鉄道駅の改称

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鉄道駅の改称では鉄道駅の改称について述べる。

国内の改称の事由[編集]

自治体名の変更[編集]

何らかの事由により、駅所在地の自治体名が変更されると、それに合わせる形で鉄道駅の名称も変更されることがある。
例として、

政治的な理由[編集]

  • 国鉄上に持っていきたいという理由や町村合併後に幹線筋に持っていきたいという理由で、従前名乗っていた駅が新駅名に改称されることがある。この例に該当するのは、JRだと、磐梯熱海紀和本八戸宇部新川の各駅、私鉄だと松山市京急新子安京急久里浜本吉原行田市の各駅が例として挙げられる。
  • 福知山線支線にあった尼崎港駅も同様の例。小田村が尼崎市に併合された時、当時の尼崎駅に代わって旧小田村の神崎駅が市内最大の国鉄駅となった。そのため、以前より国鉄旅客駅として存在感が薄かった尼崎駅が尼崎港駅に改称し、幹線筋の神崎駅が新たな尼崎駅となった。なお、阪神尼崎駅は尼崎港駅の方が近かった。

現状の所在地への補正[編集]

近隣の施設の廃業・移転・アクセス変更でも、地名駅への補正が実施される。これは私鉄駅に多い。

  • 例えば、名古屋競馬場前駅は、名古屋競馬場そのものの移転により港北駅となった。名古屋近郊では、名鉄の羽黒駅も該当する。
  • IRいしかわ鉄道能美根上駅は、元は近隣の有力市街地であった寺井町に因んだ「寺井駅」だったが、JR化後に地名に合わせて、現駅名に改称された。
  • 京成本線の京成西船駅は、地名の西船に合わせて、葛飾駅から改称された。もっとも地域住民の中には、旧葛飾村からの伝統のある駅名改称反対の意見があり、京成は地域の歴史の掲示板設置などの配慮を迫られた。

新駅の開業に伴い駅名を譲る[編集]

  • かつて垂水駅は、有名観光地である舞子の浜の最寄駅であったことから、舞子駅を名乗っていた。後に、舞子の浜の目の前に舞子公園駅が開業。舞子駅は舞子の玄関駅でなくなったことから、駅付近の地名を取り垂水駅に改称、舞子公園駅が新たに舞子駅となった。
  • 長良川鉄道加茂野駅富加駅も、国鉄時代は加茂野口駅と加茂野駅だったが、第三セクター化後、加茂野口駅が本来の所在地の加茂野の駅名になり、旧加茂野駅が本来の地名の富加の駅名となった。
  • 福井鉄道のたけふ新駅は、北陸新幹線開業まで越前武生駅を名乗っていた。しかし、その北陸新幹線が敦賀駅へ延伸されるのに伴い越前たけふ駅が設けられることになり、当初の駅名「武生新」をもととした、たけふ新駅となった。

地域からの要望[編集]

自治体や住民からの要望で駅名を改める事例で、私鉄や地下鉄に多い。

  • 名古屋近郊では、ナゴヤ球場前駅→山王駅や、市役所駅→名古屋城駅などが一例として挙がる。なお、両駅とも元の駅名の施設は残っている。
  • JR西ノ宮駅は、駅名が西ノ宮、地名が西宮と微妙に異なっていた。そこで、市の要望で市名に合わせて駅名を西宮に改称した。なお、カタカナを一文字取るだけの改称コストは約2億円らしい。
  • 湖西線西大津駅は、住民から「大津京」への改称要望が出て、自治体負担で改称された。この間、大津京は「大津宮」が正しいとして、歴史学者などからの改名反対の意見も出たが、大津市は改名作業を進めた。
  • 山口市山陽新幹線開業前から小郡駅の「山口」を含む駅名改称を要望していたが、旧小郡町が拒否。平成大合併で、小郡町が山口市に併合される際、小郡駅を新山口駅に改称することに小郡町が合意。これにより、山口駅に代わって山口市内最大の駅となった小郡駅は新山口駅に改称した。
  • 茨城県の十王駅は、平成大合併で町名が消滅することになり、町があったことを鉄道駅で残す要望が出され、熊本県の同名JR駅との同名解消も兼ね、川尻駅から改称した。

縁起を担ぐ[編集]

  • 岐阜県の八坂駅がいい例で、かつては半在駅を名乗っていたが、「犯罪」という単語を連想させるため現在の駅名となった。
  • 神奈川県の二子新地駅も、「二子新地前」という駅名だったが、車掌の案内が双子を持つ親に耳障りになることがあったため改称した。

鉄道事業者の変更[編集]

これも私鉄や三セクに多い例。

事業者名への変更[編集]

これも私鉄や三セクに多い例で、略称として定着している社名を付けている。

  • 山陽電鉄の山陽明石山陽垂水山陽須磨山陽塩屋山陽魚住山陽曽根山陽姫路飾磨の各駅は1991年までは国鉄に駅があるためそれぞれ電鉄と名乗っていたが電鉄だけだと社名がわかりにくいので現在の駅名となった。[1]
  • 神鉄が1988年までは、電鉄小野、電鉄三木となっていたがそれぞれ電鉄が外され小野三木となった。
  • 京浜急行電鉄では、CIのために「京浜**」の全ての駅を「京急**」に改めた。
  • 名鉄でも新名古屋新一宮新岐阜の各駅が空港線開業を機に名鉄名古屋、名鉄一宮、名鉄岐阜にそれぞれ改称されたが、JR駅近接の全ての「新**」駅や先述の「名電**」駅で実施されず、上記の京急に比べると小規模である。

阻害要因の解消[編集]

かつての国鉄や3セク転換鉄道に多い例。同名駅の存在や連絡運輸実施といった混同抑止のための要因が無くなったことで改称された。

  • 山陰本線の石見江津と石見益田の両駅は、既存の郷津(北陸本線)、増田(東北本線)との混同抑止のため、旧国名の冠称がつけられたが、郷津駅の廃止や増田駅の改称で、それぞれ江津益田の駅名となった。

スポットの強調[編集]

これも私鉄や3セクに多く、JRにもある例で、外国人観光客にわかりやすくするために都市名をつけたり、景勝地や学校などの施設名を付けた駅名に改めたりしている。

国外の改称の事由[編集]

外交上の理由[編集]

改称の費用負担[編集]

脚注・出典[編集]

  1. 飾磨駅は近くに飾磨港線の飾磨駅があったため電鉄飾磨駅となっていたが改称までに国鉄の飾磨駅が廃止されたことでそのまま飾磨駅となった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]