のぞみ (列車)

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のぞみ
NOZOMI
種別特別急行(新幹線)
運行事業者JR東海
JR西日本
走行路線東海道新幹線
山陽新幹線
起点駅東京駅
終着駅博多駅
両数16両
使用車両N700A
N700A
N700S
運行開始年1992年
よみ
もの
エンペディアのプロジェクト「よみもの」にて、『新幹線の号数の解説』が執筆されています。

のぞみとは、東海道山陽新幹線内の最速達列車である。

概要[編集]

1992年3月14日、この日に営業運転を開始した300系電車を用いて新設された最速達列車。当時は下り初発が新横浜駅停車、名古屋駅京都駅通過のダイヤが組まれており、名古屋の政財界などからは 「名古屋飛ばし」 として批判された。この朝下りの 「名古屋飛ばし」 のダイヤは保線技術の向上で1997年に解消した。また、当初は東海道区間でのみの運転であり、山陽新幹線での運行開始はその1年後の1993年3月18日で、毎時1本の運行だった。

現在、東海道新幹線では最大毎時14本走っている。停車駅は少なく、東京-新大阪間を約2時間20分で結ぶ[1]。全列車がN700AあるいはN700Sで運転される[2]

黄色で案内されることが多い。JR西日本管内では、北陸新幹線の「かがやき」も同じ色で種別を表示している。ただし、一部駅の発車案内板ならびにJR西日本が所有し、3色LED方式の行先表示器を使用している700系(B編成)では、オレンジ色で表示される。これは、山陽・九州新幹線の「みずほ」も同様である。

のぞみ停車駅では始発・最終のぞみに合わせて在来線の始・終電が組まれるところも多く、古くは広島駅周辺で1997年芸備線志和口駅止)最終の繰り下げや1998年の東京発広島行き最終のぞみに合わせた可部線の終電を繰り下げるなどの例がある。

2003年品川駅開業ダイヤで、米原・静岡通過のひかりがのぞみに格上げされ、毎時1本から3本に増加した。この際には新大阪駅発着の始発、終発の接続により阪和線日根野駅発着・区間快速)、学研都市線松井山手駅発着)の始発・終電の繰り上げ・繰り下げも行った。また、福山駅では福塩線の最終も20分繰り下がった。2006年には岡山駅・広島駅始発の朝の列車に接続させるため、津山線芸備線呉線で、2008年には可部線で始発列車の繰り上げが行われた。

とはいえ「ひかりレールスター」が健在であった頃の山陽新幹線では、300系使用の最遅のぞみよりもひかりの方が早い上に座席設備が良い上、後述のように「のぞみ料金」が「こだま・ひかり料金」より割高のため、「あえてひかりを選ぶ方が早くて安い」という廉価ニーズもよく見られ、「こだま・ひかり料金」が適用される「さくら」でも廉価ニーズでの志向が見られる。

割増料金[編集]

のぞみは運行開始当初から特急料金がひかりこだまと分かれており、指定席はひかり・こだまに比べて割高となる料金が設定されている。加えて、外国人観光客向けの 「ジャパンレールパス」 ではのぞみ号には乗車できない (九州新幹線みずほ号も同様)制約があり、後述の自由席設定後も変わらない 。
ちなみに、運行開始当時は全車指定席で、自由席が設定されたのは2003年10月1日からである。この改訂以降、自由席には特定特急料金が導入され、ひかり・こだまの自由席特急料金と同額になった。

なお、JR東海・JR西日本は2023年の冬からGW、お盆、年末年始に限り、のぞみの全車指定席を復活することを発表。2023年末前に採ったアンケートでは、のぞみの全車指定席化に84%が賛成であった一方、飛び込み乗車ができないことへの懸念や「ひかり」の自由席が混雑して、施策は空振りになるとの予想もあった[3]

「のぞみ」と「ひかり」「こだま」との料金の差額(単位:円)
左下:2003年10月以降(上段カッコ内 - 2014年3月まで「消費税5%」、下段 - 2014年4月以降「消費税8%」)
右上:(上段カッコ内 - のぞみ運行開始時「1992年3月{消費税3%}」、下段 - 2003年9月まで「消費税5%」)
東京
品川
(300)
310
(750)
760
(950)
970
(950)
970
1180   1330   1630     1840 1840
(200)
210
新横浜 (750)
760
(850)
870
(950)
970
1180   1330   1630     1840 1840
(200)
210
(200)
210
名古屋 (450)
460
(450)
460
670   820   1120     1330 1330
(300)
310
(300)
310
(200)
210
京都 (300)
310
520   670   970     1180 1180
(300)
310
(300)
310
(200)
210
(200)
210
新大阪 310   460   760     970 970
(400)
420
(400)
420
(300)
310
(300)
310
(200)
210
新神戸   460   760     970 970
(500)
520
(500)
520
(400)
420
(300)
310
(200)
210
(200)
210
西明石
姫路
             
