美しい日本の憲法をつくる国民の会
美しい日本の憲法をつくる国民の会は、改憲団体。通称は「国民の会」「1,000万人ネットワーク」。
概要[編集]
日本会議が改憲運動組織として2014年10月1日に設立した[1]。共同代表は櫻井よしこ(ジャーナリスト)、田久保忠衛(杏林大学名誉教授)、三好達(日本会議会長、元最高裁長官)。日本会議は運動目的(天皇崇拝と制度強化、改憲、歴史認識、教育、靖国神社など)に合わせて課題別系列組織をその都度結成しており[2]、「国民の会」以外にも改憲に関する課題別系列組織として、1995年に設置した「日本会議新憲法研究会」[3]、2001年に設立した「「二十一世紀の日本と憲法」有識者懇談会」(通称:民間憲法臨調)がある[2]。「民間憲法臨調」と「国民の会」は日本会議の「別働団体」[4]「フロント団体」[5]ともいわれるが、両団体の役員を務める百地章と西修は日本会議と別団体であることを強調している[6]。日本会議は「国民の会」の事務局を担当しているとし[7]、「民間憲法臨調」と「国民の会」を「日本会議の国民運動ネットワーク」を構成する「友好・提携団体」だとしている[8]。
2015年11月4日までに全国47都道府県に「県民の会」組織を設立した[9]。憲法「前文」への「美しい日本の文化伝統」の明記、元首の明記、9条への自衛隊の明記、環境問題に対応する規定、「国家・社会の基礎となる家族保護」の規定、緊急事態条項の規定、96条の憲法改正の条件の緩和を主張し、「美しい日本の憲法をつくる1,000万人賛同者(ネットワーク)」と称して賛同署名を集める活動を行なっている[10]。2016年1月、全国各地の神社の境内に「国民の会」の署名用紙やノボリが置かれ、初詣客らに署名を呼びかけていたことが話題となった[11]。神社本庁の指示に基づき、都道府県の神社庁が管内の神社に指示してこの署名活動を行っていた[1]。
毎年憲法記念日の5月3日に「民間憲法臨調」と共催で「公開憲法フォーラム」を開催し、憲法改正を求めている。安倍晋三、菅義偉、岸田文雄の各首相はこの集会にビデオメッセージを寄せている。
出典[編集]
- ↑ a b 俵義文『日本会議の全貌――知られざる巨大組織の実態』花伝社、2016年、69-73頁
- ↑ a b 上杉聰『日本会議とは何か――「憲法改正」に突き進むカルト集団』合同出版、2016年、22頁
- ↑ 俵義文『日本会議の全貌――知られざる巨大組織の実態』花伝社、2016年、47頁
- ↑ 菅野完『日本会議の研究』扶桑社新書、2016年、24頁
- ↑ 菅野完『日本会議の研究』扶桑社新書、2016年、202頁
- ↑ 話題書『日本会議の研究』に関係者激怒「トンデモ本ですよ」 『NEWSポストセブン』2016.05.27 07:00(週刊ポスト2016年6月3日号)
- ↑ 濱田浩一郎『日本会議・肯定論!』たちばな出版、2018年、141頁
- ↑ 『グラフでつづる日本会議20年史「誇りある国づくりへ」(PDF)』日本会議事務総局、2017年
- ↑ 元小結、舞の海氏も後押し 「美しい日本の憲法をつくる鹿児島県民の会」発足 全国で県民の会そろう 産経ニュース、2015年11月5日
- ↑ 賛同署名について 憲法改正を実現する1,000万人ネットワーク
- ↑ 初詣客狙い改憲署名/各地の神社境内 国会発議へ世論づくり/右翼タカ派と神社本庁が結ぶ しんぶん赤旗、2016年1月9日