阪和線の歴史

阪和線の歴史(はんわせんのれきし)とは、阪和電気鉄道が開業した現在の阪和線が辿った計画、建設、営業形態の変遷のことである。

概要

大阪湾沿いの大阪府の泉州地方の各都市と和歌山市を山寄りに結ぶ鉄道路線である。西側に並行する南海電気鉄道が歴史が古く、何度か国家による買収を画策されたが不調に終わった。一方、大阪市内と紀勢西線を最短距離で結ぶ鉄道の計画がなされ、幾度の曲折を経て阪和電気鉄道が開業。伊勢電気鉄道同様、強力モーターを搭載した高速電車の運転等の強気の経営をしたが、太平洋戦争前に南海鉄道との合併を経て、戦時国有化された。
戦後、国有化に不服だった旧阪和電気鉄道の経営陣が国に対し路線の払い下げを要求したが、大阪市内と紀州を結ぶ虎の子路線のため国鉄発足前の運輸省は拒絶。同じように戦時国有化された私鉄の再興や払い下げが許されないこととなった。
国有化後も1968年10月1日改正まで阪和電鉄時代の車両が使用された。

路線データ

• 軌間-1067mm
• 規格-
• 線路数
  • 天王寺駅-和歌山駅:複線
  • 鳳駅-東羽衣駅:単線
• 電化設備-直流1500V
• 閉塞装置-
• 保安装置-

沿革

• 1930年6月16日：阪和電気鉄道天王寺駅-東和歌山駅開業。天王寺駅で関西本線と城東線、東和歌山駅で紀勢西線と接続する。
  • 7月1日：阪和浜寺駅近くに阪和浜寺海水浴場を開設。
• 1940年12月1日：南海鉄道と合併。南海鉄道山手線となる。
• 1944年5月1日：運輸通信省阪和線となる。
• 1945年5月19日：運輸省所管となる。
• 1949年4月1日：公共企業体発足で、日本国有鉄道線となる。
• 昭和43年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正 - 阪和電気鉄道引き継ぎ車が引退。
• 昭和59年2月1日日本国有鉄道ダイヤ改正 - 旧型客車引退。
• 昭和60年3月14日日本国有鉄道ダイヤ改正 - 定期急行列車全廃。特別急行列車に統一。
• 昭和61年11月1日日本国有鉄道ダイヤ改正 - 客車列車廃止。
• 1987年4月1日：国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道、日本貨物鉄道の鉄道路線(幹線)となる。
• 1994年9月4日：関西空港線開業、日根野－天王寺の快速が関空快速に置き換えられる。日根野が全快速停車駅に昇格。
• 1999年5月10日：紀州路快速が運行を開始。六十谷、紀伊、三国ヶ丘が快速停車駅に昇格。

1968年10月1日の駅一覧

駅名	営業キロ	普通	直行	快速
天王寺駅	0	0514	0605	0742
美章園駅	1.5	0516	↓	↓
南田辺駅	3.0	0518	↓	↓
鶴ケ丘駅	3.9	0520	↓	↓
長居駅	4.7	0522	↓	↓
我孫子町駅	5.9	0524	↓	↓
杉本町駅	6.9	0526	↓	↓
浅香駅	7.9	0528	↓	↓
堺市駅	8.8	0529	0613	↓
三国ケ丘駅	10.2	0532	↓	↓
百舌鳥駅	11.1	0533	↓	↓
上野芝駅	12.4	0536	↓	↓
津久野駅	13.7	0538	↓	↓
鳳駅	15.1	0540	0619	0806
富木駅	16.3	0542	↓	↓
北信太駅	18.0	0545	↓	↓
信太山駅	19.4	0547	↓	↓
和泉府中駅	20.9	0549	0624	0811
久米田駅	23.9	0552	0628	↓
東岸和田駅	26.9	0555	0631	↓
東貝塚駅	28.1	0558	0633	↓
和泉橋本駅	30.0	0600	0635	↓
東佐野駅	31.5	0602	0638	↓
熊取駅	33.0	0605	0640	0821
日根野駅	34.9	0608	0642	↓
長滝駅	36.3	0610	0645	↓
新家駅	38.6	0613	0648	↓
和泉砂川駅	40.5	0615	0651	0828
和泉鳥取駅	43.3	0619	0654	↓
山中渓駅	45.2	0621	0657	↓
紀伊駅	53.3	0629	0705	↓
六十谷駅	57.2	0633	0709	↓
紀伊中ノ島駅	60.2	0637	0715	0847
和歌山駅	61.3	0639	0717	0849
終着

関連項目

• 紀勢本線の歴史
• ヨン・サン・トオ

参考文献

• 鉄道ピクトリアルNo.728｢【特集】阪和線｣2003年2月1日発行
• 『時刻表復刻版1968年10月号』JTBパブリッシング2021年11月1日初版発行。