アルファベット

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アルファベット(alphabet)は、ある言語を表記するために用いられる文字を集めたもの。各文字が子音と母音の2つの音素を表す表音文字。

概要[編集]

現代日本ではラテン文字のみを指すことが多いが、他にも複数の種類がある。大文字と小文字の2種類がある。特に英語などの西ヨーロッパ(カトリック・プロテスタント圏)の言語、ローマ字で用いられている。アルファベットの語源は、ギリシャ文字の初めの2文字である「アルファ(大文字:Α、小文字:α)」と「ベータ(大文字=Β、小文字=β)」に由来する。アルファベットの名前をそのまま記号読みしたものを「アルファベット読み」という。英語(外来語)の発音において、綴り字と発音の間の規則性を理解することで、単語の発音・音読みを学ぶ学習法のことを「フォニックス」という。

アルファベットで子音と母音を組み合わせて日本語を書き表したものを「ローマ字(英:Romaji)」という。日本語をローマ字に変換したり、日本語をローマ字で表記したりすること。かなローマ字変換。ローマ字表記。母音の読み方の一部や子音は、英語の発音・フォニックスとよく似ている。「ローマ字入力(英:Romaji input)」とは、キーボードでローマ字綴りを使って日本語入力をする方法で、キー入力時にアルファベットで子音と母音を組み合わせて日本語入力をすることである。ローマ字綴りをキーボードから入力すると、かなに変換されて画面上に表示される。ローマ字かな変換。ローマ字入力のキーは、英語入力・外来語入力のときも共通で、キーが同じである。「ローマ字入力」は、言葉自体に「ローマ字」が含まれているが、「ローマ字」と「ローマ字入力」は、違うものである。「ローマ字」と「ローマ字入力」の違いは、「ローマ字=ローマ字表記、アルファベット表記のみ」で、「ローマ字入力=ローマ字を使ってかな変換」という意味で、「ローマ字綴り」と「かな」との変換が逆であり、ローマ字入力の仕方では、訓令式、ヘボン式、日本式、中には変則ローマ字もあり、どの表記を使っても入力できる。

アルファベットの種類[編集]

各国語のアルファベット[編集]

英語[編集]

英語のアルファベットは、「英字」ともいい、順番に「大文字:ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ、小文字:abcdefghijklmnopqrstuvwxyz」の26文字が存在する。大文字と小文字それぞれ26個ずつあって、大文字と小文字を全部合わせると52文字となる。母音字はA,E,I,O,Uの5文字、子音字は全部でB,C,D,F,G,H,J,K,L,M,N,P,Q,R,S,T,V,W,X,Y,Zの21文字。子音字の一部で、WとYは半母音字である。[1]。子音字は、アルファベット全体から母音字「A,E,I,O,U」の5文字を引いたものである。大文字は通常、文や固有名詞の冒頭、特に強調する場所など、各単語を区別する目的のために用いられ、それ以外は小文字を用いる場合が多いのが通常である。ラテン語圏ではHの際に声を出さないことが多い。文字入力の場合はQWERTY配列QWERTZ配列AZERTY配列ABC配列などが広く用いられており、これとは別の配列も数多く提案されている(Dvorak配列など)。

Google検索におけるアルファベットは、大文字と小文字を区別しない仕様になっている。ウィキプロジェクトでは、語頭の大文字と小文字は区別される。アルファベットをキーボードから探しやすくする場合は、全て大文字で固定する。

アルファベットは、「ABC」という、アルファベットの最初の3文字「A~C」で略することがあり、「ABC」は、アルファベットの初歩である。

日本語においてもグローバル化が進むにつれて、WHO(世界保健機関)やNHK(日本放送協会)といった略語などにラテン文字を用いることが増えてきている。

子音字をABC順にしたものである「BCDFGHJKLMNPQRSTVWXYZ」の「D〜L」の部分は、QWERTY配列の英字中央段の「ASDFGHJKL」の「D〜L」の部分と一致している。

