明度
明度(めいど、英:lightness)とは、色の明るさを表す指標。色の三要素の一つ。色相を維持して、一つの色相を使い、色の濃淡・濃淡明暗・深浅だけを変化させたもの。有彩色と白、有彩色と黒の中間は、同じ色相に対する明度。黒から白までのグラデーションと、黒から純色、そして純色から白へのグラデーションで表現される。色の明るさ・暗さの度合い。無彩色の濃淡明暗。明暗に関する属性。色に関係なく、物体色に属する明るさだけの要素である。明度の表現は、「高い・低い」で表現し、決して明度が明るい・暗いとは表現しない。0から10までの数で表し、数字が大きいほど明度が高いことを表す。黒と白との中間にさまざまな階調の灰色がある。黒から白までを10段階に分類し、無彩色の頭文字を取ってN1~N9などと表記する。明度0が黒で完全吸収、明度10が白で完全反射、明度5が灰色。白と黒の中間の部分には、あらゆる明度の灰色が存在する。無彩色の場合、色の変化は明度のみで決まる。等色相面では、上に白を置き、下に黒を置く。マンセル表色系の明度は、理想の白を10、理想の黒を0として、その間の明度段階を9段階に尺度化されている。理想の白は真っ白、理想の黒は真っ黒である。この数値が大きいほど明度が高く、明るい色及び薄い色になる。明度を高くすると、色が薄くなり、写真に薄くて白い布を被せていくイメージになり、明度を低くすると、灰色がかり、写真に薄くて黒い布を被せていくイメージになる。「明度が高い」を強調すると、薄い色になる。無彩色では、ブラック、ダークグレー、ディープグレー、ミディアムグレー、ライトグレー、ペールグレー、ホワイトとなる。明度段階は、白・黒・灰色を含めて、見た目の明るさが等間隔になるように明度段階を設けている。
明度の変化は、段階的に変化する調子と、滑らかに変化する調子がある。
明度の基本は0~10の11段階だが、小数点以下まで使われている。理想的には光の全反射で明度10の白、光の全吸収で明度0の黒になるが、このような白や黒を作ることは困難なため、一般的には、白は9.5、黒は1を用いる。
明度は白を9.5、黒を1.0として0.5刻みで表した17段階で表す。明度を簡略化して示す場合は、9.5、8.5、…1.5の整数+0.5の9段階で表す。
ペイントにおける明度の値は、0~240の整数、240段階で表される。
明度は、パーセンテージで表すと、無彩色では、明度は、0%が黒、50%が灰色、100%が白となり、彩度100%の有彩色の状態では、明度は、0%が黒、50%が純色の色相、100%が白となる。
明度段階は、白・灰色・黒は、色相を持たないので無色・無彩色であるが、物体の色では白・灰色・黒はそれぞれ別の色として知覚されることがある。CMYKで、黒インキのみの網点による濃淡表現でもある。白は最も膨張して見える色で、黒は最も収縮して見える色である。
色相を輝度でモノクロ化=グレースケールに変換すると、黄色が最も明度が高く、明度がそれぞれ違う。明度でモノクロ化は、単に彩度を下げたものである。