R

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R(アール)とは、アルファベットの18文字目。子音字。小文字はr。QWERTY配列で、英字上段の左から4文字目。アルファベット読みの発音の呼称は、英語のスペルでは「arr」「ar’r」、発音記号は「ɑː'r」「a'r」。

意味[編集]

  • 右(Right)を表す記号。
  • 色相で、(Red)を表す記号。
  • 音楽用語で、コード(和音)の根音(ルート、Root)の頭文字。コード(和音)の根音(ルート)は、しばしば「1」と書かれる。
  • 車で、セレクトレバーが「Reverse(後退、逆転、バック)」の位置にあることを示す記号。
  • 半径(Radius)の頭文字。
  • ラジアル(Radial)の頭文字。
  • 屋上階(Rooftop)を表す文字。
  • 道路で、一般道路の路線番号である国道(Route)の略字。例:国道1号線の路線番号は、「R1」。
  • タイヤの位置で、後輪(Rear wheel)を表す記号。
  • 電子媒体のRecordable(追記可能)の略。「CD-R」「DVD-R」など。
  • 電卓で、リコール(Recall)を表す記号。「MR=Memory Recall」に使われる。
  • 統計的解析を行うためのプログラミング言語の名前。R言語を参照。
  • 阪和線の路線記号。

Rのアルファベット読みの発音の呼称の英語のスペルについて[編集]

日本では慣例的に「アール」と呼ばれるが、英語圏での呼び方はYou areのareと同じで「アー」に近く、「発音しないR」になる(イギリス英語の場合であり、アメリカ英語では普通、軽くRを発音する)。

もし、英語のスペルを「ar」と書くと、発音は「アー」で、発音記号は「ɑː」になり、Rの前に母音がくっ付いた場合、一般に、Rの子音は発音せず、母音を長音にする役割を持ち、母音がRの影響を受け、「発音しないR」になり、R(『ら行』の子音)は消えるため、Rの音をはっきり出したい場合には問題がある。フォニックスでの「AR」は、一般に、AとRを1つずつ音読みするのではなく、「AR」という2文字で1つの発音になる。

英語では基本、Rのスペルで表す『ら行』の子音が単独で来ることは無いが、あえて発音させるなら、母音の後ろにRを2つ付ける手がある。従って、Rのアルファベット読みの発音の呼称は、英語のスペルでは「arr」(「a'r」「ar'r」でも可?)とすべきとの意見もある。スペルが「arr」であっても、発音記号はどうやら「ɑː」もあるが、発音記号が「ɑː'r」「a'r」となってR(『ら行』の子音)が消えないかもしれない。英語のスペルが「arr」「ar'r」「a'r」であれば、発音記号は「ɑː'r」「a'r」になり、発音記号のスペルは母音とrの子音の間にアポストロフィを付ける必要があるため、発音は「アール」になるので、R(「ら行」の子音)は消えないので、「ら行」の子音が認識される。ただし、ローマ字入力では、子音が「RR」の場合、「RR+母音」=「っ+ら行」=促音による『ら行』になり、第1音節のRの子音は発音しないので要注意。

なお、「アール」は元々「er」であったが、現在の英語圏でのRの音は「ar, arr」のフォニックス読みに近い。

ローマ字入力におけるR[編集]

RA RI RU RE RO
RYA RYI RYU RYE RYO
りゃ りぃ りゅ りぇ りょ

余談?[編集]

異なる言語で同じスペルの単語の場合、Rの音を「発音しないR」「発音するR=ゥル(r)」どちらで読むかは言語により異なる。例えば、tenor(テナー、テノール)、meter(メートル、メーター)、horn(ホルン、ホーン), iron(アイアン、アイロン)がある。

tenorの読みは、英語では「テナー」で、tenorの「R」をフォニックスの原則通りに「発音しないR」で話すものであり、舞台ドイツ語では「テノール」で、tenorの「R」を「発音するR」で話すものである。meterは、フランス語ではmètreと綴り「メートル」と読み、mètreの「R」を「発音するR=ル(r)」で発音するが、現代ドイツ語では「メーター」と読み、Meterの「R」を「発音しないR」で発音する。英語フォニックスでは「ミータ一」になる。メートル法はフランス発祥なので、日本でもフランス語に倣いメートルと呼ぶのが一般的である。

歴史[編集]

ギリシャ文字の「Ρ(ロー)」を由来とする。

各国語での読み方[編集]

