オリジナル10

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
Wikipedia-logo.pngウィキペディアの生真面目ユーザーたちがオリジナル10の項目をおカタく解説しています。

オリジナル10 (オリジナル・テン) とは、1993年日本プロサッカーリーグ (Jリーグ) 開幕当初から参加した10チームのことを指す。

概要[編集]

以下の10チームが該当する。

鹿島アントラーズ (旧:住友金属)

ここだけ日本サッカーリーグ2部からJリーグに加盟した。その加盟にあたっても紆余曲折あり[注 1]、初代チェアマン川淵三郎が関係者に対し、「住友金属さんの加盟は99.9999%無理ですよ」と言ったこともある。しかし茨城県が、カシマサッカースタジアムの建設を決めたこともあり逆転でアントラーズの加盟が決定したという背景がある。

浦和レッズ (旧:三菱自動車)

JSL時代は江戸川区で活動していたが、浦和市(当時)がプロサッカーチーム誘致を目指したため、Jリーグ加盟に際し、本拠地を移転した。

ジェフユナイテッド市原 (現:ジェフユナイテッド市原・千葉、旧:古河電工)

JSL時代の「丸ノ内御三家[注 2]」の一角だった古河電工サッカー部に、創設間もないJR東日本が共同出資して発足。

ヴェルディ川崎 (現:東京ヴェルディ、旧:読売日本サッカークラブ)

クラブ発足は1969年であり比較的新しいチームではあったが、三浦知良ラモス瑠偉などの日本代表選手を多く抱えており、日本リーグ優勝・天皇杯優勝経験もある名門。

横浜マリノス (現:横浜F・マリノス、旧:日産自動車)

こちらもクラブ発足は1972年と比較的新しいが、読売クラブと同じく日本代表選手が多く所属しており、天皇杯などで読売とライバル関係を構築してきた。

横浜フリューゲルス (旧:全日空、1998年にマリノスと合併し消滅)

マリノスと対照的に、こちらは1964年横浜市の地域クラブとして発足。これが1984年全日本空輸が出資したことによりプロ化し、またJリーグ加盟にあたって佐藤工業からも出資を受けた。

清水エスパルス (旧:清水FC)

他の9クラブと違い、ここは地域リーグからいきなりJリーグに参戦した唯一のクラブ。

名古屋グランパスエイト (現:名古屋グランパス、旧:トヨタ自動車)

Jリーグ加盟と連動し、本拠地を静岡県裾野市から名古屋市に移転。

ガンバ大阪 (旧:松下電器産業サッカー部)

このガンバの前身となった松下は、ヤンマーディーゼルサッカー部の2軍にあたるヤンマークラブが解散した後に、ヤンマークラブの選手や監督 (に加え大卒選手などもいるが) などによりつくられたクラブである。加えて、当初は奈良県リーグからスタートしたクラブである。

なお、本来の1軍だったヤンマーディーゼルサッカー部も1995年セレッソ大阪としてJリーグに昇格している。

サンフレッチェ広島 (旧:マツダ)

オリジナル10の現状[編集]

2020年シーズンでは千葉と東京VがJ2リーグに、それ以外はJ1リーグに所属している。

2016年に名古屋がJ2リーグに降格したため、現在降格経験がないのは鹿島と横浜FMの2チームのみになった[注 3]。近年では日産スタジアムで開催される横浜FM対鹿島戦を、「The CLASSIC」のタイトルをつけて開催するようになった。

2012年の広島のJ1リーグ優勝を最後に[注 4]、オリジナル10の全クラブは (フリューゲルスも含めて) 国内三大タイトル (J1リーグ・Jリーグカップ天皇杯) のいずれかで優勝経験がある[注 5]

日本でAFCチャンピオンズリーグの優勝経験があるチームは鹿島・浦和・G大阪の3チームで、いずれもオリジナル10の一部である。

2021年、名古屋がJリーグカップで決勝進出を決めたことにより、フリューゲルス以外の9クラブはすべてJリーグカップの決勝進出経験を持つこととなった。その名古屋が2021年に、翌2022年には広島が優勝したため、フリューゲルス以外の9クラブはすべてJリーグカップで優勝経験を持つこととなった。

