可視光線

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可視光線(かしこうせん)とは、電磁波のうち、人の目に色として感知できる光のこと。色相としての感覚を引き起こす波長域。

概要[編集]

可視光線の語源は、人間の視覚に作用し色の感覚を生じるという意味が語源。有彩色の色相として認識されるもの。「可視光線の波長」「色の波長」ともいう。英語ではvisible light。波でできている光。太陽の光・白色光をプリズムに通すと、白色光が分光され、虹のような色の帯ができ、波長ごとに異なる単色光に分光する。単色光が波長の順に並んでいるものを「スペクトル」という。単に「波長」とだけ書くと、可視光線以外の波長も含むので要注意。可視光線の波長の単位はnm(ナノメートル)で表す。1nm=1mの10億分の1。色を感じる領域は、波長範囲は380nm~780nm。赤外線と紫外線の間に挟まれた範囲の色。波長の形は、振動が伝わるときのその振動の山から山、そして谷から谷までの長さをいう。波の揺れの幅の大きさを表している。「実際に目で見たときの色」に相当する波長の平均値は、「ドミナント波長」「主波長」という。光の波長ごとの反射と吸収の割合を%で表したグラフ、波長の光の強さを分析するものは「分光反射率曲線」という。分光反射率曲線の反射率は、RGBの各色の輝度と同じ原理で、明るさを表している。グラフは、波長を横軸、光のエネルギーの反射率、放射量を縦軸に取ったもの。波長の色をグラフにしたものを分光分布、分光分布図という。反射率は%で表す。反射した量の残りは吸収した量となる。吸収する色は、反射しない色と同じになる。分光分布曲線は、ある色光がどの波長の単色光をどのくらい含んでいるのかを波長順にグラフにしたものである。各色を分光反射率曲線で表した場合、反射された波長の光、分光分布の形状はだいたい山の形になっている。

可視光線は、LEDの発光色に使われる。波長による色の見え方は「発光色」と呼ばれる。

スペクトルは3分割して、長波長域、中波長域、短波長域の3つに分けられる。1つの範囲のスペクトルがそれぞれ3分の1ずつの範囲となる。長波長域は600~700nm、中波長域は500nm~600nm、短波長域は400nm~500nm。

可視光線と色[編集]

可視光線に相当する波長は、単色光では、波長の長い方から順に、赤、オレンジ、黄色、黄緑、緑、青緑、青、青紫、濃い紫となる。それぞれの色により、波長の長さが異なる。光の波長の違いで、様々な色相が生じる。可視光線の両端は紫と赤である。なお、波長の定義は一定しない。可視光線のスペクトルの波長の異なる色同士の混合は、光の三原色RGBの混合と同じ原理であり、加法混色の一種、光の原色の一種である。光そのものが作り出している色、色を有する光、色光のことで、光の色なので、光源色の仲間である。可視光線の波長の混色は、同じ加法混色でも、RGB以外の原色も含む。分光反射率曲線の高低差は、彩度か、RGBの輝度を表している。高低差が小さいと彩度が低い色やくすんだ色になる。無彩色は、分光分布は、全ての色の波長が、均等に含まれ、分光反射率曲線の全ての色の波長が水平・平たんでなだらかな状態で、反射率・高低差が全体的に平坦になったまま変化する。有彩色の場合は、反射率の高さと色の明るさが必ずしも一致しない。このように、どの波長の光がどの程度反射されるかによって、色の見え方が決まる。

波長範囲のうち、色空間が広く感じるのは、赤と緑である。色空間が2番目に広く感じるのは青系である。

可視光線の波長が一番長い赤は、色相の角度は0°のみとなる。

ちなみに、波長順は、波長の長い方から順?波長の短い方から順?どっち?

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赤の波長範囲は広く、640nm付近を中心として約630nm~700nmの波長領域まである。

