ジャパン・ニュース・ネットワーク
Japan News Network(ジャパン・ニュース・ネットワーク、略称:JNN〈ジェイエヌエヌ〉)は、TBSテレビをキー局に、日本の民間放送28社で構成するテレビのニュースネットワークの名称である。一般番組の供給ネットワークとして「TBSネットワーク」の名称が付けられている。
概要[編集]
ラジオ東京テレビ(KRテレビ。現在のTBSテレビ)の制作により、1959年(昭和34年)4月10日に行われた皇太子(上皇)のご成婚パレード中継がネットされた地方局が、そのまま加盟する形で、同年8月1日に発足。民放テレビのニュースネットワークでは最も歴史が古く、同じくTBS主導のラジオ系列のJRNより5年先行した。
1973年(昭和48年)12月20日、朝日、毎日、読売の三新聞社の首脳が覚書を交わし、三社共同出資に近かったTBS東京放送が毎日系の単独資本となった。これを受け、東京 - 大阪間のテレビネットワークにおける“腸捻転”の解消に向けて、東阪の民放で折衝を行い、1975年(昭和50年)3月31日に、毎日放送(MBS)が、前身の大阪テレビ放送からネットワークを継続して結んでいた朝日放送(ABCテレビ)に代わり、TBSテレビとネットワークを締結、ABCテレビは対照的に、これまでMBSとネットワークを結んでいた日本教育テレビ(NETテレビ。現在のテレビ朝日)と新たにネットワークを結ぶようになった。
TBSテレビとMBS、CBCテレビ(CBC)、北海道放送(HBC)、RKB毎日放送(RKB)の5局を「基幹局」とし、これら5局で「五社連盟」と呼ばれている。また、東北放送(TBC)、静岡放送(SBS)、山陽放送(RSK)、中国放送(RCC)の4局は「準基幹局」扱いになる。
加盟局[編集]
放送対象エリア | 放送局名 | リモコンキーID | 備考 |
---|---|---|---|
北海道 | 北海道放送(HBC) | 1 | |
青森県 | 青森テレビ(ATV) | 6 | 1975年3月までANNにも加盟。 |
岩手県 | IBC岩手放送(IBC) | 6 | 旧名称:岩手放送 |
宮城県 | 東北放送(TBC) | 1 | |
山形県 | テレビユー山形(TUY) | 6 | |
福島県 | テレビユー福島(TUF) | 6 | |
関東広域圏 | TBSテレビ(TBS) | 6 | キー局。旧名称:ラジオ東京テレビ(KRT) |
山梨県 | テレビ山梨(UTY) | 6 | |
新潟県 | 新潟放送(BSN) | 6 | |
長野県 | 信越放送(SBC) | 6 | |
静岡県 | 静岡放送(SBS) | 6 | |
富山県 | チューリップテレビ(TUT) | 6 | 旧法人名:テレビユー富山 |
石川県 | 北陸放送(MRO) | 6 | [注 1] |
中京広域圏 | CBCテレビ(CBC) | 5 | 1994年4月1日、中部日本放送からテレビ部門を分社化 |
近畿広域圏 | 毎日放送(MBS) | 4 | 準キー局。1975年3月30日までは日本教育テレビ(現・テレビ朝日)系列 |
鳥取県 島根県 |
山陰放送(BSS) | 6 | |
岡山県 香川県 |
RSK山陽放送(RSK) | 6 | 旧名称:山陽放送 |
広島県 | 中国放送(RCC) | 3 | 旧名称:ラジオ中国テレビ |
山口県 | テレビ山口(tys) | 3 | 1987年9月までFNSにも加盟。 |
愛媛県 | あいテレビ(ITV) | 6 | 旧法人名:伊予テレビ |
高知県 | テレビ高知(KUTV) | 6 | |
福岡県 | RKB毎日放送(RKB) | 4 | 旧名称:ラジオ九州テレビ[注 2] |
長崎県 | 長崎放送(NBC) | 3 | |
熊本県 | 熊本放送(RKK) | 3 | 旧名称:ラジオ熊本テレビ |
大分県 | 大分放送(OBS) | 3 | |
宮崎県 | 宮崎放送(MRT) | 6 | |
鹿児島県 | 南日本放送(MBC) | 1 | 旧名称:ラジオ南日本テレビ |
沖縄県 | 琉球放送(RBC) | 3 |
かつての加盟局[編集]
放送対象エリア | 放送局名 | 現在の系列 | 退会理由 |
---|---|---|---|
福島県 | 福島テレビ(FTV) | FNN[注 3] | テレビユー福島の開局内定[注 4]に伴うもの |
近畿広域圏 | 朝日放送(ABC) | ANN | 旧名称:大阪テレビ放送(OTV) ネットワークの「腸捻転」解消に伴うもの。 現:朝日放送テレビ |
備考[編集]
秋田、福井、徳島、佐賀の各県には加盟局がない。これらの県に関するニュースは、近県のIBC岩手放送、北陸放送、毎日放送、RKB毎日放送が取材を行い、日テレ、フジ、テレ朝のようにキー局が支社を置いていない。
JNN協定[編集]
JNN加盟局のニュースには
- 原則全国同時刻、同時間に全国ニュース番組を放送する
- 加盟局が得たニュース素材は他系列に提供しない
という排他協定があり、JNN協定〈ジェイエヌエヌきょうてい)と通称される。
前記の排他協定のため、JNN系列局のニュースは、非常時を除いて遅れ放送が原則認められず[注 5]、クロスネットや番販購入の場合も加盟局は他系列のニュースは事実上放送できなかった[注 6]ため、クロスネットで開局の地方民放局は福島テレビは加盟離脱、それ以外の局はJNN一本化に追い込まれている。
この協定はニュースに限定した協定であるが、いつのまにかネットセールスの番組まで拡大適用の状態になり、ローカル野球中継やローカル情報番組の設定を拘束する弊害が生じている。
Paraviの共同運営等、TBSテレビと友好的と見られるテレビ東京も系列局に向け同様のニュースネットや番組供給の協定関係があり、これが民放4局地域のクロスネット拡大の妨げになっていると思われる。
注[編集]