JR東海HC85系気動車
2023年ブルーリボン賞受賞車両 |
HC85系気動車(エイチシー85けいきどうしゃ)とは、JR東海が保有、運用しているハイブリッド式特急型気動車である。
概要[編集]
特急ひだ、南紀で活躍しているキハ85系気動車を置き換える目的で導入。
JR東海では初の、液体変速機を持たないモータ駆動のシリーズハイブリッド気動車であり、2019年に竣工した試作車編成の車番もクモハ85-1、モハ85-1、モハ85-101、クモロ85-1とシリーズハイブリッド鉄道車両では初めて電車の制御電動車、電動車の車番が与えられている。
JR他社が達成していないハイブリッド気動車初の最高速度120km/hで運行中。
2022年3月には100%バイオ燃料の使用試験が始まっている。
編成はグリーン車組み込みの4連、モノクラスの4連、モノクラスの2連が運用開始時に用意されている。
キハ85系と同様、本系列は車体傾斜装置を持たない。
運用[編集]
- 2022年7月1日に高山本線の特急ひだで営業運転を開始し、23年3月の改正までに計54両を投入。
- 23年度にも7月6日までに14両を追加投入して全68両が出揃った。
- 2025年9月までにさらなる増備も計画されている。
- 2023年3月ダイヤ改正で特急ひだの全定期列車を置き換えた。大阪発着、富山発着も存置されたが、いずれも所定はグリーン車なしの2両となっている。
- 特急「南紀」についても、2023年7月に一気に置き換えた。こちらも所定はグリーン車なしの2両。
乗務[編集]
本形式は、甲種内燃車運転免許・甲種電気車運転免許所持者とも、追加の知識や技能講習を受けるだけで乗務が可能で、乗務員運用の合理化にも貢献できる。だったら、名鉄も、北陸新幹線開通以降、富山早朝発/宵口着のカットされた特急として「北アルプス」に一般席電車混結可能なキハ8500系の後継車を投入して復活すればいいのに…。
構造[編集]
車体[編集]
車体はステンレス製。飛騨、南紀地方の文化や自然とJR東海のコーポレートカラーであるオレンジ色を融合させたデザインである。オリジナルのロゴが車体についている。
内装[編集]
普通車は、沿線の紅葉や祭り、花火をイメージした赤系の座席を、グリーン車は、飛騨地方の川や、南紀地方の夕暮れの空をイメージした青と緑のグラデーションの座席を、4列で配置している。
編成に3か所車いすスペースを設け、多機能トイレやLCDの案内表示器を搭載している。無料Wi-Fiも使用可能。
また、車内には沿線の工芸品を展示する「ナノミュージアム」がある。車両ごとに展示している工芸品は異なる。
その他[編集]
- 制御電動車は運転席と客室が壁で仕切られており、前面眺望ができない。JR東海が特急で『ワイドビュー』の冠称を止めたのは、これが原因と推察される。
- 車番が国鉄名鉄局、静鉄局でも運行していた国鉄モハ80系電車と類似するが、車番表記にハイフンが無い点が異なる。
- 2024年秋に予定されている関西線の名古屋 - 奈良間直通列車の実証運行について、使用車両として本系列が最有力候補となっている。
関連項目[編集]
- JR東海373系電車 - 最新の特急用電車
- JR東海キハ25形気動車 - 最新の近郊用気動車
- JR西日本189系気動車 - 西日本の最新特急用気動車
- JR四国2700系気動車 - 四国の最新特急用気動車(振り子機能付き)
- JR東日本HB-E300系気動車 - 東日本の観光用ハイブリッド気動車
JR東海の鉄道車両 |