日本選手権シリーズ

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日本選手権シリーズ (にほんせんしゅけんシリーズ、にっぽんせんしゅけんシリーズ) は日本プロ野球の日本一を決めるために毎年10月末から11月初旬に開催される試合である。一般的に日本シリーズ (にほんシリーズ、にっぽんシリーズ[1]) と呼ばれることが多い。

プロフィール[編集]

概要[編集]

両リーグともAクラスに入った3チームで繰り広げられるクライマックスシリーズで優勝したチームが対戦するが、これが導入される前の2006年大会まではリーグ優勝したチームが出場していた[2]

開催地は原則として出場チームの本拠地球場で開催される。奇数年はパ・リーグ代表チームの本拠地球場で第1・2・6・7戦を、セ・リーグ代表チームの本拠地球場で第3・4・5戦を開催するが、偶数年はリーグを入れ替えセ・リーグ代表チームの本拠地球場で第1・2・6・7戦を、パ・リーグ代表チームの本拠地球場で第3・4・5戦を開催する[3]。ただしイベント等により本拠地球場が確保できない場合は、他の球場で開催される場合がある。

大会のレギュレーション[編集]

シリーズは番勝負形式で、どちらかのチームが4勝した時点で終了となる。そのため、2005年のように4連勝で決着した例もあれば、2013年のように両チームとも3勝したため第7戦にもつれ込んだ例もある。過去の最多は第7戦時点で1引分を含んでタイで第8戦までもつれた1986年である。なお第7戦までに決着がつかなかった場合は、第7戦の翌日に同じ球場で第8戦を開催する。そこでも決着がつかなかった場合は再び移動日を挟み第3・4・5戦を開催した球場で第9戦を開催する。

2018年以降、第7戦までは延長戦はレギュラーシーズンと同じく12回までである。第8戦以降は延長戦は回数無制限である。

冠スポンサー[編集]

2010年大会までオールスターゲーム (サンヨー→ガリバーマツダマイナビ) やセ・パ交流戦 (日本生命) と同様に冠スポンサーはついていなかったが、2011年からはコナミを冠スポンサーに迎え 「コナミ日本シリーズ2011[6]」 を興業名とした。2014年からはコナミに代わって三井住友銀行が冠スポンサーになり、大会名も 「SMBC日本シリーズ20XX[7]」 になった。

表彰[編集]

優勝チームにはNPBからペナントとチャンピオンフラッグ、優勝記念品代、内閣総理大臣杯が贈られる[8]。ペナントは刺繍で優勝年と 「NIPPON CHAMPIONS」 の文字が入る。チャンピオンフラッグも優勝年と 「NIPPON CHAMPIONS」 の文字が入り、どちらもパ・リーグの優勝ペナント・チャンピオンフラッグと似たようなデザインである。チャンピオンフラッグはセ・リーグ優勝ペナントやパ・リーグ優勝のチャンピオンフラッグと同様に、翌シーズン公式戦で国旗・連盟旗・球団旗と同じ位置に掲揚される。また在京キー局 (日本テレビテレビ朝日TBSテレビテレビ東京フジテレビ) からトロフィー (フジテレビのみ優勝盾) と賞金 (50万円×5局=250万円) が贈られる。

優勝チームでシリーズ中一番活躍した選手1名には最高殊勲選手賞 (MVP) が贈られ、NPBからトロフィー、NPBに協賛する各社から賞金が贈られる。かつては自動車が贈られたこともあった。

敗退チームでシリーズ中一番活躍した選手1名には敢闘選手賞が贈られ、NPBからトロフィー、各社から賞金品が贈られる。

その他シリーズ中活躍した選手3名には優秀選手賞が贈られ、各社から賞金品が贈られる。

出場履歴・成績[編集]

