樹木希林

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樹木 希林(きき きりん、昭和18年(1943年1月15日 - 平成30年(2018年9月15日)は、日本女優。本名は内田 啓子(うちだ けいこ)。旧芸名は悠木千帆(初代)。昭和・平成を代表する女優のひとり。

来歴[編集]

東京府(現在の東京都)出身。父親は薩摩琵琶奏者。昭和36年(1961年)に文学座に入り、悠木千帆の芸名でデビューする。テレビドラマ「七人の孫」のお手伝いさんの役で女優として一躍有名になった。文学座を退団すると、主にテレビドラマで活躍し、ユニークな脇役として強い個性と存在感を示した。若い頃から老け役を多く務めていた関係から、ホームドラマの「寺内貫太郎一家」では小林亜星が演じた主人公母親役を演じ、沢田研二ポスターの前で「ジュリー!」と身もだえする場面で人気を集めた。現在の芸名である樹木希林に改名したのは昭和52年(1977年)であるが、これは黒柳徹子が司会を務めた番組内のオークション企画に悠木千帆[注釈 1]の芸名を出品して2万2000円で売却したという逸話がある。

テレビドラマ、CM、映画など幅広く活躍し、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」と「わが母の記」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞する。平成20年(2008年)には紫綬褒章を受章し、平成26年(2014年)には旭日小授章を授章する。

平成16年(2004年)に乳癌を患って癌との闘病生活を続けており、この翌年の1月に右乳房を全摘出する手術を受けた。順調に回復していたが既に13箇所に転移しており、平成25年(2013年3月には全身癌であることを日本アカデミー賞主演女優賞に輝いた壇上において公表していた。鹿児島県クリニックで治療を受けたりして小康状態を保ちながら仕事は続けていたという。だが晩年は体調の悪化で舞台裏では車椅子を使っていた。

平成30年(2018年)8月13日に左大腿骨を骨折して8月15日に入院して手術を行なう。一時は危篤状態になっていたという。本人が最期は自宅で死去することを望んで希望通りに自宅に戻り、9月15日午前2時45分に東京都渋谷区の自宅で娘家族に看取られながら死去した。75歳没。

夫の内田とは昭和48年(1973年)に再婚して子供もいるが、別居婚で45年も過ごしていたという。樹木の死去に内田は「大きなショックを受けている」という。また私生活では昭和39年(1964年)に俳優の岸田森と結婚して4年後に離婚している。

最後の仕事は8月16日のゲストで出演予定だったNHKBSプレミアムの生番組である「大中継! にっぽんのお盆」の電話出演だった。

家族[編集]

親族[編集]

出演[編集]

テレビドラマ[編集]

映画[編集]

劇場アニメ[編集]

テレビ番組[編集]

  • 日本語歳時記・大希林(NHK)
  • 23時ショー(NETテレビ(現:テレビ朝日)系)司会
  • NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体II 脳と心(NHK)
  • NHKスペシャル 病の起源(1)睡眠時無呼吸症 〜石器が生んだ病〜(NHK)
  • 温故希林〜樹木希林の骨董珍道中(NHK BSプレミアム)
    • 温故希林〜樹木希林の骨董珍道中 日本篇(全4回、2011年)
    • 温故希林〜樹木希林の骨董珍道中 韓国篇(全3回、2012年)
    • 温故希林〜樹木希林の骨董珍道中 台湾篇(全3回、2013年)
  • NHKスペシャル あなたは未来をどこまで知りたいですか〜運命の遺伝子〜(2013年7月7日、NHK総合)
  • 神宮希林(東海テレビ、2013年11月3日) - 東海テレビ開局55周年記念番組[9]
  • 戦後70年 樹木希林ドキュメンタリーの旅(東海テレビ、2015年8月8日・10日・12日・13日・14日・15日)[10]
  • 直撃!シンソウ坂上西城秀樹さん追悼特集(2018年5月24日、フジテレビ) - ナレーション[11]
  • ザ・ノンフィクション』「転がる魂 内田裕也」(フジテレビ、2018年7月29日・8月5日) - ナレーション

広告[編集]

レコード・CD[編集]

