QWERTY配列

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QWERTY配列(キューダブリューイーアールティーワイはいれつ、クワーティーはいれつ、クウェルティー配列、英:QWERTY array)とは、ラテン文字が刻印されたコンピューターや英文タイプライターに文字を入力する基本的なキー配列。

概要[編集]

1882年8月に完成。キーボードの英字上段の左から6文字のキーの文字列、「Q,W,E,R,T,Y」と並んでいることから名付けられた。パソコンのキーボードのレイアウトである。

「QWERTY」をフォニックス読みで「クワーティー」「クウェルティー」と呼ぶことが奇異に感じる。英字を3段に分けて配列し、上から数えたとき、英字上段は「QWERTYUIOP」の10文字、英字中段は「ASDFGHJKL」の9文字、英字下段は「ZXCVBNM」の7文字で、英字下段だけ比較的少ない文字数となっている。

英字下段だけ比較的少ない文字数なので、ほぼ中央揃えにするために、英字下段は、英字上段の左揃えから右に比較的1キー移動している。いっぺんに無理矢理書けば「QWERTYUIOPASDFGHJKLZXCVBNM」となる。

アルファベットはローマ字入力と英語入力両方共通で使える。意外なことに、アルファベットの位置がすぐに発見でき、ローマ字入力や英語入力が高速でタイピングできるのが特徴。

「TYPEWRITER」と「PROPERTY」のスペルが英字上段だけで打てるようにしたことと、英字中段の「ASDFGHJKL」の「D~L」の部分(DFGHJKL)が、アルファベット順(ABC順)に並べた子音字である「BCDFGHJKLMNPQRSTVWXYZ」の「D~L」の部分(DFGHJKL)と全く一緒であることも考えられる。同様に、英字中段からSを除くと、「ADFGHJKL」となり、Dの1つ左はAで、Aはアルファベットの1番目の文字で最初の文字で、Aはアルファベット順(ABC順)ではDの3つ前であり、アルファベット順(ABC順)に近い並びが連続している。

つまり、QWERTY配列の英字中段がA~Lのアルファベット順(ABC順)に近い並びであり、英字中段の「D~L」の部分は、アルファベット順(ABC順)に並べたキーボード配列から母音のみ移動させたもので、そのまま共通部分の「DFGHJKL」が残ったと考えられる。

この配列になった理由のヒントは、おそらく、使用頻度の低い文字を、端っこや四隅になるべく近い場所や、打ちやすさが比較的窮屈である英字下段に配置したとか、英字中段はアルファベット順(ABC順)に近い並びにしたとか、英字下段はM~Zの逆アルファベット順の一部を並べたとか、英字上段と英字下段は打ちやすさを考慮して配列したとかの理由がある。なお、英語で最も使用頻度の高いEが中段ではなく上段にあるのは、1882年頃の性能の悪いタイプライターが故障しない様に、あえて高速に打ちにくい様にしたからだと言われている。

英字下段だけ比較的少ない文字数なのは、指先の動きは扇形に近く、指先を下へ動かすと、指を曲げて打つので、英字下段だけ打ちやすさが比較的窮屈で、下段では特に左手が打ちやすさが窮屈であるとか、母音を中心から比較的離れた場所や英字上段に配置したとか、「ER」「RE」「TY」を連続して打てるように近くに配置したとか、「B・V」「M・N」という近似した発音の文字を隣同士に並べたとか、数字の1(いち)と0(ゼロ)が、それぞれアルファベットの大文字のI(アイ)とO(オー)とよく似ていることから、数字の1(いち)と0(ゼロ)を隣同士にするために、アルファベットのI(アイ)とO(オー)を隣同士に並べたとか、中段のアルファベット順のうち、Bを抜かして別の段に移動したのは、アルファベット順の「A~G」は、鍵盤で、白鍵を「ラ=イ音」から数えたときの英語音名に使われ、Bはドイツ音名では「シ♭=変ロ、英語音名ではB♭」の黒鍵を意味し、「シ♮=ロ音」はドイツ音名ではBではなくHで、白鍵のドイツ音名は、「AHCDEFG」で、「シ♮=ロ音」だけアルファベット順でないという関係か、白鍵のうち、英語音名のBを主音とする長調は、調号#5個のロ長調で、ロ長調は、五度圏では、調号無しのハ長調から#系に5つ進んだ調で、ロ長調は、調号無しのハ長調から見たときと白鍵のみを主音としたときでは、一番遠い調、遠隔調の関係であるか、打つ速度を落としてアームの衝突を防ぐためといった理由で考え出された説である。

