γ線
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γ線(ガンマせん)とは、電磁波の一種であり、波長は紫外線より短く、おおむね100ピコメートル以下、周波数は紫外線より高く、おおむね2エクサヘルツ以上である。
概要[編集]
γ線はX線より波長が短く、周波数も高いことが多いが、γ線とX線は波長によって区別されるのではなく、原子核から放出されるのがγ線、原子の原子核の外側の部分から放出されるのがX線という定義になっているため、X線より波長の長いγ線も存在する。γ線は、α線、β線と同様、放射線の一種であるが、α線、β線と異なり、γ線を出す原子核は核内のエネルギーの一部を電磁波の形で放出するのであるから原子核そのものは同じで核の崩壊とはならない。
γ線放射[編集]
放射性崩壊 も参照。
- α崩壊やβ崩壊によってできた原子核は、高いエネルギーを持った状態の場合が多い。このため、エネルギーの低い、より安定な状態に移るために余分のエネルギーを電磁波(γ線)として放出する。これがγ線放射である。したがって、γ線放射のみを起こす原子核は存在しない。γ線は電磁波であるから、この放射の前後で、その原子核のZもAも変化することはない。
用途[編集]
γ線はX線と同様に、透過性があるため、物を壊さずに内部を撮影するのに使用されている。金属製品の内部構造や破損箇所を知るのに利用される。このような技術をラジオグラフィーという。
放射線による障害[編集]
生物にとって最も危険な放射線は電離作用の強いα線である。しかし、γ線も透過力が強いので体内深く進入し、細胞破壊を起こすのでたいへん危険である。
その他[編集]
γ線を照射する装置を使うにはγ線透過写真撮影作業主任者の資格が必要になる。
参考文献[編集]
力武常次、都築嘉弘『チャート式シリーズ新物理ⅠB・Ⅱ』数研出版株式会社新制第11刷1998年4月1日発行