多くの言語で、ラ行の音を表す子音として使われる。ただし言語によって発音が大きく変わる。「歯茎ふるえ音」が多数派だが、英語のRは「ゥラ行」的だし、フランス語やドイツ語の有声口蓋垂摩擦音は、もはやラ行音に聞こえない。

言語 字名 語中での読み方 備考
R ra ri ru
古典ラテン語 エル 歯茎ふるえ音。日本語の「ル」を激しく繰返す、いわゆる「べらんめえ調」。
教会ラテン語 エル 歯茎ふるえ音
イタリア語 エッレ 歯茎ふるえ音
スペイン語 エレ 歯茎はじき音。日本語のラ行の発音に近い。
フランス語 エル リュ 有声口蓋垂摩擦音。日本人にはハ行の音に近く聞こえる。
英語 アール レイ ライ リュー 歯茎接近音。ワ行の音の要素が少し入る。
ドイツ語 エア 有声口蓋垂摩擦音
ポーランド語 エル 歯茎ふるえ音

英語[編集]

フォニックスにおけるRの発音は「ゥル(r)」で、舌を口の中のどこにも触れずに発音する『ら行』で、「歯茎ふるえ音」と呼ばれ、日本語の『ら行』の前に「ゥ(小文字の『ウ』)」を入れたものである「ゥラ.ゥリ.ゥル.ゥレ.ゥロ」の発音に近い。「サイレントR」もある。

短母音+R[編集]

母音一文字+R+子音の形になった場合、即ち「母音+R」は、原則として、Rの子音は発音せず、母音を長音にする役割を持ち、「サイレントR」になるものが多い。「R母音」とも呼ばれる(イギリス英語の場合。アメリカ英語だと普通、軽くRが入る)。長音になる時に、瞹眛めの異なる発音となるのも大きな特徴。「発音しないR」で、母音を長音にする役割を持つ英単語は、次の様な例がある。

  • aの後: standard, car, sharp, park, start, star, kart, go-kart
  • eの後(接尾語): 「~er」
  • eの後(語尾): silver, finger, computer, cover, power, user, discover, wonder, butter, recorder, folder, number, filter, water, powder, browser
  • eの後(語尾以外): personal, concert, invert,「inter~(接頭語)」, Internet, property, Perfume, modern, yesterday, butterfly, wonderful, western
  • iの後: circle, first, third, thirteen, thirty, skirt
  • oの後: color, word, short, record, recording, recorder, chord, cord, coordinate, coord, Major, minor, perform, information
  • uの後: purple, turn, Saturn, surprise, saturday,
  • uとeの間: adventure

R母音の発音記号は、

AR ER IR OR UR
アー(ɑː,ɑːr) アー(əː,əːr) アー(əː,əːr) オー(ɔː,ɔːr)、アー(ɑː,ɑːr) アー(əː,əːr)

「母音+R」のスペルのRの部分が「サイレントR」で、母音を長音にする役割を持つ英単語の後ろに、別の単語のスペルがくっ付くと、「サイレントR」の部分が、長音が消え、単に母音字のみに変わることがある。その英単語は、「color→colorful、coloring」,「power→powerful」,「butter→butterfly」,「saturn→Saturday」,「wonder→wonderful」などがある。

長母音+R[編集]

「母音+R」のスペルでも、母音+reの形、あるいはeer, ear, oor, 二重母音+rの形であれば、「サイレントR」の部分が、長音の影響を受けない母音で、単に母音字と同じ発音になり、英単語は、次の例がある。

  • 母音+reの形
    • a+re: care, software, hardware, rare, fare, spare, square,
    • i+re: tire, sapphire, fire, wire
    • o+re: score, more, store,
    • u+re: pure, picture, capture, venture
  • 母音+r+母音の形: iron(アイアン)
  • 二重母音+rの形: rear, pair, door, air, chair, choir, interior, exterior, floor, fair, keyboard, board, four

なおwireについては、例外として、「サイレントR」の部分が、母音を長音にする役割、長音の影響を受けない母音、両方読めることがある。

その他[編集]

「母音+R」のスペルのRの部分が「サイレントR」で、母音を長音にする役割を持つ英単語の後ろに、違うスペルがくっ付いたとき、「サイレントR」の部分が、「発音するR」に変わるものもあり、その英単語は、「discover→discovery」「finger→fingering」「number→numbering」「powder→powdery」「cooker→cookery」「baker→bakery」「monitor→monitoring」「filter→filtering」などがある。