「子音字」と「QWERTY配列の英字中央段」の比較

共通部分が、赤く書かれてあります。

  • 子音字全体=BCDFGHJKLMNPQRSTVWXYZ
  • QWERTY配列の英字中央段=ASDFGHJKL
Q
W
E
R
T
Y
U
I
O
P
A
S
D
F
G
H
J
K
L
Z
X
C
V
B
N
M

共通部分=DFGHJKL

小文字のbを左右反転すると、小文字のdになる。小文字のpを左右反転すると、小文字のqになる。

英語で使われるアルファベットを学習するための曲は、「ABCの歌」。原曲は、きらきら星。「ABCDEFG~HIJKLMN」バージョンと「ABCDEFG~HIJKLMNOP」まで詰め込むバージョンがある。

フランス語[編集]

フランス語では、ラテン語アルファベットからKを除いた24文字が使われる。K,Wは基本使わないが、外来語で使う場合がある。ただし、24文字に加えて、5種類の付随記号と合字Œまで使うのが正書法である。

  • 基本文字: ABCDEFGHIJLMNOPQRSTUVXYZ
  • 母音につける記号: ÉÈÊË(E以外の母音にもつく)
  • Cにつける記号: Ç
  • 合字: Œ

正書法では、この記号まで書かなければならない。例えば、空港を意味するaéroportを、aeroportと書くのは正しくない。この記号があるおかげで、フランス語は多くの語で綴りを見れば発音が分かる様になっている(英語だとフォニックスがあるが、フォニックス通りの発音でない単語が多い。付随記号を使わないことによる限界)

ドイツ語[編集]

ドイツ語では、ラテン語アルファベットにÄÖÜßWを加えた30文字が使われる。正書法では、ÄÖÜとAOUを区別して書かなければならない。例えば、オーストリアを意味するÖsterreichを、Osterreichと書くのは正しくない(ただし物理的に難しい場合はÖをOe、ßをssと書くこともある)。ドイツ語も、多くの語で綴りを見れば発音が分かる様になっている(英語だとフォニックスがあるが、フォニックス通りの発音でない単語が多い。付随記号を使わないことによる限界)

名前の読み方[編集]

文字 仏語 英語 独語
A/a エー、エイ アー
B/b ビー ベー
C/c シー、スィー ツェー
D/d ディー デー
E/e イー エー
F/f エフ エフ エフ
G/g ジェ ジー ゲー
H/h アシュ エイチ、ヘイチ ハー
I/i アイ イー
J/j ジェー、ジェイ ヨト
K/k (カ) ケー、ケイ カー
L/l エル エル エル
M/m エム エム エム
N/n エヌ エヌ エヌ
O/o オー オー
P/p ピー ペー
Q/q キュ キュー
R/r エル アール エア
S/s エス エス エス
T/t ティー テー
U/u ユー ウー
V/v ヴェ ブイ、ヴイ ファウ
W/w (ドゥブルヴェ) ダブリュー、ダブリュ ヴェー
X/x イクス エックス イクス
Y/y イグレク ワイ ユプシロン
Z/z ゼド ゼット、ゼッド、ズィー ツェト

アルファベット読みの発音の呼称の英語のスペル[編集]

A/a B/b C/c D/d E/e F/f G/g
a,ai bee cee dee e,ee ef,eff gee
H/h I/i J/j K/k L/l M/m N/n
aitch,haitch i,ie jay kay el,ell em en
O/o P/p Q/q R/r S/s T/t U/u
o,oh pee kew,cue ar’r,arr es,ess tee u,yu
V/v W/w X/x Y/y Z/z
vui doubleu,double-U ex wy,wye zet,zed,zee

アルファベット読みの発音の呼称の発音記号[編集]

A/a B/b C/c D/d E/e F/f G/g
ei biː siː diː ef dʒiː
H/h I/i J/j K/k L/l M/m N/n
eitʃ,heitʃ ai dʒei kei el em en
O/o P/p Q/q R/r S/s T/t U/u
ou piː kjuː ɑː'r,a'r es tiː juː
V/v W/w X/x Y/y Z/z
vʊi dʌbljuː eks wai zet,zed,ziː

使用頻度・出現率[編集]

英語において、出現率の高い順で書くと、E,T,A,O,N,I,R,S,H,D,L,U,C,M,P,F,Y,W,G,B,V,K,X,J,Q,Z。

脚注[編集]

  1. ただしYは母音字としてもよく使われる。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]