ひだ (列車)

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ワイドビューひだから転送)
ナビゲーションに移動 検索に移動
HC85形で運行される特急ひだ

ひだとは、日本国有鉄道及び東海旅客鉄道が運行する特急列車である。名称の由来は岐阜県の旧国名である飛騨国から。なお、本記事では急行のりくら号など高山本線のその他優等列車についても記述する。

概説[編集]

キハ85系による特急『ひだ』

1958年3月名古屋駅富山駅を結ぶ準急列車として運行を開始した。1966年急行列車となるも、1968年改正時に金沢駅乗り入れの速達急行だった「加越」を特急列車へ格上げするかたちで運行開始した。
1976年に飛騨古川以南で増発されたものの、東海道新幹線「ひかり」の米原駅停車増と共にしらさぎ号や加越号を乗り継いで名古屋と金沢・富山を繋ぐルートが確立されて、設定当初からの金沢発着便は乗車不振となり、キハ80系の老朽進行も相まって、1985年飛騨古川駅以北への乗り入れは中断となった。

1989年より従来のキハ80系に代わってキハ85系が一往復で運行を開始。翌年には、急行「のりくら」も格上げ編入して全列車がキハ85に統一され、列車名も「ワイドビューひだ」にパワーアップ。1999年には大阪発着も設定された。

2022年7月1日よりハイブリッド式気動車のHC85系が2往復で運行を開始。8月1日からは追加で1往復が、12月1日よりさらにもう1往復がHC化された。そして2023年3月改正を以て大阪発着を含む全便がHC85系に統一された。

現在は高山以南で飛騨古川発着の1往復を含めた10往復が運転されており、うち1往復は岐阜駅にて大阪行きと名古屋行きに分割併合する。なお、大阪発着便は号数が併結する名古屋発着便の号数+20となっている。
飛騨古川以北は4往復で、2015年北陸新幹線開業後は、名阪 - 富山間の唯一のJR在来線経由のルートとなった。

一方、北陸道東海北陸道経由の高速バスが、北陸本線利用で金沢乗り換えが必至になるのに合わせて大増発され、岐阜発着の東海北陸道経由の高速バスも渋滞がない時「ひだ」より速達する便も現れ、一部の乗客層を食われて苦戦を強いられている[注 1]

他方、自動車専用道路が通じていない下呂温泉への観光需要は堅調で、大阪発着便が存続している要因となっている。

停車駅[編集]

  • 名古屋 - 岐阜 - 美濃太田 - 下呂 - 高山 - 飛騨古川 - 猪谷 - 越中八尾 - 富山
  • 大阪 - 新大阪 - 京都 - 草津 - 米原 - 大垣 - 岐阜 - 美濃太田 - 下呂 - 高山

上記の他、尾張一宮、鵜沼、白川口、飛騨金山、飛騨萩原、飛騨小坂、久々野、速星にも一部が停車する。
名古屋 - 高山間運行の便に追加停車が多い。2023年3月ダイヤ改正で、大阪発の高山本線内の停車駅が削減され、一部駅では大垣駅以西からの直行ができなくなった。

編成[編集]

HC化以降、基本的に所定D0編成の4両単独で運転されるが、9号と18号はD100編成併結の6両が所定となる。25号と36号は所定D100編成の2両、富山乗り入れ編成は高山以南がD0編成とD100編成の併結6両が所定で、高山以北はD0編成を切り離しD100編成のみの2両が所定となっている。

類似・関連列車[編集]

急行のりくら[編集]

名古屋〜高山・富山を結んだ急行列車。特急ひだ設定を機に急行ひだから改称した。
最盛期には夜行1往復を含む7.5往復が設定され、金沢発着や七尾線季節乗り入れ便、富山地方鉄道乗り入れの季節急行「むろどう」、「うなづき」も設定されていたが、1970年代以降の相次ぐ特急格上げによって運行本数は減少し、1978年(昭和53年)に七尾線季節乗り入れ、1982年(昭和57年)に季節急行「むろどう」、「うなづき」、1984年に夜行便が惜しまれつつ廃止された。1985年3月改正で北陸本線乗り入れが終了したが、名古屋 - 富山間2往復を含む4往復が残り、北陸ワイドなどの周遊券利用者に愛好された。しかし、1990年(平成2年)に最後まで残った3往復がひだ格上げという形で全て運行終了し、消滅した。

急行くろゆり・たかやま[編集]