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可視光線の色相における紫は、濃い紫で、可視光線における純色の色相は、終点は青紫で、青紫より波長が短くなると明度が低くなり、輝度が急に低くなり、純色に黒がだんだん混ざり、濃い紫になっていく。一番短い波長は濃い紫で、有彩色の明度は30%程度の色で、濃い紫の光は輝度が非常に低く、色として認識しにくくなる。可視光線の中には、純色の紫である明るく鮮やかな紫や赤紫(マゼンタ)の単色光は存在しない。可視光線には、色相で表すと、赤紫は無いため、これは虹色とほぼ同じである。虹色の各色の境目をグラデーションにしたものとほぼ一致している。可視光線の単色光に存在しない色のことを、非スペクトル色といい、単体の波長を持たない色である。可視光線で、純色の紫(明るく鮮やかな紫)や赤紫を作るには、RGB値で、「1色目=赤」と「2色目=群青色、青紫寄りの青、青紫」の2色を比率の割合で混色されてできる二次色から来ている。可視光線の二次色は複合光である。純色の色相を波長の長い順に並べ、可視光線における純色の両端の赤と青紫を比率の割合で混色して、可視光線の波長に存在しない純色の紫(明るい紫)や赤紫(マゼンタ)を作り出して加え、可視光線の両端をつなげて色の輪ができ、最終的に赤に戻り、色相と等価になり、色相ができあがる。赤紫は、RGB値で、赤と群青色の場合は、比率が4:3で、赤と青紫の場合は、比率が1:1付近である。紫は、RGB値で、赤と群青色の場合は、比率が3:4で、赤と青紫の場合は、比率が1:2である。

可視光線の二次色は、波長の単位nmでは表せない。

紫は、赤と青の中間色、赤と青の混色といわれているが、青の部分が少し紫がかった青(群青色)~青紫寄りの青なら、混色時の色相の角度差が120°以下になり、彩度を高く保つ紫になる。

可視光線に、純色の紫(明るく鮮やかな紫)や赤紫が存在しないということは、赤に戻らず、色の一周にならない、色相が全てではない、というもので、可視光線の終点の濃い紫より波長が更に短く、波長が低く外れたものは紫外線になるという意味である。可視光線の外側は赤外線と紫外線。可視光線の波長の色相は、終点の色相=波長の一番短い色相が紫の理由は、起点の色相=波長の長い色相である赤と区別しやすく、波長の長短を視覚的に区別しやすいからである。紫以外の色彩は純色である。

ニュートンは、やや青みがかった紫(バイオレット)を可視光線の一番短い波長の色として呼んでいた。菫色(バイオレット)は、わずかに紫みの青紫のことで、可視光線では、純色より明度が少し低く、有彩色の明度は40%で、有彩色の明度が純色に比較的近い色として認識される色相の終点である。有彩色の明度が最低40%程度なら、光として認識される色、純色の光として感じられる色となる。

可視光線及び虹に見られる紫系の色は、ほぼ純色として感じられるのは、バイオレット(青みがかった紫)のみである。

短波長域では、純色では、青~青紫まである。

混色[編集]

純色における、紫~マゼンタ付近の色である赤紫は、分光反射率曲線では、赤と群青色~青紫の反射を、スペクトル成分及びRGB値で同時に重ねて組み合わせたもので、赤と群青色~青紫の反射率が高い。

各色相の色を、分光反射率曲線で表した場合、可視光線の単色光に存在する色は、山の形が1つになっている。紫~マゼンタ、赤紫は、山の形が2つになっている。2つの波長域が山となる。

スペクトル成分及びRGBの赤と群青色を比率の割合で混色したときのうち、赤と群青色が3:4なら明るい紫=純色における紫、赤と群青色が1:1ならウェブカラーのマゼンタ(わずかに赤みの明るい紫)、赤と群青色が4:3なら赤紫となる。赤と群青色の配合・比率の割合を変えると、紫が赤紫になるなどの、紫が青みから赤みに至る領域になる。

赤紫は、赤の光を多く反射し、群青色~青紫の光をやや反射している。可視光線で、赤紫に対応する単色光は存在しないということになる。

ピンクLEDは赤紫色で、赤と群青色~青紫の波長の光を同時に同じ場所に重ねて投射した、同時加法混色できている。

また、RGBの加法混合で、可視光線の両端波長、波長が一番長い赤と、波長が一番短い濃い紫を混ぜると、やや赤寄りの赤紫になる。

可視光線の全ての波長の色を均等に100%混色すると、白色光になる。白色光は、色みの無い光で、特定の色を呈すること無く、色を感じることのない光で、無色透明に見える。白色光は、自然光では太陽光であり、また、それに近い人工照明のものもある。白色光は、実際には様々な波長の色の光が混ざり合ってできている。白色光は、スペクトルの全ての波長の異なる色光を含んで収束してできるが、スペクトルに存在する純色のうち、赤、緑、群青色の単色光から作ることもできる。また、白色光は反転色の関係の2色の混色からも作ることができる。白色光は理想の白のことである。

