世界保健機関
世界保健機関(せかいほけんきかん、英: World Health Organization、仏: Organisation mondiale de la santé、略称: WHO、OMS)とは、1948年に発足した国連の専門機関である。本部はスイス連邦ジュネーヴ。
概要[編集]
国連内の専門機関。国連非加盟の台湾やバチカンなどを除く194カ国が2020年8月現在の段階で加盟している。最高議決機関は予算などを決定する総会である。2018年から2019年にかけての2年間の予算は合計で約56億ドル(日本円で約6000億円)と見られ、アメリカが最多の14.7パーセントを負担している。アメリカのマイクロソフト創業のビル・ゲイツとその妻の慈善団体が9.8パーセント、発展途上国へのワクチン普及を目指す非政府組織・「Gaviワクチンアライアンス」が8.4パーセントと続いている。日本は2.7パーセントで、中華人民共和国は0.2パーセントである。本部はスイスのジュネーブ。感染症撲滅、各国の保健システムの強化に向けた取り組みのほか、災害援助も実施している。
問題点[編集]
2019年末から2020年初頭にかけて新型コロナウイルスが拡大した際、WHOは中華人民共和国に対して忖度したという疑惑が持たれており、またコロナ対策でも単なる広報係でしかなく建設的な対応がほとんどできていないとの批判もある。
テドロス氏は2020年2月12日、新型コロナウイルスの治療法やワクチンについて話し合う専門家会合後の記者会見で、記者が「WHOは中国の対応を称賛するように中国から圧力を受けたのか」と質問を行った際、WHOのテドロス氏は「中国は感染の拡大を遅らせるために多くの良いことをしている」と説明。「ほとんどすべての加盟国が、中国の対応を評価している」と発言した。
これに対し、中国と対立を深めているアメリカ合衆国のトランプ大統領は、2020年5月アメリカ合衆国がWHOからの離脱をする、と表明した。その後7月6日付で脱退すると国連に正式に通告した。
新型コロナウイルス対策でWHOが各国の足並みをそろえて対策を行わなかったことが最大の要因であり、問題点が露呈した形といえるだろう。
WHOによる緊急事態宣言[編集]
国際的な対策の調整が必要となる感染症について、10数名の専門家で構成する緊急委員会の提言に基づき、WHO事務局長が発する最高度の警告が緊急事態宣言であり、2005年に改定された国際保健規則で規定され、加盟国は世界的な感染拡大の恐れがある事象すべてについてWHOへの報告義務がある。
小ネタ[編集]
- ロゴにある蛇は、旧約聖書の中での出来事を元ネタにしていると考える人も居る。イスラエルの民が荒野で不平を述べて蛇に襲われた時、救済手段としてモーセは蛇を造るよう、ヤハウェに指示された事があった。これぐらいでは偶像崇拝とは見なされない、って事なのかな…?
そこで主はモーセに言われた、「火のへびを造って、それをさおの上に掛けなさい。すべてのかまれた者が仰いで、それを見るならば生きるであろう」。 — 民数記(口語訳)21章8節
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 公益社団法人 日本WHO協会
- WHO神戸センター
- World Health Organization(英語) - 世界保健機関(WHO)
- International Agency for Research on Cancer(英語) - 国際がん研究機関(IARC)
- 台湾のWHO加盟
- WHO西太平洋地域内における健康都市連合日本支部