「母音+R」のスペルのRの部分が「サイレントR」で、長音の影響を受けない母音で、単に母音字と同じ発音になる英単語の後ろに、違うスペルがくっ付いたとき、「サイレントR」の部分が、「発音するR」に変わるものもあり、その英単語は、「clear→clearance」がある。

Rの前に母音がくっ付いても、Rの後にも母音が続く場合は、Rの「ら行」を発音する。例えばorange, original, forest, garage, emerald, celurean, marine, favorite, around, series, ocarina, hectare, memory, difference, dictionary, kangaroo, Europe, Irelandなど。一方、Rの前に母音がくっ付いた状態である「母音+R」のスペルでも、例外として、Rの「ら行」を発音するものもあり、英単語には、次の様な単語がある。

  • ドイツ・オランダ語由来:horn(ホルン), saxhorn, Hertz(ヘルツ、周波数の単位), Mozart, Schubert, Amsterdam
  • ラテン系諸語由来
    • ラテン語由来:torque(トルク), cursor, vortex(ボルテックス), quartet, Argentine
    • イタリア語由来:forte(フォルテ), concerto(コンチェルト), arpeggio, ritardando(リタルダンド), largo(ラルゴ), fermata, Marco(マルコ), sforzando
    • フランス語由来:organ(オルガン), cornet(コルネット), mortar, Bordeaux, tourmaline(トルマリン), Porno Graffitti, dumortierite
    • スペイン語由来:cork(コルク)
  • ケルト語由来:morganite
  • インド・イラン語由来:sitar, Persia
  • アラビア語由来:Qatar
  • トルコ語由来:yogurt(ヨーグルト)

これらは、イタリア語など他の外国語を由来とする言葉で、日本語話者はイタリア語等と同様に「ル」を発音する一方で、英語話者はフォニックスの原則通りRを発音しないのが普通である。

  • カタカナ表記で、最後が「ル」で終わる外来語に対応する英単語のスペルは、子音は「L」が多いが、フランス語・スペイン語からの借用語や日本人が誤読した単語に「R」のものもある。「R」の場合、英単語は、metre(メートル), notredame(ノートルダム), Ecuador(エクアドル), hectare(ヘクタール), cursor, heliodor, Singapore。
  • 短母音の後ろに、「発音するR=ゥル(r)」で表すものである「ら行」の子音が来た場合、一般に、母音の後ろにRを2つ付ける必要がある(Rが1つだと、前の母音が長母音になる)。発音記号のスペルは母音と子音「r」の間にアポストロフィが付く。母音の後ろにRが2つ付く英単語は、例:array, curry, arrive, mirror, arrange, tomorrow, irregular, error, narrow, arrow, barrel, carrot, carry, kerria, hurry, berry, cherry, correct, merry, sorry, worry, Andorraなど。
  • Rのフォニックスで、Rの前に母音がくっ付いた状態である「母音+R」のスペルのRの部分が、Rの「ら行」を発音する単語のスペルに、「~ic」の接尾語がくっ付くと、Rは「サイレントR」に変わるものがあり、「organ→organic」がある。

フランス語[編集]

喉の奥で発音する特殊なRで、ハ行の音に近く聞こえる。また、「サイレントR」も少数派ではあるがそれなりに多く、ほとんどの動詞の不定形の語尾「-er」もサイレントRである。

ドイツ語[編集]

後に母音が続く時は喉の奥で発音する特殊なR(フランス語と同じ)で、続かない時は瞹眛母音(英語と同じ)になる。ただし方言による差も大きい他、19世紀に制定された舞台発言では、常に歯茎ふるえ音(イタリア語と同じ)になる。

例えばArbeitは、「アーバイト」と読むのが一般的だが、舞台発言では「アルバイト」になる。

日本語ローマ字読み[編集]

ローマ字読み・ローマ字入力では「ら行」の子音。「R+母音」=「RA RI RU RE RO」→「ら.り.る.れ.ろ」。日本語の『ら行』は、舌を硬口蓋に近付けて発音する『ら行』で、「弾き音」と呼ばれ、発音記号は「ɾ」で、舌の位置はRの系列とみなされる。RはLに比べて日本語の『ら行』の子音・調音がはっきりしていて、日本語の『ら行』の発音に近く、日本語の『ら行』が発音しやすい。なおスペイン語のRの発音は、日本語の『ら行』の発音とほぼ同じである。

外部リンク[編集]

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