特別停車 (名鉄)

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特別停車(とくべつていしゃ)とは、名鉄のカオスさのうち、約40%ほどを占めている存在である。

概要[編集]

一般の"特別停車"といえば、臨時停車だと思われる方も多いと思う。臨時停車は名鉄の解釈では「イベント時等に列車を臨時に停車させること(例:競馬開催日の中京競馬場前駅への停車、笠寺観音節分会対応の本笠寺駅への停車)」としている。

それに対して、特別停車は、標準停車駅以外の駅に特定の列車が毎日停車すること(平日のみ / 土日のみの場合もある)、である。

特別停車を行う理由として、以下のような理由が挙げられる。

  1. 通勤・通学時間帯の停車本数の確保
    名古屋本線や犬山線などは、平日の朝夕ラッシュ帯に特急系統や急行系統が非常に多い。そのため、普通列車しか止まらないは停車本数が必然的に減るので、それを補うために停車する(例:北安城駅下小田井中小田井駅。過去には小田渕駅左京山駅など)。
    さらに、優等列車の停車駅でも本来停車する下位の優等列車の本数が少ない場合に特別停車する事がある(例:矢作橋駅有松駅大里駅
  2. 乗り換えの利便性の向上
    乗り換えられる路線が多い駅や緩急接続の効果が有効な駅に、本来通過する特急・急行といった速達列車が停車する(例:豊明駅聚楽園駅)。
  3. 減便の補償
    ダイヤ改正による速達列車などの本数減を補償するための停車(例:有松駅、二ツ杁駅、大里駅)や、早朝、夜間の運用の都合による本数減の補償のための停車(例:伊奈駅)。
  4. 待避場所の確保
    標準停車駅でない待避可能な駅で速達列車を待避するために停車する(西ノ口駅)。かつては聚楽園駅など多かった。

また、始発駅が特別停車となる例や終着駅が特別停車となる例も存在する

始発駅が特別停車となる例
  • 伊奈駅
    • 61レ 特急岐阜行きが該当。
  • 豊明駅
    • 512レ 急行豊橋行き、627レ 急行岐阜行き(平日のみ)、1547レ 急行 須ヶ口行き(神宮前から準急・平日のみ)が該当。
  • 栄生駅
    • 土休日のみ。600Eレ 快速急行 中部国際空港行きが該当。なお、快速急行は栄生駅にこの列車以外全く停車しない。
終着駅が特別停車となる例
  • 須ヶ口駅
    • 平日のみ。全て特急で、豊橋発が2本(481レ、93レ)、河和発が1本(279レ)、吉良吉田発が1本(285レ・全車一般車)設定されている。
  • 伊奈駅
    • 平日のみ。232レ 新鵜沼発の特急が該当。
  • 豊明駅
    • 土休日のみ。2240レ 佐屋発の急行(名鉄名古屋まで普通)が該当。

なお、瀬戸線準急や普通を増加させることで、特別停車の代わりとしている。また、藤川駅のように特別停車の実績を踏まえて、速達列車の標準停車駅に加えられた事例もある。

ちなみに、名鉄は、区間急行通勤快急通勤急行通勤準急空港急行快速準急といった種別は導入していない[注 1]。大量の種別を導入することで特別停車をゼロにしている西武池袋線阪急電車とは真逆のやり方である。

過去[編集]

2023年3月までは対極の特別通過もあった。

特別通過の実施例[編集]

  1. ラッシュ混雑回避のための名鉄岐阜特急新木曽川駅もしくは笠松駅の通過 - 椋岡駅の廃止以来、復活した特別通過だったが、2023年3月18日のダイヤ改正で廃止。これにより、特別通過が二度目の消滅となった。
  2. 知立駅の特急通過 - 1980年代、そもそも知立以東で満席になっていた全車特別車特急の乗車回避目的で、朝ラッシュ混雑回避の特別通過がされていた。この特急の中には蒲郡・西尾線内を含めて合計5駅を特別通過していた列車が存在していたのも特筆される[注 2]
    1990年代にはJR対抗のため日中に特別通過がされたが、結局、線形上この駅を通過しても日中の所要時分の大幅短縮には繋がらず、1999年に知立駅の特別通過は全て消滅し、現在復活する意味はほとんどない。
  3. 新清洲駅の急行通過 - 朝ラッシュ時、新岐阜始発の急行は通過させ、新一宮・笠松始発列車のみ停車していた。標準停車駅だが当該時間帯の約半数が通過列車。
  4. 利用者の少ない駅の普通通過 - 西尾口や白沢など、かつては利用者の少ない普通停車駅を特別通過させる事もあった。美浜緑苑に至っては急行停車駅でありながら一部の普通(と急行)が特別通過していた。なお、結城(谷汲線)、学校前(広見線)、椋岡(河和線)の各駅は、後に駅そのものが廃止されている。
    なお、椋岡駅廃止から新木曽川と笠松が快速特急の標準停車駅に昇格するまでの間、名鉄から特別通過が一旦消滅していた。

その他[編集]

  • かつての栄生駅は急行通過駅であるにも関わらず、急行の特別停車の方が多く、実質特別通過駅という実態だった[注 1]
  • 1990年代に一時準急を急行に、高速を特急・急行に統合したことがあり、その際、旧準急停車駅が一部の急行の特別停車駅、旧高速停車駅が一部の特急の特別停車駅となっていた[注 3]

関連項目[編集]

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  1. a b 2005年、引き続き栄生駅を通過する列車を快速急行に格上げして急行の特別停車を減らした一方、大里駅などで快急の特別停車が生じており、種別数が増えない中で名古屋本線の快急は速達感のない列車に成り下がってしまっている。
  2. 西幡豆、上横須賀、米津、碧海桜井(現 桜井)、知立の5駅
  3. 逆に、河和線など一部線区では特急では無く高速を急行に統合したため、ごく一部の急行に大量の特別通過が発生する羽目にもなった。