トルクメニスタン
トルクメニスタン共和国（トルクメニスタンきょうわこく、Türkmenistan）とは、中央アジアの西部に位置する国家である。政体は共和制。国土面積は48.8万平方キロ（日本の約1.3倍ほど）。人口は2011年の時点で499万8000人。人口密度は9.2人/㎢。首都はアシガバード。トルクメニスタンの語源は、トルコから派生した言葉で、トルコ系トルクメン人の名とペルシア語の「stan」（国を意味する）の合成語と言われている。トルクメンの語義はトルコ語の「turkmend」（トルコ人によく似たを意味する）からと言われている。西側はカスピ海に面し、南東はアフガニスタン、南西はイラン、北北東はウズベキスタン、北西端はカザフスタンと国境を接する。
1991年のソビエト連邦の解体に伴い独立した。
概要[編集]
歴史[編集]
10世紀頃にテュルク系民族の定住が始まる。13世紀にチンギス・ハーンの孫であるフレグが建国したイルハン朝により征服された。その後、ティムール帝国、ヒバ・ハン国と支配者が移り変わり、1881年になってロシア帝国に支配された。しかしロシア革命でロシア帝国も崩壊し、1925年にはソ連の支配下に置かれる。
ソ連の中では、ベラルーシと並んで民族主義の少ない穏健国家と見られており、1990年に主権宣言を採択する。1991年10月27日、ソ連が崩壊する前に当初のトルクメンという国家名をトルクメニスタンと改称して独立する。直後にソ連が解体すると、それに伴う独立国家共同体（CIS）の結成に参加した。1992年3月2日には国連に加盟している。ところが同年、CISの集団安全保障条約での正式署名を拒否した。もともとこの国は歴史的に見るとロシアよりトルコとの関係が根強く、そのため独立後はトルコに対する帰属意識が非常に強くなり、同年にはそれまでのキリル文字（ロシア文字）表記からトルコ語のラテン語表記に変えているほどである。2005年になってCIS準加盟国を宣言したが、旧ソ連諸国とは距離をできるだけ置く政策を採用している。
1995年の国連総会では、スイスやオーストリアに次ぐ世界で3番目の永世中立国として承認された。
ただ、この国は独立直後は個人独裁国であった。大統領に就任したサパルムラト・ニヤゾフによる独裁色が色濃くて謎めいた国家というイメージが独立後は定着してしまう。ニヤゾフは自らを神格化し、建造物には肖像画を掲げさせ、独立記念公園や市街中心部の塔には金箔製の銅像を建立するなど、個人崇拝の圧政を敷いてきたので諸国から批判された。1999年にはニヤゾフの大統領終身制まで定めるなど、完全な個人独裁国家が存続すると思われたが、2006年12月にニヤゾフは66歳で急死する。これに伴って同国史上初の大統領選挙が実施され、グルバングル・ベルディムハメドフが当選し、トルクメニスタンは独裁から脱することになった。なお、これら一連の強権統治は「中央アジアの北朝鮮」とも評されている。
なお、2001年からイスラム回帰策を強く打ち出しており、児童に対して伝統的衣装の着用を義務付けている。さらに一夫多妻制も検討されている。
地理[編集]
中央アジアの南西部に位置し、西側はカスピ海に臨む。全般に平坦な地形であり、国土の7割以上はカラクム砂漠が占めている。大陸性気候で、中央アジアでは最も水量が乏しい地域である。
首都・アシガバードの年平均気温は16.6度で、最高気温が7月の31.2度、最低気温は1月の2.6度であり、年間降水量は239ミリである。
経済など[編集]
もともとソ連の支配下に置かれていたことから、経済は共産主義体制であったが、独立直後のCISとの距離を置く政策から市場経済への転換も図られている。しかし、その転換はまだまだ緩慢で、国の経済の9割を国営企業が支配しているのが実態である。
この国はエネルギー資源に恵まれており、142億バレルの原油と8兆1000億㎥の天然ガスの埋蔵量を持つ世界有数のエネルギー輸出国である。CISの中でも経済的に最も安定し恵まれた国家と言われており、2000年からは光熱費の無料化が行なわれている。
また古くから汗血馬と称えられたアハルテケ馬や絨毯を特産としている。
宗教[編集]
住民[編集]
言語[編集]
通貨単位[編集]
- トルクメン・マナト（Turkmen・Manat）
国内総生産[編集]
- 1人当たり国内総生産は3939米ドル（2010年）
外部リンク[編集]
- 政府
- 日本政府
- 大使館
- その他
- Turkmenportal （トルクメニスタン専門ニュースポータルサイト）
- Türkmen-Ýapon （トルクメニスタン専門ニュースポータルサイト）
- 日・トルクメニスタン共同声明 (PDF)
- 日本トルクメニスタン投資環境整備ネットワーク
- 日本トルクメニスタン交流センター | Facebook
- 観光
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