乗降促進

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乗降促進(じょうこうそくしん)とは、鉄道車両の車外スピーカーから発車ベルの補助的な役割をするシステム。

概要[編集]

通勤ラッシュなど乗降が多いときによく扱われる。

車外スピーカーからメロディを流すことのできる車両も存在するが、車外スピーカーから流れるメロディは乗降促進メロディと言われ、発車メロディとは別物として区別される。

また、駅の放送装置が故障した場合などは発車メロディを扱わず全列車乗降促進の対応が行われることがある。

また、東京メトロ東西線日本橋駅葛西駅などでホームドアが設置されてから稼働開始までの間は発車メロディの使用を停止し乗降促進での対応となっていた。

また、常磐線各駅停車では2018年から駅の発車メロディを使用停止し、全列車が全ての駅で乗降促進を使用し発車している。 だが、常磐線各駅停車とその直通先を走る車両には使用停止直後は車外スピーカーが搭載されてないため乗降促進を流せない東京メトロ6000系電車JR東日本209系電車も在籍していた。 この場合乗降促進を流せない2形式を使用した電車は引き続き駅の発車メロディを使用した。 現在はこれらの車両が引退したため、常磐線各駅停車の駅では発車ベルのスイッチが撤去されている。

ワンマン運転を実施している場合、E531系E721系など全駅で乗降促進を流す場合、東京メトロ副都心線東京メトロ丸ノ内線のように運転士が駅の発車メロディを扱う場合、701系のように何も流さない場合[1]とある。

なお京阪中之島線中之島駅等でも乗降促進メロディが流れるが、こちらは駅のホーム上のスピーカーから流れるのでここでは省略する。

乗降促進メロディ[編集]

一部の路線では、車外スピーカーから特定の発車メロディが流せる。

基本的に路線ごとに曲は決まっているが、E531系のように運行区間の駅で流れているご当地メロディを全て流すことができる車両も存在する。[2]

JR東日本[編集]

209系3500番台、E235系E233系E531系E231系(一部除く)、E721系E129系E131系EV-E301系EV-E801系E261系で流せる。

曲はgota del vientWater Crown(どちらも半音低いバージョン)が流れる。 E129系とE721系、EV-E301系はWaterCrownしか流せない。 また、209系3500番台とE721系は他の形式と異なり低音のメロディが流れる。

サフィール踊り子用のE261系が使用する曲は、下りは「Blue Horizon」、上りは「空・海・光」である。

東京メトロ東西線直通のE231系800番台はメトロ線内ではメトロの乗降促進メロディに対応しておらず、ブザーが流れる。

水郡線キハE130系では乗降促進で電子ベルが流れる。

先述の通り常磐線各駅停車では全列車が全駅[3]乗降促進を発車メロディのかわりに使用している。

蛇足となってしまうが、甲信越では車掌が電子笛を所持しており発車ベルの代わりに鳴らすことが多い。なお、聞けるのは甲府以西のみ。

仙台空港鉄道[編集]

E721系500番台と構造が同じSAT721系で同じメロディ(Water Crown)と放送を流す。

東京メトロ[編集]

東京メトロでは、路線ごとに別の曲を使用している。

銀座線[編集]

銀座線ではA線(渋谷方面)に水の都、B線(浅草方面)に小鳥のワルツを使用している。

丸ノ内線[編集]

丸ノ内線ではA線(荻窪方南町方面)に街並みはるか、B線(池袋方面)に舞フラワーを使用している。 方南町支線は3両編成では発車メロディを扱えず促進で発車することや、混雑時や遅延したらすぐ促進を扱うので難易度は東京メトロの乗降促進の中で最も低い。

東西線[編集]

東西線ではA線(西船橋方面)にスカイブルー、B線(中野方面)にアゲハ蝶のワルツを使用している。 ホームドア設置直後はしばらくその駅では発車メロディの使用を停止するため、そのときを狙えば簡単に収録できたが、最近設置された西葛西駅では使用停止されなかったので今後もホームドア設置直後の発車メロディ使用停止は行われないと思われる。

東京メトロ05系電車の一部と直通先の車両であるE231系、東葉高速鉄道2000系電車はスカイブルー、アゲハ蝶のワルツともに流すことができず、ブザーが流れる。

千代田線[編集]

千代田線ではA線(代々木上原方面)にすべてはここから始まった、B線(綾瀬方面)に色鉛筆を使用している。 難易度は色鉛筆のほうが比較的低い。 北綾瀬支線はA線(綾瀬方面)にGo Forward、B線(北綾瀬方面)にかぎろいを使用していて、本線より難易度がさらに高い。

直通先ではJR線内はJRの乗降促進メロディ、小田急線内は小田急の乗降促進メロディが流れる。

南北線[編集]

上下線とも音無川の流れを使用していたが、相鉄・東急直通線の開業に前後して相鉄線と同一のものに変更された。 上下線でバージョンが異なる。 丸ノ内線の次に聞ける可能性が高い。

有楽町線・副都心線[編集]

有楽町線副都心線では、A線(新木場・渋谷方面)に未来電車、B線(和光市方面)にRapidを使用している。 新宿三丁目駅が一番鳴りやすい駅だが、池袋駅などでも乗降が多いと鳴ることがある。 曲は有楽町線と副都心線で共通。

半蔵門線[編集]

半蔵門線ではA線(押上方面)に新しい仲間、B線(渋谷方面)に晴れ晴れとを使用している。

乗降促進メロディの難易度は東京メトロ最難関。

日比谷線[編集]

日比谷線は東京メトロで最も最後に乗降促進メロディが搭載された。 A線(中目黒方面)にメトロの休日、B線(北千住方面)に七色の翼を使用している。

東急電鉄・相模鉄道[編集]

東急目黒線東急新横浜線相鉄本線いずみ野線相鉄新横浜線でメロディを使用。上りと下りで曲が違う。曲名不明。作曲は向谷実。 また、2024年のワンマン運転開始に伴い、東急東横線内ではブザーを使用している。

青い森鉄道・阿武隈急行[編集]

青い森鉄道阿武隈急行では、JR東日本のE721系と同一仕様の車両を一部導入していて、その編成は乗降促進を流せる。 青い森鉄道の青い森703系は青い森のファンタジー、阿武隈急行のAB900系はPastoral・光Pastoral・風いうどちらも専用のメロディが流れる。

しなの鉄道[編集]

SR1系で使用している。曲は「信濃の国」。

JR東海・愛知環状鉄道[編集]

211系5000番台以降のすべての通勤車両に乗降促進メロディが搭載される。曲名不明の専用メロディである。

313系と構造が同じ愛環2000系も同じメロディと放送を流す。

なお一部の編成は音割れをしている。

名古屋鉄道・名古屋市営地下鉄[編集]

6000系等を除くすべての車両で流せる。こちらも曲名不明の専用メロディである。

瀬戸線小牧線では頻繁に鳴る。乗り入れ先の名古屋市営地下鉄の7000形も同じメロディを流すことができる。

千葉都市モノレール[編集]

0形で使用。曲名不明で現在の曲は2代目。初音ミクのライブ「マジカルミライ」開催時に当形式を使用したラッピング列車「MIKU FLYER」では、その年のマジカルミライのテーマソングが促進メロディとして流れる。

脚注[編集]

  1. 車外スピーカーがないためそもそも何も流すことができない
  2. 若い港寒い朝幸せなら手をたたこうジェンカあしたの風とひとつになって七つの子シャボン玉が流れたという目撃情報がある
  3. ただし東京メトロ管轄の綾瀬駅は東京メトロの駅側の発車メロディを使用