  • 太字の項目は最多数を表す。球団の列のソートボタンで元の順序に戻る。
  • 松竹は大洋(現・DeNA)に、近鉄はオリックスにそれぞれ吸収合併されたため記録としては※特記事項となる。
  • 吸収合併されたセ・リーグに加盟していた西日本パイレーツとパ・リーグに加盟していた高橋ユニオンズは日本選手権出場経験がない。
球団 出場 優勝 敗退 試合 勝利 敗戦 引分 勝率 最新出場年度 最新優勝年度 決定球場
(対戦相手) (対戦相手) (当時球場名)
01/巨人 34 22 12 198 109 87 2 .556 2013年
(楽天)
2012年
(日本ハム)
東京ドーム
02/西武(西鉄) 21 13 8 130 68 60 2 .531 2008年
(巨人)
2008年
(巨人)
東京ドーム
03/ソフトバンク (南海・ダイエー) 17 8 9 99 48 50 1 .490 2017年
(DeNA)
2017年
(DeNA)
福岡ヤフオク!ドーム
04/ヤクルト 8 6 2 41 24 17 0 .585 2022年
(オリックス)
2021年
(オリックス)
グリーンスタジアム神戸
05/オリックス (阪急) 13 4 9 70 31 37 2 .456 2023年
(阪神)
2022年
(ヤクルト)
グリーンスタジアム神戸
06/ロッテ (毎日・大毎) 6 4 2 32 17 14 1 .548 2010年
(中日)
2010年
(中日)
ナゴヤドーム
07/日本ハム
(東映)
7 3 4 41 19 21 1 .475 2016年
(広島)
2016年
(広島)
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
08/広島 7 3 4 48 20 25 3 .444 2016年
(日本ハム)
1984年
(阪急)
広島市民球場
09/中日 10 2 8 60 23 36 1 .390 2011年
(ソフトバンク)
2007年
(日本ハム)
ナゴヤドーム
10/DeNA (大洋・横浜) 3 2 1 16 10 6 0 .625 2017年
(ソフトバンク)
1998年
(西武)
横浜スタジアム
11阪神 6 1 5 36 13 22 1 .361 2023年
(オリックス)
2023年
(オリックス)
京セラドーム大阪
12楽天 1 1 0 7 4 3 0 .571 2013年
(巨人)
2013年
(巨人)
日本製紙クリネックススタジアム宮城
13/近鉄 4 0 4 26 10 16 0 .385 2001年
(ヤクルト)
02/日本一経験なし / 現存しない球団
14/松竹 1 0 1 6 2 4 0 .333 1950年
(毎日)
01/日本一経験なし / 現存しない球団

対戦カード[編集]

いずれも前身球団を含めて実現済みの対戦カードは、勝敗にかかわらずそのカードでの最新対戦年を表記し、一部はカッコ内に対戦回数を表示[9]。一度もそのカードで対戦されていない場合は×をつけている。なお、セ・リーグの巨人、パ・リーグの西武とソフトバンクは相手リーグの全球団と対戦経験がある。

横軸:パ・リーグ球団
縦軸:セ・リーグ球団
日本ハム 楽天 西武 ロッテ オリックス[10] ソフトバンク
巨人 2012年 (3) 2013年 (1) 2008年 (10) 1970年 1996年 2020年 (12)
ヤクルト × × 1997年 (3) × 2022年 (4) 2015年 (1)
DeNA × × 1998年 (1) × × 2017年 (1)
中日 2007年 (2) × 2004年 2010年 × 2011年 (2)
阪神 1962年 (1) × 1985年 (1) 2005年 (1) 2023年 (1) 2014年 (3)
広島 2016年 (1) × 1991年 (2) × 1984年 2018年 (1)

エピソード[編集]

