明成社

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株式会社明成社(めいせいしゃ)は、日本会議系の出版社。保守系の書籍を刊行している[1]

概要[編集]

1999年8月12日設立[2]日本会議の宣伝媒体として設立されたとされる[3]。日本会議が製作した「靖国のこころ―英霊いま生きてあり」などのビデオや同会議のメンバーによる著書を刊行している[4]。「CiNii Books」「国立国会図書館サーチ」によると、最初に発行した書籍は出雲井晶『絵で読む日本の神話――神話伝承館への招待』(2000年2月)である。2002年4月に明成社を版元とする高等学校日本史B教科書『最新日本史』が文部科学省検定に合格した[4]。日本会議の前身である「日本を守る国民会議」時代の1986年に原書房(1995年度用の改訂時から国書刊行会)から刊行した高校日本史教科書『新編日本史』を引き継ぐものである[5]。2022年度の科目再編後は歴史総合の教科書『私たちの歴史総合』を刊行している。2014年度用の『最新日本史』の需要数は3,411、占有率は0.8%[5]。2022年度用の『私たちの歴史総合』の需要数は4,300、占有率は0.5%[6]

初代社長は石井公一郎(2022年没)、2代目社長は小田村四郎(2017年没)。法人企業データベース「YELLOW PAGE」によると、役員は田尾憲男(代表取締役)、椛島有三(取締役)、西澤和明(取締役)、志摩淑子(取締役)、小間澤肇(取締役)、森藤左ヱ門(監査役)。資本金は2,200万円[2]。所在地は東京都渋谷区桜丘町23番17号シティコート桜丘408。2000年2月時点では東京都目黒区青葉台のビルの603号室に事務所を置いていた(601号室は日本会議事務総局。602号室は日本青年協議会(日青協):日本会議の事務局を担う団体)。

明成社が刊行する書籍や教科書の執筆者は「新しい歴史教科書をつくる会」(扶桑社、のち自由社より教科書を刊行)や「教科書改善の会日本教育再生機構」(育鵬社より教科書を刊行)にも関係している。三好達(日本会議会長)、小田村四郎(日本会議新憲法研究会代表・日本会議副会長)、大原康男日本会議政策委員会代表、日本会議常務理事)、石井公一郎(日本教育会議座長、日本会議副会長)は「つくる会」の賛同者である[3]高橋史朗(日本教育会議主査、日本会議政策委員)は「つくる会」の呼びかけ人の1人で副会長を務めた。小田村、石井、高橋は2006年に「つくる会」から分裂して結成された「日本教育再生機構」に加わった。「つくる会」や「日本教育再生機構」、育鵬社・自由社の教科書や明成社の『最新日本史』を支持する教員の多くが日青協関係者や全日教連(全日本教職員連盟)メンバーであるとされる[7]

出典[編集]

  1. 元拓殖大総長、小田村四郎氏が死去 産経新聞、2017年12月15日
  2. a b 株式会社明成社 YELLOW PAGE
  3. a b ★資料室 - その他(「つくる会」とはどのような組織か) 在日本朝鮮留学生同盟中央本部
  4. a b 侵略戦争美化の高校教科書 採択狙い改憲団体の動き急 しんぶん赤旗、2002年5月24日
  5. a b 学校現場の教科書選定・採択の権利を守ろうPDF日本高等学校教職員組合、2014年2月
  6. 2022年度高等学校『歴史総合』教科書の採択数・占有率 「r20115」のはてなブログ、2022年3月27日(出典は「新課程スタートで総数が4・3%増 ●22年度高校教科書採択状況─文科省まとめ(上)」『内外教育』、2022年02月15日、第6975号)
  7. 俵義文『日本会議の全貌――知られざる巨大組織の実態』花伝社、2016年、20頁

外部リンク[編集]