A
A（エー,エイ）とは、アルファベットの1文字目(最初の文字)。母音字。小文字はa。ギリシャ文字のアルファ（A、小文字：α）に対応する。QWERTY配列で、英字中段の左から1文字目。アルファベット読みの発音の呼称は、英語のスペルでは「ai」「a」、発音記号は「ei」。
意味[編集]
言語[編集]
- ローマ字での発音は「あ段」の母音。
- 英語において、フォニックスでAは「ア（ə = シュワサウンド，a）」「ェア=『ア』と『エ』の中間（æ,Æ）」「エー、エイ（ei）」「エ（e）」「アー（ɑː）」「オー（ɔː）」に対応する。フォニックスでは「ェア」と「エイ」が基本。このうち「a」の発音記号の表記は非常に少数である他、「ɔː」はWの後（warなど）とLの前（allなど）にほぼ限られる。
- Aの音価を「アー（ɑː）」と読む英単語は、octave, sofa, ramen, potage, adagio（第2音節）, moderato, hectare, topaz, opal, collagen, collage, Copenhagen, vivace, gymkhana, khaki, staccato(第2音節), pizzicato, sitar, choral, Mbabane(第2音節), Qatar(第2音節), Ghana(第1音節)がある。イタリア語などに由来する外来語に多い。
- Aの音価を「エ（e）」と読む英単語は、orange, range, change, potato, pair, air, village, signature, courage, Jadeite, handelがある。フォニックスでのaの長音「エイ」が短くなったものである。
- AIの綴りで「エイ（ei）」と読む英単語は、paint, train, rain, rainbow, again, mountain, curtain, gain, wait, nail, Spain, aitch（Hのアルファベット読みの発音の呼称の英語のスペル）がある。
- サイレントAの英単語は、「road」「repeat」「goal」「coat」「boat」「soap」などがある。oaで一つの母音として扱う。
- フォニックスでは扱わないが、外来語や感嘆詞などでAの母音が2つ続いて「AA」になったスペルもあり、bazaar,aahs,taaffeiteがある。
- フォニックスでは、Aの後にRと母音が続いた時、Aは「エア(eə)」の読みに対応し、例としてarea, care, rare, fare, software, hardware, spare, square, parentがある。
- 英語で、「一つの」を意味する不定冠詞。
- フランス語で、「持つ」を意味する動詞avoirの、3人称単数形。
音楽[編集]
- 音楽用語で、音名の一つ。「ドレミファソラシド」の「ラ」の英語音名、ドイツ音名。「ラ」はイタリア音名、日本式では「イ」。Aは英米式、独式。音名のAの読みは、英語音名は「エー」、ドイツ音名は「アー」。音高ではチューニングするときの音名であり、基音周波数は440Hzである。440Hzは、チューニングのセント単位では0セントと表現され、チューニングの基準音で、チューニングの基本のピッチ・オリジナルのピッチとされている。チューニングのセント単位が0セントのピッチは、440Hzに対する1オクターブ=「220Hzと440Hz」または「440Hzと880Hz」を12等分割したもので、440Hzに対する各半音の周波数である。チューニングするときの音高「440Hz」は、アルトオクターブの「ラ」で、オクターブ表記はA3。
移調楽器における音名は、英語音名、ドイツ音名両方とも読めるので、英語音名のAの読みで「エー」と読むと、ドイツ音名は「ミ=ホ音」で、ドイツ音名のEになり、英語音名では「ラ=イ音」であり、「ミ=ホ音」と「ラ=イ音」が混同しやすく、「ミ=ホ音」「ラ=イ音」か区別できず、どっちか迷ってわからなくなり、混乱を招く。英語音名のAの読みと、ドイツ音名のEの読みは、両方とも「エー」で、英語音名読みのAは、ドイツ音名読みのEと読み間違えられやすい。移調楽器で、「E管」は架空の楽器で、存在しない。移調楽器における「ミ=ホ音」「ラ=イ音」との混同を避けるには、「ラ=イ調」は、英語音名で呼ばずに、ドイツ音名で「A管=アーかん」と呼び、「ミ=ホ調」は英語音名で「E管=イーかん」と呼んだ方が、誤解を防ぐことになり、曖昧さなく回避できる。
