ベリーズ
ベリーズ(Belize〈BZ〉)とは、中米のユカタン半島南東部に存在する小国である。首都はベルモパン。政体は立憲君主制。国土面積は2万3000平方キロ(日本の秋田県の約2倍ほど)。人口は2011年の時点で32万1000人。人口密度は14人/㎢。国名の由来は諸説があって未だに定説を見ていない。マヤ語で「泥水」「低湿地」を意味するのが有力と見られている。なお、スペイン語ではベリセと言われている。
概要[編集]
歴史[編集]
この地は古くにおいて高度なマヤ文明が9世紀までは繁栄したことで知られている。1502年に探検家のクリストファー・コロンブスが来航して以来、スペインの植民地となる。1730年代頃からイギリス人の入植が始まると、次第に英西の間でこの地をめぐる争奪戦が行なわれだした。最終的には1862年にイギリスの勝利となり、同国の植民地となる。1970年、ハリケーンの被害を避けるために沿岸部のベリーズから内陸のベルモパンに遷都した。1973年にイギリス領ホンジュラスからベリーズに名称を変更し、1981年9月21日にイギリス連邦の一員として独立を達成。そのわずか4日後には国連に加盟した。
1984年には独立後初めてとなる総選挙が実施され、親米中道右派の統一民主党(UDP)が勝利して政権を担当した。ところが、その後は中道左派の人民統一党(PUP)が勝利するなど、交互に政権交代が続く事態となる。ただし、政情は意外に安定している。
隣国のグアテマラとは1821年の独立以来、ベリーズの領有権をめぐって対立してきたが、1991年に国境を画定した上で外交関係を樹立し、ひとまず関係は正常化している。
地理[編集]
中米のユカタン半島南東部の、カリブ海に臨む小国で、ほとんどの国土は平坦地であるが、北部と沿岸部には広大な低湿地が広がっている。亜熱帯性の海洋気候で、貿易風のため夏においても比較的涼しい。
首都・ベルモパンの年平均気温は27度で、最高気温が8月の28.8度、最低気温は1月の24.1度であり、年間降水量は1762ミリである。
全土の65パーセントがジャングルで、残りの大半は沼沢地という厳しい自然条件のため、かつてこの国を訪れたイギリスの風刺作家であるオルダス・ハクスリーが「この世の果て」とまで評するほどの土地である。カリブ海沿岸部のサンゴ礁列島の長さは、オーストラリアのグレートバリアリーフに次いで世界第2位であり、西半球では最大規模を誇り、1996年にはユネスコの世界自然遺産に登録されている。
以下の各国と接している。
気候は熱帯モンスーン気候(Am)など。沿岸部、ベリーズシティの気温は、年中日本の真夏並、あるいはそれ以上の気温である。
経済[編集]
主な産業は農業、林業、漁業で、マホガニー材やロッグウッド、ロブスターなどの魚介類、柑橘類、バナナ、砂糖などを輸出している。バナナやオレンジの果物栽培が盛んで、1人1日あたりの果物消費量は700グラム(2001年の統計。ちなみに日本の同年統計は149グラム)で世界一を誇る。
また、マヤ文明の繁栄した地のため、ジャングル内にアルトゥンハやシュナントゥニッチをはじめとする多くの遺跡が存在するなど、観光資源も多い(ただし、これらの遺跡はまだまだ調査が必要である)。
住民[編集]
スペイン領だったホンジュラスと同様に、白人の比率が極端に少ない。またガリフナ族は独自のコミュニティを作って沿岸部に集中している。
- メスティソ(白人と先住民の混血)が49パーセント。
- ムラート(黒人と主に英国を中心とした白人との混血)が25パーセント。
- 先住民(マヤ・インディオ)が10パーセント。ガリフナ族(マヤ系先住民とカリブ海の黒人が混血)が7パーセント。黒人(ジャマイカからの移民など)が5パーセント。
- 白人が1パーセント。その他(アジア系など)が3パーセント。
言語[編集]
宗教[編集]
通貨単位[編集]
国内総生産[編集]
- 1人当たり国内総生産は4159米ドル(2010年)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 政府
- 日本政府
- 日本外務省 - ベリーズ
- 在ジャマイカ日本国大使館 - 在ベリーズ大使館を兼轄
- 観光