不登校

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不登校(ふとうこう)とは、病気障害経済的事情・家庭事情による欠席を除く、授業欠席(欠課)の事である。

概要[編集]

文部科学省の学校基本調査では、不登校を「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因、背景により登校しない、あるいは登校したくても出来ない状況にある状態」の結果、年間30日以上欠席することと定義している。

かつては登校拒否(とうこうきょひ)と呼ばれていたが、登校拒否という呼ばれ方は「拒否する」という意思が前面に出すぎてしまうという事情があり、不登校という表現が用いられることが多くなった。

平成27年(2015年)に行われた調査の結果、126,009人の小学生中学生が不登校の状態にあることがわかっている。このうち、年間90日以上欠席している小中学生は72,324人、このうち出席日数が年間10日以下の小中学生が13,264人、更に1年間全く出席しなかった小中学生は4,402人であった。[1]

不登校の前段階として保健室登校になる子供もいる。

原因[編集]

  • クラスメイトや上級生から暴行・恐喝などの触法犯罪の被害や受忍限度を超えるネグレクト(仲間はずれ)にさらされる所謂いじめが原因の一つとしてよく知られる一方、そうした学区内での被害から山村留学などで切り離す[注 1]ことに教育委員会は消極的である。
  • 連帯責任的な指導によってクラスメイトや同じ部活の部員から受忍限度を超えるハラスメント(非難)を受け続け、不登校に至るという例も多い。
  • 教員と反りが合わず、学校から足が遠のくのも原因の一つとして知られる。
  • 過度に自由を制限する校則の存在、学校制度そのものや定期考査による序列付けの否定、学校教育の価値が見出せないことも不登校の例になっている。
  • 一部の原因は「ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)」と見られる事もある。教育現場でHSPの子供をうまく扱えないという事に問題があるようにも思われる。
  • 特別支援学級のように、習熟が極端に遅れる生徒の自主的な原級留置である「個別ゆとり」を行うことに日本の学校は消極的なため、学力面を原因とする不登校も生じている。
  • 日本の小中学校が、年齢毎の多様な能力に対し、公平性が最もあるものの、それに馴染まない児童生徒には同調圧力と捉えかねない、授業や学校行事出席を重視する「就学主義」に極端に偏っており、公立夜間中学校のような通常の授業時間に出席できない生徒を支援するオルタナティブ教育や欧州の初中等教育で認められているホームスクーリングを軽視していることを問題にする意見もある。
    • 一部の学校法人は、通信制高校でのオルタナティブ教育の成果を下に、広域通信制中学校を構造改革特区で設置申請したが、文科省は児童労働の温床になるとして、通信制中学の実現に消極的だが、この文科省の姿勢に疑問の意見もある。

解決への試み[編集]

不登校特認校[編集]

2005年に、初等中等教育局長通知で、不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施する特認校の設置が可能となる通達が出されたが、通達から10年以上経っても、制度への浸透が高いと言えない。

県教委レベル[編集]

奈良県教育委員会は、県内の不登校児童生徒を対象にオンライン学習や県機関での対面指導を2023年6月から可能にすることを発表した[2]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 近隣での転学も考えられるが、塾や学校外クラブ活動などでできた仲間のSNSでの情報交換により、学区内の加害生徒からの切り離しが無になる可能性も否めない。
出典