給食ハラスメント
給食ハラスメント(きゅうしょくハラスメント)とは、学校給食において教員が完食を強要することである。
概要[編集]
学校給食は単なる昼食の提供、栄養補給の場ではなく教育の場として機能している。その中で、
- 栄養の偏りの改善
- 偏食や野菜嫌いなどの矯正
- 食べ残しをしない食生活を身につける
- 「給食を時間内に完食すること」を強要する
- 集団におけるマナー
- 「平等性」に関する誤った理解
- 「よく噛んで食べる」と「はやく食べる」という矛盾した原則
などを建前として、子供に給食の完食を強要する教員などによる行為を給食ハラスメントと呼ぶ。
特に管理教育全盛期にはこのような「強引な完食指導」を行う教員が非常に多かったが、学校という環境の特殊性から表沙汰になることが少なかった。近年、食物アレルギーの正しい知識の啓蒙などが進んだことで「強引な完食指導」を行う例が減ったものの、相対的に前時代的な完食指導(量・時間など)を行う教員が目立つようになった[1]。
ハラスメントの内容としては
- 給食を食べ終わるまで昼休みも居残りさせる。
- 強引に給食を口に運び、嘔吐しようが構わず口に入れさせる。
- 食べ終わるまで空き教室に軟禁する。
- 班活動の班内で食べきれない子供が出たら、他の班員に食べさせる連帯責任的な指導を行う。
- 胃袋の個人差を考慮せず、食が細い子供が食べきれない量を配膳し、食べ終わるまで片付けることを禁ず。
といったものが挙げられる。
こうした背景があったため、1988年に札幌市において、給食として出された蕎麦にアナフィラキシー・ショックによって死亡したという事件においては「教師による強要があった」という噂は現在でも絶えず、「学校が組織的なもみ消しを行なったのではないか?」と云われている。
給食に対する負の印象が強まることが不登校や会食恐怖症の発症、給食のない学校に行きたいがために自身の学力レベルに合わない学校への進学につながるとされる。
他の児童からの給食ハラスメント[編集]
「給食に消しゴムのカスを入れる」「チョークの粉を入れる」「クレヨンや絵の具を入れる」は、「トゥシューズに画鋲を仕込む」「チュチュを切り裂く」などと同じくいじめの定番ネタであったが、現在では「ダサい」で切り捨てられる(正しい対応である。いじめはダサい)。食べ終わらない児童の回りに集まりウンコの話をして食欲を喪失させるなどがある。
それに対する逆襲として、「お食事時の三題噺」として「タンツボでトロロが喰えるか」「尿瓶でビールが飲めるか」「おまるでカレーが喰えるか」といった議論を延々とする、というものがあった。とはいえ近年では琺瑯製のタンツボやガラス製の尿瓶もあまり見かけないので、半世紀ほど前(昭和四十年代末)の話である。
参考文献[編集]
脚注[編集]