大阪 - 高山間を米原経由で結んだ急行列車。当初は季節運転で急行のりくらを名乗り、上記急行ひだをのりくらに改名した際に急行くろゆりに変更した。後に下記名鉄直通急行たかやまが富山県へオンシーズン延長すると急行たかやまに名称変更され、更に定期列車化された。
国鉄分割民営化前の「比叡」廃止や分民化後の「のりくら」廃止後も急行列車として残り、晩年は貴重なグリーン車付きの急行列車となっていた。
1999年に特急ひだに格上げされ急行としては消滅。
特急格上げに際し、東海道本線の停車駅が整理され、「たかやま」で停車の近江八幡、彦根などが通過となった。

急行おくみの[編集]

美濃太田以北で越美南線に乗り入れていた列車。急行「のりくら」に併結し、下り岐阜午前発、上り岐阜午後着で、名古屋からの奥美濃観光や岐阜からの郡上地域への出張用務に便利なダイヤ設定だった。当初は越美南線内も急行運転したが、晩年は越美南線内は普通列車だった。1982年廃止。

急行しろがね・こがね[編集]

名古屋発着の中部循環急行。高山本線先回りが「しろがね」、米原先回りが「こがね」だった。1972年に富山で系統分割され、高山本線内は「のりくら」に統合された。

特急北アルプス[編集]

北アルプス (列車)」も参照

鵜沼駅東方から名鉄犬山線に直通し、新名古屋駅(現・名鉄名古屋駅)まで乗り入れていた珍ドコ列車で、国鉄分割民営化前後は、富山駅に乗り入れる唯一の高山本線特急となっていた。
名鉄が保有するキハ8000系気動車によって運行されていた。このため、地下駅である新名古屋入線時には煙で凄まじいことになっていたそうである。2001年中部国際空港開港を待てずに惜しくも廃止[注 1]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. a b だからと言って、美濃太田 - 名古屋間の実距離が短い太多線経由の「ひだ」を設定する動きや、北陸新幹線が運行できない早朝時間帯の富山発で高山経由特急を(東海道線が逼迫するなら「北アルプス」復活といった手段で)設定する動きは見られない。
[ヘルプ]
甲信越/岐阜の主な列車
現行列車
中央本線・篠ノ井線・信越本線 あずさ - かいじ - 富士回遊 - 信州 - しなの
小海線 HIGH RAIL 1375
身延線 ふじかわ
大糸線(松本 - 南小谷間) あずさ - しなの
信越本線(しなの鉄道) ろくもん - 信州
飯田線 伊那路 - 飯田線秘境駅号 - みすず
飯山線 おいこっと
北陸本線(えちごトキめき鉄道) えちごトキめきリゾート雪月花 - 観光急行
信越本線(えちごトキめき鉄道) しらゆき - 海里
高山本線 ひだ
廃止列車
中央本線 アルプス・白馬・のべやま・赤倉・穂高・上高地 - ムーンライト信州 - スーパーあずさ・木曽あずさ - はまかいじ・むさしのかいじ・山かいじ・千葉かいじ・きよさとかいじ・かいじほたる祭り・信州かいじ - きそ・つがいけ・きそこま・ちくま・くろよん・あずみの赤倉 - ホリデー快速富士山・かわぐち - 甲信エクスプレスナイスホリデー木曽路セントラルライナー - 桃源郷
身延線 富士川・みのぶ・白糸
小海線 葉ッピーきよさと・マザーグーストレイン・小海・八ヶ岳・甲斐駒 - すわ・のべやま
大糸線 アルプス・白馬(初代) - ムーンライト信州 - つがいけ - 白馬
信越本線(しなの鉄道) あさま・そよかぜ・信州・軽井沢・妙高・志賀 - とがくし・赤倉・みのり - 信越 - はくたか - 信越白鳥→白山 - 黒部・越前→能登 - 妙高
飯田線 赤石・こまがね - 天竜→かもしか - 伊那
飯山線 野沢 - うおの
北陸本線(新潟県下)・越後線 ひめかわ - はくたか - 新潟雷鳥 - 白鳥 - きたぐに - きらきらうえつ - 北越 - 信越
上越線 ムーンライトえちご - とき - 佐渡 - よねやま - あけぼの - 鳥海 - 北陸
高山本線 のりくら - おくみの - たかやま - 北アルプス
不定期
JR東区間 シュプール
JR東海区間 さわやかウォーキング
JR西区間 シュプール
国鉄/JRのみとさせていただきました。