構造色

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

構造色(こうぞうしょく)とは顔料色素による発色ではなく、その物質の構造に基づいた発色現象である。モルフォ蝶の生きた宝石と呼ばれるほど美しい青の発色もその翅の構造に由来するものであるほか、コンパクトディスクの記録面が虹色に見えるのも記録面の微細な凹凸の構造により発色するものである。

概要[編集]

通常の発色は物質の表面にが当たり、その光の波長が吸収または乱反射されることで特定の色として視認することができる[注 1]。この時、すべての色の波長が等しく反射されれば白色に、等しく吸収されれば黒色になるほか、赤色の波長が吸収されればシアンに、緑の波長が吸収されればマゼンタ、青の波長が吸収されればイエローとなる[1]

構造色はこの光の吸収によらず、構造により光の波長が干渉を受けたり、光が回折したり、またはその両者により発色する。その構造が破壊されない限りは発色するため、色素などと違って色あせることがなく、自動車塗料などとして実用化が期待されている。

類似の現象[編集]

構造色として分類されることは少ないが、光の波長より小さな粒子により光が散乱し、特定の色に見える現象はレイリー散乱とよばれ、牛乳が白く見えたり、の色が青や紅に染まるのもこの現象によるものである。なお、光の波長と同程度の粒子により光が散乱するばあいはミー散乱と呼ばれ、雲が白く見えたり、チンダル現象の原因になったりする。

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 正しい反射は鏡にのようになる

出典[編集]

参考文献[編集]

基礎的事象 可視光線 · 色覚 · 色覚異常 · 色覚恒常 ()
基礎的概念 色彩理論 () · 色空間 · 配色 · 反転色 · 補色 · 加法混合 · 減法混合 · 色名 · 原色 · 純色 · 有彩色 · 無彩色 · 混色 · 二次色 · 三次色 () · 中間色 · ホワイトバランス · アルファブレンド
色の三属性 色相 · 彩度 · 明度
色名
基礎的な色  ·  ·  ·  ·  · シアン/藍 · マゼンタ/紅 · 黄色
代表的な二次色 紫色 · 碧色 · 橙色 · 褐色 · 灰色
分野
印刷 網点 · CMYK · 特色(スポットカラー)
コンピューター 色深度 · ウェブカラー · X11の色名称
研究者 ドルトン · ヤング · プルキニェ · グラスマン · E.W.V.ブリュッケ () · ヘルムホルツ · ヘリング · ベゾルト () · マッハ · オストヴァルト · ゴールドシュタイン () · グラニト · マクアダム
表色系
混色系 CIE XYZ · CIE RGB · CIE Lab · CIE Luv · CIE Yuv · CIE UVW · CIECAM02 () · オストワルト表色系 · Rec._2020 · RGB · YUV
顕色系 HSV · HSL · マンセル表色系 · NCS · PCCS
関連項目 色名一覧 · 色立体 · カラーチャート · グレースケール · 明るさ · 蛍光色 · 言語による青と緑の違い () · 緑#緑をさす「青」 · グルーのパラドックス · 色彩調和論 · 色素 · 視覚効果 · 透明 · 無色 · 日本の色の一覧 · 日本の伝統色 · バルール · パレット · パーソナルカラー · ヒトの髪の色 · ヒトの虹彩の色 · ヒトの肌の色 · 不可能な色 · 構造色