アンティグア・バーブーダ
アンティグア・バーブーダ(Antigua and Barbuda)とは、カリブ海南部の小アンティル諸島北部のアンティグア、バーブーダ、レドンダの3島からなる島国のことである。政体は立憲君主制。国土面積は443平方キロ(日本の種子島と同規模)。人口は2011年の時点で8万8000人。人口密度は198.4人/㎢。首都はセントジョンズ。国名の由来はアンティグア島とバーブーダ島の合成語で、アンティグアはクリストファー・コロンブスゆかりの地であるスペインのセビリアにある「サンタマリア・デ・ラ・アンティグア教会」(旧サンタマリア教会)にちなんで命名したもので、バーブーダはバルバトス島と混同して地図上に記されたものが英語訛りになって定着したとされている。
概要[編集]
歴史[編集]
1493年にコロンブスが来航した。スペインやフランスの支配を経て、バーブーダは1628年に、アンティグアは1667年にイギリスの支配下に入った。1967年、西インド連合州の1州となって内政自治権を獲得し、1981年11月1日にイギリス連邦の一員として独立を果たした。11月12日に国連に加盟している。
独立後は親米派かつ穏健派のアンティグア労働党(ALP)のベア・バードによる政権が長期にわたって続き、これにより国家の地盤が築かれることになる。1983年のグレナダ侵攻では治安部隊を派遣した。1989年、コロンビア麻薬マフィアが絡んだ兵器密輸転売事件が発覚。これが政治スキャンダル化したため、1994年にベア・バードは息子のレスター・バードに政権を引き継がせた。2004年、総選挙が行われて統一進歩党(UPP)が圧勝し、これにより独立以来初となる政権交代が実現した。
地理[編集]
カリブ海域に存在するミニ国家の1つで、人口1000人当たりの婚姻率は23.6パーセント(2004年の統計)と世界最高の比率を誇る。亜熱帯海洋性気候で、特に冬には北東貿易風の影響で快適である。主島のアンティグア島は自動車で半日は知れば端から端まで回れるほどの小島であるが、豊かな自然と景観に優れた海浜リゾートに恵まれ、特に首都近郊にあるディキンソンベイ、島の南東部のマモラベイもリゾート地として恵まれている。4月下旬にはファルマスハーバーで「アンティグア・セーリング週間」と呼ばれる国際ヨットレースも開催されている。その恵まれたリゾート地のため、1998年にイギリス人のロックギタリスト・エリック・クラプトンがアンティグア島に薬物中毒患者の更生施設「クロスロードセンター」を開設している。
首都・セントジョンズの年平均気温は27度で、最高気温が8月の28.8度、最低気温は1月のマイナス25度であり、年間降水量は1100ミリである。
経済[編集]
この国の経済を支えているのは観光産業である。年間89万人(2008年の統計)の観光客が訪れており、外貨収入の約半分を占めているため、文字通り経済の大黒柱といえる。ただ、観光産業に代わる新たな産業として、海外との電子商取引やインターネット賭博の開発にも力を入れている。促成野菜、コンピューター用紙繊維に使用するアロールート(クズウコン)などの輸出も盛んになっている。
宗教[編集]
住民[編集]
言語[編集]
通貨単位[編集]
- 東カリブ・ドル(East Caribbean Dollar)
国内総生産[編集]
- 1人当たり国内総生産は1万2849米ドル(2010年)
外部リンク[編集]
- 政府
- 日本政府
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- 日本外務省 - アンティグア・バーブーダ (日本語)
- 在トリニダード・トバゴ日本国大使館 - 在アンティグア・バーブーダ大使館を兼轄 (英語)
- 観光