  • お化けのロック(1977年、TBS「ムー」劇中歌、郷ひろみとのデュエット)
  • 林檎殺人事件(1978年、TBS「ムー一族」劇中歌、郷ひろみとのデュエット)
  • 2人のすべて(1995年、TBS「輝け隣太郎」主題歌、唐沢寿明とのデュエット。

受賞歴[編集]

対象作品
1986年 日本女性放送者懇談会賞[17]
2005年 第37回芸術選奨文部大臣賞 『はね駒』
2005年 第26回ヨコハマ映画祭助演女優賞 半落ち
2005年 第28回日本アカデミー賞優秀助演女優賞 『半落ち』
2007年 第31回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞 東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜
2007年 第20回日刊スポーツ映画大賞助演女優賞 『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』
2008年 紫綬褒章
2009年 第30回ナント三大陸映画祭最優秀女優賞 歩いても 歩いても
2009年 第33回報知映画賞最優秀助演女優賞 『歩いても 歩いても』
2009年 第51回ブルーリボン賞助演女優賞 『歩いても 歩いても』
2009年 第82回キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞 『歩いても 歩いても』
2009年 第32回日本アカデミー賞優秀助演女優賞 『歩いても 歩いても』
2011年 第34回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞 悪人
2012年 第4回TAMA映画賞最優秀女優賞 わが母の記
2012年 第25回日刊スポーツ映画大賞助演女優賞 『わが母の記』『ツナグ[18]
2013年 第36回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞 『わが母の記』
2014年 旭日小綬章
2015年 第28回東京国際映画祭 ARIGATO賞[19]
2015年 山路ふみ子映画賞女優賞 あん[20]
2015年 第7回TAMA映画賞 最優秀女優 『あん』『駆込み女と駆出し男』『海街diary[21]
2015年 第40回報知映画賞 主演女優賞 『あん』[22]
2016年 第37回ヨコハマ映画祭 特別大賞 『あん』[23]
2016年 第39回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞 『あん』[24]
2016年 第9回アジア太平洋スクリーンアワード 女優賞 『あん』[25]
2016年 第37回ヨコハマ映画祭 特別大賞[23]
2016年 第42回放送文化基金賞・演技賞 『いとの森の家』[26]
2016年 第10回アジア・フィルム・アワード・特別功労賞[27]
2017年 第26回日本映画批評家大賞・ダイヤモンド大賞(淀川長治賞)[28]
2018年 第12回ジャパン・カッツ カット・アバブ賞 モリのいる場所[29][30]

脚注[編集]

