イラン

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国旗
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イラン・イスラム共和国(イラン・イスラムきょうわこく)は、アジア西部、中東イスラム共和制国家。古代では「ペルシャ」と呼ばれていた。

概要[編集]

面積は1,648,195km²。首都テヘラン人口は7910万人。主要言語はペルシア語トルコ語クルド語。通貨単位はリアル

アゼルバイジャン共和国アルメニア共和国トルクメニスタントルコ共和国イラク共和国パキスタン・イスラム共和国アフガニスタン・イスラム共和国と国境を接している。ペルシャ湾越しにサウジアラビア王国クウェート国カタール国アラブ首長国連邦バーレーン王国と接する。

宗教[編集]

シーア派イスラム教を国教とする。憲法によって、他宗教への差別が肯定されている。限定的に認められている一部の一神教などを別とすれば、発覚すれば死刑。認められている他宗教であっても差別が普通に存在している。また、同性愛者を禁止する規定もあり、発覚すれば死刑もある。イスラームから離脱しようとした場合も死刑である。

ムスリム男性が非ムスリム女性と性交渉を持った場合には、男性にむち打ち100回で女性に死刑が適用されるということも問題となっている。この制度によって加害者であるムスリム男性がむち打ち100回で、レイプ被害を受けた女性が死刑となった事例もあり、国際社会から非難を浴びることとなった。なお、非ムスリム男性がムスリム女性と性交渉を持った場合は両者とも死刑である。

悪魔の詩[編集]

預言者ムハンマドについて書かれた『悪魔の詩』について、イランの最高指導者ルーホッラー・ホメイニーが死刑宣告を行う。死刑宣告は、著者のサルマン・ラシュディから訳者までのぼった。

1991年7月11日、日本における訳者であった五十嵐一が何者かに殺害されてしまう(悪魔の詩訳者殺人事件)。

歴史[編集]

紀元前1世紀から2世紀ごろまで、パルティアが支配した。3〜7世紀に渡りササン朝の時代であった。その後、8世紀にウマイヤ朝、9世紀にアッバース朝とアラブ系の国の支配下となり、イスラム化した。10世紀にブワイフ朝が独立。11,12世紀には中央アジアから進出したセルジューク朝の支配を受けた。

13世紀にはモンゴル帝国の支配を受ける。その後イルハン朝を経て14世紀にはジャライル朝、15世紀にはティムール朝と、モンゴル支配が続いた。

その後独立、16,17世紀はサファヴィー朝、18,19世紀はガージャール朝、20世紀はパフラヴィー朝と続いた。

1979年イラン・イスラーム革命が起こって、帝政パフラヴィー朝が倒れる。これによってイスラム共和制によるイラン・イスラム共和国の建国が宣言された。

1980年から1988年までのイラン・イラク戦争アメリカ合衆国との対立など中東情勢は不安定となっていく。

イラン国会選挙[編集]

定数290の一院制で、任期は4年。選挙区は208で、首都テヘランの30議席が最大となる。5議席はゾロアスター教徒などの宗教少数派に割り当てられている。有権者は18歳以上。また立候補者は申請した際、護憲評議会の事前審査により、審査を通過しない立候補者は排除されることになる。

核合意と制裁の再発動について[編集]

2002年に秘密裏の核開発計画が発覚し、イランの核兵器保有阻止を目指すアメリカイギリスフランスドイツ中華人民共和国ロシアの6カ国は2015年7月に核合意を結ぶ。イランは核開発の大幅制限を受け入れ、ウランの濃縮などを10年から15年制限することとなり、その見返りに欧米の制裁が解除されてイランは原油天然ガスの輸出などが可能になった。ところがロナルド・トランプ大統領に就任すると、前政権のバラク・オバマ大統領の政策を転換し、2018年5月に離脱を表明する。さらに8月自動車部門などを対象に経済制裁第1弾を再開する。11月5日にはイラン経済の生命線を握るとも言われている原油輸出を標的にした第2弾を発動している。

イランはこれに対し、2019年5月に合意の履行を停止すると表明し、低濃縮ウランの貯蔵量、ウラン濃縮度など段階的に合意の制限を逸脱している。

原油[編集]

イランは世界有数の原油産出国であり、イギリス石油大手BPによると2016年末の確認埋蔵量は1584億バレルで、2016年の生産量は日量で460万バレルであり、これらはいずれも世界第4位である。天然ガスの生産量も世界第3位を誇り、南西部のアザデガン油田には日本もかつては権益を持っていた経緯がある。しかしイランの核問題が深刻化し、2010年に撤退した。

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外部リンク[編集]