その他の用法[編集]

J2におけるオリジナル10[編集]

1999年J2リーグ発足時に、J2に参加した以下の10チームを、同様に 「J2オリジナル10」 と呼ぶこともある[注 6]ジャパンフットボールリーグ (旧JFL) からプロ参入したチームが大半を占める。

コンサドーレ札幌 (旧:東芝堀川町サッカー部、現:北海道コンサドーレ札幌)
前年のJ1参入決定戦アビスパ福岡に敗退し降格したため、J2初年度に参加することとなった。
ベガルタ仙台 (旧:東北電力→ブランメル仙台)
モンテディオ山形 (旧:NEC山形サッカー部)
大宮アルディージャ (旧:電電関東→NTT関東サッカー部)
NTT関東時代、本来ならば1998年末をもって廃部となる予定だった。しかし関係者が本社の役員を説得したことにより、廃部からプロ化に変わることとなった。それにより、大宮アルディージャとしてプロ化の道を歩むこととなる。なお創設はさいたま市発足前である。
FC東京 (旧:東京ガスサッカー部)
JFL時代はJリーグ昇格資格を持たない中で上位に入ることが多かったため、Jリーグへの門番とされることがあった。なお昇格資格を持たなかったため、1998年の旧JFLで優勝したもののJ1に昇格することはできなかった。
2004年ナビスコカップで初優勝し、J2オリジナル10で初の3大タイトルを獲得した。
川崎フロンターレ (旧:富士通サッカー部)
札幌と同じく、前年のJ1参入決定戦アビスパ福岡に敗退したため、J2初年度に参加することとなった。
以前から優勝争いに加わることが多かったもののなかなかタイトルに手が届いていなかったが、2017年にJ2オリジナル10で初のJ1優勝を果たした。
ヴァンフォーレ甲府 (旧:甲府サッカークラブ)
2022年、J2所属チームとしては2011年以来となる天皇杯優勝を果たした。
アルビレックス新潟 (旧:アルビレオ新潟)
サガン鳥栖
かつては静岡県浜松市を本拠地とし、PJMフューチャーズという名前だった。それが1994年佐賀県に移転し、鳥栖フューチャーズに改名。経営難により1997年に一旦解散するが、多くの人から存続を求められたため、新たに発足したのがサガン鳥栖である。
大分トリニータ (旧:大分FC[注 7])

脚注[編集]

  1. 既に日立 (現:柏レイソル) 、ヤンマー (現:セレッソ大阪) 、ヤマハ (現:ジュビロ磐田) 、フジタ (現:湘南ベルマーレ) の中から1チームが加盟することが決定的な状況だった。
  2. 他は三菱重工、日立製作所のサッカー部。
  3. 各クラブの降格歴は以下の通り。
  4. それ以前に広島は1994年のJリーグ1stステージで優勝したが、JリーグチャンピオンシップでV川崎に敗れ年間優勝を逃している。
  5. このうちJ1で優勝経験があるのが鹿島・浦和・東京V・横浜マ・名古屋・G大阪・広島。Jリーグカップで優勝経験があるのが鹿島・浦和・千葉・東京V・横浜マ・清水・名古屋・G大阪・広島。天皇杯で優勝経験があるのが鹿島・浦和・東京V・横浜マ・横浜フ・清水・名古屋・G大阪。
    なおJ1で優勝経験がない清水は、1999年の2ndステージで優勝しておりチャンピオンシップに出場経験がある。同じくJ1で優勝経験がない千葉は2005年のJ1優勝争いに最終節まで加わっていた。
    また広島は天皇杯で優勝経験がないが、決勝に進出したことがある。
  6. このうちJ1で優勝経験があるのは川崎のみ。Jリーグカップで優勝経験があるのはFC東京・川崎・大分。天皇杯で優勝経験があるのはFC東京・川崎・甲府。
    なおタイトル獲得未経験チームのうち、札幌はJリーグカップの、仙台・山形・大分は天皇杯の決勝にそれぞれ勝ち進んだことがある。
  7. 大分トリニティという愛称があった。