パソコンの他に、スマホ、電子辞書、ラベルライター、ワープロといった電子機器に用いられている。

対応表 (サンプル)[編集]

QWERTY配列のキーの位置については、パソコン・電子辞書・ラベルライターの配列では、DはEとRの間の下、XはSとDの間の下で、英字上段のみ左揃えで、英字中段は左揃えから右に1/2キー移動、英字下段は左揃えから右に1キー移動していて、全て左端のキーの位置「Q・A・Z」が右に半分ずれて斜めになっている。ただし、スマホの配列では、位置のずれが違っていることがある。1つ目は、DはEの真下、XはDとFの間の下で、英字上段と英字中段が左揃えで、英字下段は左揃えから右に1と1/2キー移動していて、2つ目は、DはEとRの間の下、XはDの真下で、英字上段のみ左揃えで、英字中段は左揃えから右に1/2キー移動、英字下段は左揃えから右に1と1/2キー移動している。全てずれ幅無し=全て縦一列の配置の場合、平均すると、Dの真上はE、Dの真下はXで、英字上段と英字中段が左揃えで、英字下段は左揃えから右に1キー移動している。全てずれ幅無し=全て縦一列の配置は、「直交配列」ともいう。キーの位置・ずれ幅が異なると、タイピングの指の位置が異なる。

モバイルコンピューターの一部の製品「品番:FMV LOOX U50」では、ほぼ縦一列になっている。Dの真上はE、Dの真下はXになっている。

文字のみで表すと、全て全角固定となる。

QWERTYUIOP
ASDFGHJKL
 ZXCVBNM

①パソコン・電子辞書・ラベルライターの配列
Q
W
E
R
T
Y
U
I
O
P
A
S
D
F
G
H
J
K
L
Z
X
C
V
B
N
M

または

Q
W
E
R
T
Y
U
I
O
P
A
S
D
F
G
H
J
K
L
Z
X
C
V
B
N
M
②スマホの配列-1
Q
W
E
R
T
Y
U
I
O
P
A
S
D
F
G
H
J
K
L
Z
X
C
V
B
N
M
③スマホの配列-2
Q
W
E
R
T
Y
U
I
O
P
A
S
D
F
G
H
J
K
L
Z
X
C
V
B
N
M
④CASIOのラベルライターの一部「Lateco」の配列

英字上段は左揃えで、英字中段は左揃えから右に1/4キー移動、英字下段は左揃えから右に1キー移動している。後(下欄)に出てくる「⑤全てずれ幅無し=全て縦一列の配置」に比較的近い気がする。

Q
W
E
R
T
Y
U
I
O
P
A
S
D
F
G
H
J
K
L
Z
X
C
V
B
N
M
⑤全てずれ幅無し=全て縦一列の配置の場合
Q
W
E
R
T
Y
U
I
O
P
A
S
D
F
G
H
J
K
L
Z
X
C
V
B
N
M
⑥格子配列の場合
Q
W
E
R
T
Y
U
I
O
P
A
S
D
F
G
H
J
K
L
Z
X
C
V
B
N
M

メーカー[編集]

Windows、Google日本語入力、ATOK、Mac、CASIO、SHARP、Canon、SEIKO(電子辞書のみであるが、今は廃止)、CITIZEN、Brother、EPSON、KIRIHARA、SANYO、KOKUYO、Roland(FANTOM 06:RENAME画面)、RICOH、カラオケ・ビッグエコー、YAMAHA(Clavinova CVP新型=タッチパネル付き=ファイル検索機能)、SONY(電子辞書のみであるが、今は廃止)。

QWERTY配列が、全て縦一列の製品は、「CASIO XD-SG5000」「SHARP PW-GT550、PW-A700、PW-G500」「SEIKO SR-A10001M、SR-G7001M、SR-G7000M」がある。

タイピングの指の位置[編集]

全てずれ幅無し=全て縦一列の場合のタイピング

小指=赤

薬指=オレンジっぽい黄色(所謂山吹色)

中指=緑

左手人差し指=青

右手人差し指=紫

ホームポジションはF・Jのまま変化無し。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]