(500)
520
(500)
520
(400)
420
(300)
310
(200)
210
(200)
210
(200)
210
岡山   460     760 870
(500)
520
(500)
520
(400)
420
(300)
310
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
福山          
(500)
520
(500)
520
(400)
420
(300)
310
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
広島     610 610
(600)
620
(600)
620
(500)
520
(400)
420
(300)
310
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
徳山      
(600)
620
(600)
620
(500)
520
(400)
420
(300)
310
(300)
310
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
新山口    
(600)
620
(600)
620
(500)
520
(400)
420
(300)
310
(300)
310
(300)
310
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
小倉 310
(600)
620
(600)
620
(500)
520
(400)
420
(300)
310
(300)
310
(300)
310
(300)
310
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
(200)
210
博多
  • 空白は当時停車列車の設定なし。
  • 西明石駅と福山以南相互発着の設定なし。
  • 東京 - 品川間のみ利用時の差額は210円。

停車駅[編集]

東京駅 - 品川駅 - 新横浜駅 - 名古屋駅 - 京都駅 - 新大阪駅 - 新神戸駅 -(姫路駅)- 岡山駅 -(福山駅)- 広島駅 -(徳山駅)-(新山口駅)- 小倉駅 - 博多駅

  • ( )内は一部の列車のみ停車。
姫路駅:下り7・51・101・103・105・107・109・111・113・115・117・123・125・129号、上り52・62・102・104・106・110・112・116・120・124・126・130・132・134・136・138号が停車
福山駅:下り1・5・9・15・19・23・27・31・35・39・53・95・115・117・123・125・129号、上り8・14・18・22・26・30・34・38・44・50・56・98・108・110・112・114・118号が停車
徳山駅:下り13・25・37・43・47・55・59・99号、上り2・6・12・20・32・42・48・58号が停車
新山口駅:下り3・11・17・21・29・33・41・45・49・57・97号、上り4・10・16・24・28・36・40・46・54・60・96号が停車

静岡にのぞみは止まるか?[編集]

現実問題として、静岡県内の三島駅・静岡駅・浜松駅の3駅はある程度の利用者数を数えているが、一番に首都圏への通勤通学・観光需要が多く、次いで名古屋・京都・大阪方面の需要であり、静岡県内から山陽新幹線方面の流動は余りなく、JR東海が今後において静岡県内の駅に「のぞみ号」を停車させるような様子も見られない。

ただ静岡県内の新幹線停車本数に関しては、需要に対して少ない(1時間に2本-3本 一部時間帯を除く)とする見解もあり、毎時2本の「ひかり号」のうち約半数の列車(新大阪発着ひかり)は県内の駅を全て通過している。この列車に関しては前後ダイヤが過密であり、東京-名古屋間は「のぞみ号」とほぼ同等である後発列車の追い抜きがないダイヤを組む必要がある事から、現状では静岡駅への増停車は厳しい状況にある。

また「ひかり号」の指定席は東京-静岡間や「のぞみ号」に追い抜かれない区間を中心に近中距離客で満席になる傾向がある。毎時2本の「こだま号」に関しては、最高速度こそ「のぞみ号」同等の270km/hであるが、速達列車が多い東海道新幹線のダイヤの都合上、停車するほぼ毎駅で通過列車の待ち合わせをするため、近距離利用でも「ひかり号」との所要時間にかなりの差が生じている。よって静岡県民の間からは「こだま号」の所要時間短縮と、三島駅・静岡駅・浜松駅停車の「ひかり号」の増停車・増発を求める声が多く、近年では「のぞみ号」停車についての要望はあまり出ていない。

JR東海・西日本・九州では、2007年4月1日の出発分から「のぞみ早特往復きっぷ」に浜松-北九州・福岡市内の設定を追加した。これは浜松市も中部国際空港のアクセス圏内にあり、リムジンバスe-wing」などによる同空港へのアクセス時間や費用などを加味しても、航空機が東海道・山陽新幹線と競合するためである。

「のぞみ」による浜松‐福岡間の所要時間では4時間程度と飛行機にやや劣るものの、JRでは乗車チャンスの多さや定時性能の高さなどでアピールしている。

また、2027年には、リニアが開業し、のぞみ号の需要が減ると考えられ、ひかり号が増発されるのでは、という見方もある。

編成[編集]

全てN700系の運用になっている。ゴールデンウイーク・お盆・年末年始の3大ピーク時限定で1~3号車も指定席となる。

博多← →東京
1
×
2
×
3
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4
×
5
×
6
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7
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8
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9
×
10
×
11
×
12
×
13
×
14
×
15
×
16
×

注釈[編集]

  1. 山陽新幹線でも最速達列車的立ち位置は獲得しているが、山陽新幹線内は「のぞみ」より「みずほ」の方が停車駅は少ない。なお、「みずほ」も「のぞみ」同様、割り増し料金と乗車制限が設けられている。
  2. かつては300系500系700系も使用されていたが、すでに全廃されている。
  3. [1]

関連項目[編集]