各オクターブの「ラ」は、周波数は、440Hzに対する各オクターブであり、A0=ノートナンバー33=55Hzで、コントラバスオクターブの「ラ」、A1=ノートナンバー45=110Hzで、バスオクターブの「ラ」、A2=ノートナンバー57=220Hzで、テナーオクターブの「ラ」、A3=ノートナンバー69=440Hzで、アルトオクターブの「ラ」、A4=ノートナンバー81=880Hzで、ソプラノオクターブの「ラ」、A5=ノートナンバー93=1760Hzで、ソプラニーノオクターブ（ピッコロオクターブ）の「ラ」。コードネームの一つで、「A」。Aのメジャーコードの略。構成音：「ラ・ド#・ミ」。所謂イ長調の三音のダイアトニックコードにおける1番目のコード。調性の一つで、イ長調の英語表記であるAメジャーキーの略。構成音：「ラ.シ.ド#.レ.ミ.ファ#.ソ#.ラ」、調号：#×3個。
音名の覚え方は、「ドレミファソラシド」で考え、英語音名は、「CDEFGABC」となり、「ドレミファソラシド」の「ラ」の音から「ABC～」と始まる。「A～G」の最初の7文字が使われる。日本語音名は、「ハニホヘトイロハ」となり、ドレミファソラシドの「ラ」の音から「イロハ～」と始まる。
音楽用語で、音域名の一つで、アルト（Alto）を表す記号。
その他[編集]
- 無線通信における欧文通話表ではアルファ（Alpha）。軍事分野ではエイブル（Able）とも。
- 紙の大きさの規格の一つ。A判。「A4」「A5」。
- 最もすぐれたもの。第1位。「難易度A」「成績がA」「Aクラス」。
- 数学で、答え(answer)を意味する。
- 電流の単位、アンペア(Ampere)の記号。
- 面積の単位、アール(are)を表す記号。
- 道路で、高速道路ナンバリングの路線番号のグループ化を示すもので、路線番号の最後に付ける文字「A」。例：E1Aは、新東名高速道路・伊勢湾岸自動車道・新名神高速道路の路線番号。
- 血液型の一つ。A型。
- 全て（All）を表す。
- JR神戸線・京都線・琵琶湖線の路線記号。
- 近鉄奈良線の路線記号。
アルファベットの最初の文字がAである理由[編集]
Aはローマ字読み・ローマ字入力では「あ」で、英語を除く世界のほとんどの西ヨーロッパ言語で「あ」だが、フォニックスでは「えい」あるいは「ぇあ」で異なっている。「あ」は、五十音の最初の文字、五十音の第1行第1段、『あ行』の「あ段」（あ行あ）であり、五十音の「あ」とアルファベットの「A」のローマ字読みは、同じ発音であるが、五十音の「あ」と、アルファベットの「A」は、たまたま両方とも最初の文字になっている。
五十音順はインドで、アルファベット順はギリシャで生まれた。ギリシャ文字の元で、レバノン付近で用いられていたフェニキア文字では、子音がつかず母音だけで発音される文字「アリフ」が最初の文字であった。この文字を、ギリシャでは「ア」の音を表すのに用い、ギリシャ文字の「アルファ（大文字：Α、小文字：α）」として取り込んだ。アルファベットの「アルファ」に当たる。
Aは母音字で、英単語で、Aは使用頻度が高く、語頭がAで始まる英単語は多く、Aはローマ字表記に使われる文字だからである。
余談？[編集]
スペルが同じでも、「ア、ェア（æ）」「エー、エイ（ei）」両方読めるものもあり、bass（バス、ベース）がある。bassの読みは本来「バス」で、フォニックスでは「ア（æ）」と呼ぶが、「ベース」の読みは、baseがbassに転用されたもので、baseのAの読みに従い「エー、エイ（ei）」と呼んだものである。
スペルが同じでも、Aのフォニックスが「ア（ə = シュワサウンド，a）」「ェア=『ア』と『エ』の中間（æ,Æ）」両方読めるものもあり、canon（カノン、キヤノン）、caramel(キャラメル、カラメル)がある。canonの読みが「カノン」は、Aのフォニックスを「ア（ə = シュワサウンド，a）」と呼んだもので、canonの読みが「キヤノン」は、Aのフォニックスを「ェア=『ア』と『エ』の中間（æ,Æ）」と呼んだものである。
各国語での読み方[編集]
殆どの言語で「ア」の音を表すが、英語は例外で、「エイ」または「ェア」の音を表す。
| 言語 | 字名 | 語中での読み方 | 備考 |
|---|---|---|---|
| A | a | ||
| 古典ラテン語 | アー | ア | |
| 教会ラテン語 | アー | ア | |
| イタリア語 | ア | ア | |
| スペイン語 | ア | ア | |
| フランス語 | ア | ア | |
| 英語 | エイ | エイ、ェア | |
| ドイツ語 | アー | ア | |
| ポーランド語 | アー | ア |
派生文字[編集]
外部リンク[編集]
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