016年に制作した映画『「世界は変わった 日本の憲法は?」~憲法改正の国民的議論を~』(制作総指揮:百田尚樹)は櫻井よしこと百地章が監修者。
著書[編集]
単著[編集]
- 『憲法と政教分離』(成文堂[愛媛大学法学会叢書]、1991年)
- 『政教分離とは何か――争点の解明』(成文堂[成文堂選書]、1997年)
- 『靖国と憲法』(成文堂[成文堂選書]、2003年)
- 『伊勢神宮と公民宗教』(伊勢神宮崇敬会[伊勢神宮崇敬会叢書]、2005年)
- 『憲法の常識 常識の憲法』(文藝春秋[文春新書]、2005年)
- 『「人権擁護法」と言論の危機――表現の自由と自由社会を守れ!』(明成社、2008年)
- 『外国人の参政権問題Q&A――地方参政権付与も憲法違反』(明成社、2009年、改訂版2010年)
- 『憲法と日本の再生』(成文堂[成文堂選書]、2009年)
- 『緊急事態条項Q&A――いのちと暮らしを守るために』(明成社、2016年)
- 増補改訂版『緊急事態条項Q&A――新型コロナウイルス対応でわかった日本国憲法の非常識』(明成社、2020年)
- 『これだけは知っておきたい「憲法9条と自衛隊明記」Q&A――神学論争に今こそ終止符を!』(明成社、2018年)
- 『日本国憲法 八つの欠陥』(育鵬社、発売:扶桑社[扶桑社新書]、2021年)
共著[編集]
- 『国家と宗教の間――政教分離の思想と現実』(大原康男、阪本是丸共著、日本教文社[教文選書]、1989年)
- 『天皇と日本のナショナリズム――神保・宮台(激)トーク・オン・デマンドⅣ』(神保哲生、宮台真司、横田耕一、板垣恭介、大塚英志、香山リカ、山口二郎共著、春秋社、2006年)
- 『いま、教育の大転換が始まる!――新教育基本法と教育の再生』(石井昌浩、三好祐司著、明成社[日本の息吹ブックレット]、2007年)
- 『緊急出版「女性宮家創設」ここが問題の本質だ!』(櫻井よしこ、竹田恒泰共著、日本会議編、明成社、2012年)
- 『御代替り――平成から令和へ、私たちが受け継ぐべきもの』(田尾憲男共著、明成社、2019年)
訳書[編集]
- ゲアハルト・ライプホルツ『現代民主主義の構造問題』(阿部照哉、初宿正典、平松毅共訳、木鐸社、1974年)
出典[編集]
- ↑ a b c d 「百地章教授 略歴(PDF)」『日本法學』第82巻第3号、2016年12月
- ↑ CiNii 博士論文
- ↑ プロフィール(PDF) 日本維新の会
- ↑ a b 日本会議、改憲の先に目指す社会 『親学』にじむ憲法観 朝日新聞、2016年6月17日
- ↑ (日本会議研究)憲法編:下 家族尊重、条文明記を主張 朝日新聞、2016年3月25日
- ↑ 青木理『日本会議の正体』平凡社新書、2016年、44、58頁
- ↑ 百地章「「歴代天皇を憶念する」といふこと」『祖国と青年』第30巻第8号(通巻251号)、1999年8月
- ↑ 神社本庁(日本会議)の見果てぬ夢 清洲山王宮日吉神社、2016年10月11日
- ↑ 菅野完『日本会議の研究』扶桑社新書、2016年、204頁
- ↑ 俵義文『日本会議の全貌――知られざる巨大組織の実態』花伝社、2016年、41頁
- ↑ 日本青年協議会「活動報告」『祖国と青年』第19号、1975年5月
- ↑ 菅野完『日本会議の研究』扶桑社新書、2016年、209-210頁
- ↑ 菅野完『日本会議の研究』扶桑社新書、2016年、227頁
- ↑ 青木理『日本会議の正体』平凡社新書、2016年、19頁
- ↑ 青木理『日本会議の正体』平凡社新書、2016年、145頁
- ↑ 設立10周年大会 日本会議
- ↑ 日本人の伝統取り戻す 日本会議政策委員の百地章・日大教授 日本経済新聞、2016年10月9日
- ↑ 平成30年天皇誕生日奉祝行事等 日本郷友連盟
- ↑ [要望]菅官房長官に習氏国賓来日の「中止」を要望(令和2年7月10日) 日本会議、2020年7月13日
- ↑ 山崎雅弘『日本会議 戦前回帰への情念』集英社新書、2016年、215頁
- ↑ 神社本庁(日本会議)の見果てぬ夢 清洲山王宮日吉神社、2016年10月11日
- ↑ 明治の日推進協議会役員一覧 明治の日推進協議会
- ↑ 安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会 発起人一覧 2012年安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会
- ↑ グレンデール裁判 「朝日・グレンデール訴訟」を支援する会
- ↑ 核兵器保有の余地残す/民主・旧民社系改憲案/永田町でも話題の異常突出 しんぶん赤旗、2005年2月18日
- ↑ 菅野完『日本会議の研究』扶桑社新書、2016年、202頁
- ↑ a b 俵義文『日本会議の全貌――知られざる巨大組織の実態』花伝社、2016年、8頁
- ↑ 話題書『日本会議の研究』に関係者激怒「トンデモ本ですよ」 『NEWSポストセブン』2016.05.27 07:00(週刊ポスト2016年6月3日号)
- ↑ 正論大賞に西修氏、百地章氏 新風賞に楊海英氏 産経ニュース、2018年12月3日
- ↑ 第34回正論大賞 受賞者「喜びの声」 産経ニュース、2018年12月3日