可視光線で、色を混ぜる量の組み合わせ・割合を変えることによって、あらゆる色が作れ、全ての幅広い色を表現することができ、フルカラーが可能になる。

光とは波長の異なる光の集合である。

可視光線で、白は光、黒は影の色である。

物体に光が入射し、光が当たった物体は、その光の一部を吸収し、残りを反射または透過する。色として吸収される色は反転色である。可視光線における混色は、2つ以上の異なる色が物体に反射したもの。

入射光は、可視光線で、あらゆる波長域に渡る全ての光の量を物体に反射する前の光である。

分光[編集]

可視光及び紫外線・赤外線を分光器で波長ごとに分解し、単色光に分けることを「分光」という。光の分解。ある決まった単一の波長の光を「単色光」という。単色光は、波長の構成成分のうち、これ以上分解・分光することができない最小単位の光のことで、光をプリズムなどによって分光して得た単一波長からなる光のことである。単色光は、色光、色を有する光でもあり、白色光に対していう。波長nmの単位で表せる色は、単色光のみである。白色光や太陽の光を分光すると単色光ごとに分かれる。

可視光線スペクトルの中で、最も明るい色は黄色。

可視光線の波長ごとの反射率を計測する機器は「計測器」。

可視光線の波長と色のサンプル[編集]

波長 (nm) カラーコード 色名 色相の角度
700nm #FF0000
640nm #FF0000
615nm #FF4000 朱色 15°
606nm #FF8000 オレンジ色 30°
593nm #FFBF00 ゴールデンイエロー山吹色 45°
584nm #FFEC00 黄色 55.5°
580nm #FFFF00 ウェブカラー黄色=レモン色っぽい黄色 60°
560nm #BFFF00 明るい黄緑 75°
550nm #80FF00 黄緑 90°
520nm #00FF00 120°
505nm #00FF80 エメラルド色 150°
496nm #00FFD2 青緑色 169.5°
485nm #00DFFF 水色、シアン 187°
470nm #0080FF 明るい青 210°
460nm #0040FF 青、真っ青 225°
450nm #0000FF 群青色、光の三原色の青 240°
430nm #4D00FF 青紫 258°
418nm #7100E1 バイオレット 270°
380nm #770095 濃い紫 288°

虹の色[編集]

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太陽光が空気中の水滴により分離して発生するは、人間では大抵以下の7色の色彩とされる。虹は最も壮大なスペクトルといえる。

← 波長が短い  波長が長い →

 水色


虹色のサンプル→

              

虹色の色表記は、「赤、オレンジ、黄色、緑、ターコイズブルー、青、紫」、または、「赤、オレンジ、黄色、緑、セルリアンブルー、群青色、バイオレット」でも間違いではない(?)。

可視光線に見られる紫の色相は、濃い紫であるが、虹の中に見られる紫の色相は、純色の紫=明るい紫に見えることがある。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]

← 波長が短い(周波数が高い) 波長が長い(周波数が低い) →
γ線X線紫外線可視光線 ・  ・  ・ シアン ・  ・  ・  ・ )~ 赤外線電波
関連 周波数
基礎的事象 可視光線 · 色覚 · 色覚異常 · 色覚恒常 ()
基礎的概念 色彩理論 () · 色空間 · 配色 · 反転色 · 補色 · 加法混合 · 減法混合 · 色名 · 原色 · 純色 · 有彩色 · 無彩色 · 混色 · 二次色 · 三次色 () · 中間色 · ホワイトバランス · アルファブレンド
色の三属性 色相 · 彩度 · 明度
色名
基礎的な色  ·  ·  ·  ·  · シアン/藍 · マゼンタ/紅 · 黄色
代表的な二次色 紫色 · 碧色 · 橙色 · 褐色 · 灰色
分野
印刷 網点 · CMYK · 特色(スポットカラー)
コンピューター 色深度 · ウェブカラー · X11の色名称
研究者 ドルトン · ヤング · プルキニェ · グラスマン · E.W.V.ブリュッケ () · ヘルムホルツ · ヘリング · ベゾルト () · マッハ · オストヴァルト · ゴールドシュタイン () · グラニト · マクアダム
表色系
混色系 CIE XYZ · CIE RGB · CIE Lab · CIE Luv · CIE Yuv · CIE UVW · CIECAM02 () · オストワルト表色系 · Rec._2020 · RGB · YUV
顕色系 HSV · HSL · マンセル表色系 · NCS · PCCS
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