  • 2005年大会 (千葉ロッテマリーンズ阪神タイガース) では、4試合合計の得点がロ 33 - 4 神 になる展開になった。この結果、「33-4」 としてネタにされるようになり、野球に関係しない場面でもこの334の並びが見えただけで 「なんでや!阪神関係ないやろ!」 と言われるようになった。
  • 前述の通りクライマックスシリーズが導入されたのは2007年からである。この年中日ドラゴンズがセ・リーグ2位から出場[11]、みごと優勝を果たした。ちなみに前年と同じ対戦カードで日本ハムと対戦した。
    • この3年後、今度は2010年大会で中日とロッテが対戦、ロッテはリーグ3位から出場し優勝。下剋上優勝と言われた。
    • この後にも2014年大会で阪神がリーグ2位から、2017年大会でDeNAがリーグ3位から出場したが、どちらも優勝を逃している。一方、2018年・2019年はソフトバンクが2年連続でパ・リーグ優勝の埼玉西武を破り、そのまま日本シリーズでも優勝を決めた。
  • 2013年大会東北楽天ゴールデンイーグルスが出場、そして優勝したことにより12球団は出場と優勝を必ず1回は経験している。また、2017年大会でDeNAが敗退したことにより、複数回出場したチーム (楽天以外の11球団) はすべて優勝と敗退の両方を1度は経験している。
    • また、2018年のパ・リーグのクライマックスシリーズでソフトバンクが優勝したことにより、最低でも一度、セ・リーグは西武とソフトバンクの2チームと、パ・リーグ (近鉄を含めた) 7球団は巨人との対戦を経験している。
  • 阪神とホークスは過去に1964年2003年2014年の3回対決しているが、このうちホークスは、1964年は 「南海ホークス」 、2003年は 「福岡ダイエーホークス」 、そして2014年は 「福岡ソフトバンクホークス」 として出場した。よって阪神は過去の3つの親会社時代に必ず1回対戦したことがある。さらに、3回ともすべてホークスが優勝している。
  • 2016年はセ・リーグの西端・広島とパ・リーグの北端・日本ハムの対決になったが、両球団の本拠地であるMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島札幌ドームの間の直線距離は1231kmである。これは日本シリーズ史上最長の移動距離になり、「最長移動距離シリーズ」 とも呼ばれた。これはパ・リーグの西端・ソフトバンクとセ・リーグの東端・巨人の本拠地、福岡ドーム東京ドームの間の直線距離・890kmよりも341km長い。ちなみにホークスと巨人は2019年に対決している。
    • このように移動距離が長い対戦カード、例えば広島と日本ハムまたは楽天が対戦する場合、雨天等で延期になった場合は移動日も込みで順延措置が取られることとなる。逆に移動距離が短い場合、移動日を削って本来移動日だった日に試合を行う場合がある。
  • 長嶋茂雄王貞治巨人のV9時代ON砲で同じ釜の飯を食ってきたが、2000年大会では長嶋茂雄は巨人の、王はダイエー (現:ソフトバンク) の監督として対決することになった。この2人の対決から 「ON対決」 とも呼ばれた。同様に、2010年大会も中日・落合博満監督とロッテ・西村徳文監督が現役時代にロッテで同じ釜の飯を食ってきたことが注目された。
  • 2018年大会平成時代に開催される最後の日本シリーズとなり、結果はソフトバンクが優勝した。これにより平成時代に開催された日本シリーズに出場したことのある球団では、阪神[12]・広島[13]・近鉄[14][15]の3球団が平成時代に1度も日本一を達成できず終わることとなった。
  • 1989年大会では第1戦から第3戦にかけ近鉄が巨人に3連勝したが、この際近鉄の加藤哲郎投手が第3戦のヒーローインタビューで 「巨人はロッテより弱い」 と発言した。その発言により巨人ナインに火がついたのか、巨人が第4戦から第7戦にかけ4連勝し近鉄は日本一を逃すこととなった。
  • 2023年大会は前述の1964年の阪神 vs 南海以来の、阪神とオリックスの関西ダービーになり、「THE GREAT KANSAI DERBY」のロゴも制作された。結果は4勝3敗で阪神が38年ぶりの優勝を果たしたが、オリックスも山本由伸が第6戦に完投勝利した。

脚注[編集]

  1. 多くの場合、近年は 「にっぽんシリーズ」 と呼ばれる。
  2. パ・リーグ2004年から3年間開催されていたプレーオフでは、プレーオフの勝者がリーグ優勝チームとして扱われていた。
  3. 一例として、東京ヤクルトスワローズオリックス・バファローズが対戦した2021年は、第1・2・6戦はオリックスの、第3・4・5戦はヤクルトのホームゲームとして開催された。2年続けて同一カードとなった2022年は、第1・2・6・7戦はヤクルトの、第3・4・5戦はオリックスのホームゲームとして開催予定。
  4. 本来なら7月に開催される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で秋に延期された。
  5. これは本来2020年に開催される予定だったものが、新型コロナウイルスの影響で翌2021年に延期されたものである。
  6. 大会のロゴマークはアルファベットで 「KONAMI NIPPON SERIES 2011」 と表記。2012年・2013年大会では 「コナミ日本シリーズ20XX」 とカタカナを用いて表記。
  7. ロゴマークは左記のように日本語を用いたものと、アルファベットで 「SMBC NIPPON SERIES 20XX」 と表記したものと2種類がある。
  8. ちなみに硬式野球における天皇杯東京六大学野球リーグの優勝チームに授与されるため、天皇杯は一競技につき一つだけの原則によりプロ野球チームへの授与はない。
  9. 例えば巨人日本ハム1980年2009年2012年の3回対戦しているが、この場合は2012年が最新対戦年になる。
  10. 合併前の記録は阪急ブレーブス→オリックス・ブルーウェーブのみ有効とし、近鉄バファローズの記録は含めない。
  11. この年のセ・リーグ優勝チームは読売ジャイアンツだった。
  12. 2003年・2005年・2014年の3回出場。なお2014年はセ・リーグ2位からクライマックスシリーズで優勝して出場権を得た。
  13. 1991年・2016年・2018年の3回出場。なお2017年にもリーグ優勝しているが、クライマックスシリーズでDeNAに敗れ出場できなかった。
  14. 1989年・2001年の2回出場。
  15. 2004年球界再編によりオリックス・ブルーウェーブに合併され消滅。