注釈
  1. 悠木千帆の芸名はオークションの落札者が所有後、2004年に女優・山田和葉に譲渡され、2代目として活躍中である。
出典
  1. 樹木希林、認知症の役は「やりたがる役者がいないので私に回ってくる(笑)」”. cinemacafe.net (2012年4月18日). 2016年9月10日確認。
  2. “樹木希林、人生初のお伊勢参りが映画に”. シネマトゥデイ. (2014年8月19日. http://www.cinematoday.jp/page/N0060686 2014年12月11日閲覧。 
  3. “樹木希林、河瀬直美新作で主演「死ぬ死ぬ詐欺みたいね」”. シネマトゥデイ. (2014年12月11日. http://www.cinematoday.jp/page/N0068910 2014年12月11日閲覧。 
  4. “阿部寛、今度は夢追う“ダメ中年”!? 樹木希林と親子役…是枝監督最新作『海よりもまだ深く』”. シネマカフェ. (2015年12月25日. http://www.cinemacafe.net/article/2015/12/25/36667.html 2015年12月25日閲覧。 
  5. “樹木希林がナレーション担当、建築家・津端修一とその妻の暮らし追った記録映画が公開”. 映画ナタリー. (2016年10月17日. http://natalie.mu/eiga/news/205620 2016年10月18日閲覧。 
  6. 樹木希林のギャラはタダ!?「もう困った時の樹木希林というのはナシ」”. MovieWalker (2017年5月27日). 2017年6月5日確認。
  7. 小山美咲 (2017年10月10日). “山崎努&樹木希林、56年の時を経て夫婦役で初共演!”. シネマトゥデイ. 2018年5月25日確認。
  8. ブレイブ ストーリー”. GONZO公式サイト. 2016年6月28日確認。
  9. 神宮希林”. 東海テレビ. 2015年8月8日確認。
  10. 戦後70年 樹木希林ドキュメンタリーの旅”. 東海テレビ. 2015年8月8日確認。
  11. “フジで西城秀樹さん追悼特番、坂上忍が故人ゆかりの人に直撃取材”. SANSPO.COM. (2018年5月23日. http://www.sanspo.com/geino/news/20180523/geo18052305030017-n1.html 2018年5月25日閲覧。 
  12. 「No.1ストレートトーク」篇 樹木(15秒) Softbank
  13. “【樹木希林さん出演、宝島社 企業広告】「死ぬときぐらい好きにさせてよ」が「読売広告大賞」グランプリ受賞” (プレスリリース), dot.ドット 朝日新聞出版, (2016年4月18日), オリジナル2016年5月25日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20160525162205/https://dot.asahi.com/business/pressrelease/2016041800225.html 2016年5月15日閲覧。 
  14. “「三井のリハウス」新作TVCF放映開始 〜樹木希林さんを祖母役に起用し、大切な家を売却する家族の思いを表現〜” (プレスリリース), 三井不動産リアルティ, (2016年8月19日, https://www.mf-realty.jp/news/2016/20160819_01.html 2016年9月10日閲覧。 
  15. 「年齢を受け入れて着たい服を着る」樹木希林がそごう・西武のプロジェクト新アイコンに”. Fasionsnap.com NEWS. レコオーランド (2016年9月8日). 2016年9月10日確認。
  16. “Mastercardが「pricelessを選ぼう。」キャンペーンを開始” (プレスリリース), マスターカード, (2017年6月1日, http://newsroom.mastercard.com/asia-pacific/ja/press-releases/newsroom-170601/ 2017年6月5日閲覧。 
  17. 歴代受賞者”. 日本女性放送者懇談会 SJWRT. 2016年6月21日確認。
  18. “樹木の「底が知れない」才能 / 映画大賞”. nikkansports.com. (2012年12月29日. https://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp1-20121229-1065690.html 2017年8月31日閲覧。 
  19. 東京国際映画祭“ARIGATO賞”新設、受賞者に樹木希林、広瀬すず、細田守ら”. 映画ナタリー (2015年10月15日). 2015年10月15日確認。
  20. 「第39回山路ふみ子映画賞」に是枝裕和監督の「海街diary」”. 映画.com (2015年10月18日). 2015年10月19日確認。
  21. 第7回TAMA映画賞|第25回映画祭TAMA CINEMA FORUM”. TAMA CINEMA FORUM (2015年). 2015年11月21日確認。
  22. 【報知映画賞】樹木希林、地方の体育館上映で見えた「出不精のおばあさんも映画が大好き」”. スポーツ報知 (2015年11月26日). 2015年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月28日確認。
  23. a b 綾瀬はるかや広瀬すずも爆笑!樹木希林の爆笑スピーチ”. Movie Walker (2016年2月7日). 2016年2月8日確認。
  24. 第39回日本アカデミー賞優秀賞決定!—”. 日本アカデミー賞公式サイト. 2016年1月21日確認。
  25. 樹木希林、『あん』で初のアジア太平洋・女優賞獲得「一番の年上ということで…」”. シネマカフェ. 2016年5月11日確認。
  26. “第42回「放送文化基金賞」表彰対象について” (プレスリリース), 公益財団法人 放送文化基金, (2016年6月8日, http://www.hbf.or.jp/upload/42kisha.pdf 2016年6月8日閲覧。 
  27. 樹木希林が第10回アジア・フィルム・アワード特別功労賞を受賞、日本人では2人目”. 映画ナタリー (2016年3月3日). 2016年3月3日確認。
  28. 樹木希林、“功労賞”受賞も「ちっとも功労していない」”. ORICON NEWS. オリコン (2017年5月16日). 2017年6月5日確認。
  29. 樹木希林、北米映画祭で受賞も「それは何ですか?」と情報知らず”. クランクイン!. ハリウッド・チャンネル (2018年5月19日). 2018年5月25日確認。
  30. “樹木希林、北米の映画祭で女優賞「75歳で“次の世”考え中だが、ほめられるのはうれしい」”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2018年7月27日. https://www.hochi.co.jp/entertainment/20180727-OHT1T50193.html 2018年7月28日閲覧。 

外部リンク[編集]