モルディブ
モルディブ共和国(モルディブきょうわこく、Divehi、MV、Maldives)とは、インド洋上の南北760メートルに連なる大小1196のサンゴ礁からなる海洋国家である。政体は共和制。国土面積は298平方キロ(日本の淡路島の半分ほど)。人口は2011年の時点で39万5000人。人口密度は1326人/㎢。首都はマレ。モルディブとはマラヤーラム語の「mala(小高いを意味する)diva(島を意味する)」からと解釈されており、首都の名前のマレに関しても同語源と見られている。
概要[編集]
歴史[編集]
1116年にイスラム国家の形成が始まる。ポルトガルやオランダに植民地にされ、1796年にイギリスの植民地となった[1]。1887年に正式にイギリスの保護領となり[1]、セイロン植民地の一部に組み込まれる。1965年7月26日に世襲制の首長、いわゆるスルタンの君主国家として独立を達成し、9月21日に国連に加盟する[1]。1968年、国民投票によって共和制に移行した[1]。
1976年、同国南部のガン島からイギリスが軍事基地を撤収した。これに伴い、ソ連が租借を申し入れたがモルディブは拒否した。以後は非同盟中立路線を基本路線とし、1985年にイギリス連邦の正式なメンバーとなった[1]。その一方で、南アジアの地域協力を推進する南アジア地域協力連合(SAARC)の設立に参加する。
この国は植民地から独立した国家としてありがちな独裁政治が1978年からマウムーン・アブドル・ガユームによって行なわれていた。この政権は強固で2009年5月の大統領選挙で敗北するまで31年にわたって続いた。
2016年にイギリス連邦から離脱したが、2020年に再加盟した[1]。
地理など[編集]
大小1196のサンゴ礁からなる海洋国家であるが、そのうち有人島は203である。熱帯海洋性の気候で、5月から10月の南西モンスーンと11月から4月の北東モンスーンに分かれるが、サイクロンの襲撃はほとんど受けない。首都・マレの年平均気温は27.9度で、最高気温が4月の29.4度、最低気温は8月の27.0度であり、年間降水量は1654ミリである。
最大の島はマレ島で、しかしそれでも島の面積は1.6平方キロ。最高地点はウィリンギリ島の2.4メートルという波間に浮かぶ小さなサンゴ礁群であり、その形態から「島々の花輪」と呼ばれている。ただし、地球温暖化現象による海の水位の上昇により亡国の危機に立たされており、1992年の地球サミットで、当時のマウムーン・アブドル・ガユーム大統領は「このままでは国が水没する」という悲痛な演説を行なっているほどである。
多くの島から成り立つ関係から、島ごとに機能分化が図られているのがこの国の特色である。例えば、首都のマレは「町の島」であるが、その他の島によって「飛行場の島」「ゴミ処理場の島」「刑務所の島」「病院の島」「農場の島」と言ったように島単位での区分に分けられている。
離婚率は1000人当たり7.3と世界最高である(2007年統計による)。
経済など[編集]
この国の最大の産業は漁業と観光産業である。1人当たりの魚介類消費量は年間181.9キログラムで世界一を誇っている(ちなみに日本は60.8キロ)。そのため、マスドーニ(漁舟)による鰹の一本釣りと、海洋リゾート開発による観光産業が中心となっている。特に鮪と鰹の水揚げ高は年間およそ4500万ドルに達しており、輸出総額の6割以上を占めている。ちなみに、輸出先の1位は日本である。
宗教[編集]
住民[編集]
- モルディブ人(シンハラ人、ドラビダ人、アラブ人の混血)が99パーセント。
言語[編集]
通貨単位[編集]
- ルフィア(Rufiya)
国内総生産[編集]
- 1人当たり国内総生産は5841米ドル(2010年)
脚注[編集]
外部リンク[編集]
- 政府
- モルディブ共和国大統領府
- 在日モルディブ大使館
- 日本政府
- 日本外務省 - モルディブ
- 在モルディブ日本国大使館
- 観光
- モルディブ政府観光局